カーク船長の娯楽日記

周回軌道上から地球を眺めつつしたためた恒星日誌
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最近見た映画とテレビ

(最近見た映画・その1)「時計じかけのオレンジ」



最近はamazonであまりモノは買ってませんが、amazon primeに加入してしまったので、たくさんの映画が見放題ですから見ないと会費がもったいないと言うことで、以前から見たいと思っていた、スタンリー・キューブリックのこの作品を見てみました。


「時計じかけのオレンジ」の紹介:1971年アメリカ映画。荒廃した近未来のイギリスの街。夜の街にはギャングがのさばり毎夜闘争が繰り広げられる。ギャングをひきいるアレックスは高校生。学校には通わず昼夜逆転の生活。彼が率いるギャングの悪行は日に日にまして、そして彼は・・・。


原作は1962年発表のイギリスの小説家アンソニー・バージェスによるディストピア小説だそうです。手塚治虫のマンガで「時計仕掛けのりんご」と言うのがありますが、内容は全然関係無いそうです。タイトルを真似しただけでしょう。

「ディストピア」とは「ユートピア(理想郷)」と逆の社会のことで、SFの舞台設定としてよく使われています。

SFでよく見られる「ディストピア」の例としては、「表面的には秩序だって管理の行き届いた世界に見えるが、その内実は極端なまでの管理社会であり、言論の自由や選択の自由などがない社会」のようなパターンです。

この元祖?にあたるのが、全体主義に支配された社会を描いたジョージ・オーウェルの「1984年」です。高校の頃に読んで、最近また読みましたが、まあSFというより、(書かれた当時の)近未来ポリティカル・フィクションと言う感じでしょうか。それ以外にも、最近のSF映画でもよくある設定です。

「時計じかけのオレンジ」もSFではなく、暴力がはびこる近未来で、政府が凶悪な暴力犯にたいして人権無視の洗脳のような治療方法によって暴力性を抑えようとするが・・・というような内容です。

暴力とレイプにあけくれる主人公が仲間の裏切りで逮捕されて、刑期短縮のかわりに「ルドビコ療法」というものの実験台になって、人格改造により善人になると言うものです。

このルドビコ療法とは、拘束服でイスに縛り付けられて眼球を強制的に見開かされた状態で、暴力やレイプの映像を見せながら、投薬によって吐き気や不快感を植え付けるというものです。この時に、なぜかベートーベンの第九を聴かせながらやるので、ルドビコ療法と名付けられています(ルートヴィヒ・ファン・ベートーベンの「ルートヴィヒ」のイタリア語)。

その治療の結果、主人公は、暴力や性衝動を感じると、そのとたんにゲーゲー嘔吐してしまって何もできなくなり、ボコボコにされても抵抗できなくなってしまいます。これをもって「治療が成功」と判断されますが、耐えられなくなって自殺を試みた結果、一命を取り留めて、治療効果も消えており、以前よりも悪くなったことを暗示して終わると言う内容です。

この「ルドビコ療法」と言うのは、暴力性や残虐性を「治療する」と称して、本人の選択の自由を奪って生理的な嫌悪感を植え付けることで犯罪性を抑止しようとするものです。暴力的場面と身体的不快感をパブロフの犬のように条件付けすることで、主人公のの暴力的傾向を抑えるものとして描かれています。

従って、表面上は善人のようにふるまったとしても、内面から改心しての行動ではない、自らの自由意志による選択の結果としての更正ではなく、トラウマを植え付けることによってそうふるまうように強制されているにすぎません。そういう点で考えさせられる部分があります。

暴力や性的なシーンがあるので要注意とのことでしたが、どちらもたいしたことないので大丈夫でした。やっぱり映画が古いから、当時は衝撃だったのかもしれませんが、今の時代に見ると、暴力シーンはちょっとコントのように見えてしまいます。レイプシーンもエロくないのでどうってことないです。むしろ滑稽に描かれている?そう見えるだけかも。

まあ、正直、古い映画で今見るとたいしたことないではないか、と言うのが全体の印象でした。あと、見ていて楽しくはないです。

スタンリー・キューブリックと言えば、私にとっては「2001年宇宙の旅」の映画監督であり、これが同じ人物の撮った映画なのかとびっくりでしたが・・・




「ソラリス」



これまた、AMAZON primeに加入したので無料で見ました。本当はタルコフスキーの「惑星ソラリス」のほうが見たかったのですが(有名なので)、この作品はそのリメイクと言って良いでしょう。



原作は、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの「ソラリス」です。



私が見たのは、2002年にアメリカの映画監督スティーブン・ソダーバーグによりリメイクされたほうで、主演はジョージ・クルーニーです。内容は、あらすじから判断すると、原作の再映画化と言うより、タルコフスキー版のリメイクと言ったほうが良いでしょう。

あらすじ

海と雲に覆われた惑星ソラリスを探索中の宇宙ステーション「プロメテウス」との通信が途切れたことから、心理学者のクリスは調査のために派遣される。

「プロメテウス」に到着したクリスが目にしたのは、友人の自殺死体、いないはずの人物の痕跡、そして知性を持つ有機体である海が及ぼす、不可解な現象の数々であった。

どうやら、この不可解な現象は惑星ソラリスを覆いつくすソラリスの海がなんらかの知的活動を行っており、その結果として引き起こされているものである可能性が見出された。はたして人類は「ソラリスの海」との間にコミュニケーションすることができるのか。ソラリスの海が考えていることを人類は理解できるのか。形而下的で形而上的な課題がたちあらわれる。


タルコフスキー版も、ソーダーバーグ版も、どちらも主人公と主人公の亡くなった妻(ソラリスが主人公の記憶の中から再合成して送り出してきた存在)との関係に話が集中しています。

しかし原作では、それ以上の大きなテーマとして、「人間と、意思疎通ができない生命体との、ややこしい関係」について思弁的な物語が展開されているそうなので、力点がずいぶん違うようです。SFのテーマより表現重視の芸術作品?

私としては芸術作品を見たいわけではなく、SFとして面白いものが見たいので、たぶんタルコフスキー版を見てもつまらないと思うでしょうし、高校時代に原作の小説は持ってましたが、途中で放り出した記憶があります。なので、「ソラリス」はもういいです(笑)。

・・・と言うことで、AMAZON primeで見た映画2作品は、いずれもハズレでした(笑)。




(最近のテレビ)



最近、テレビの地上波番組をほとんど見なくなりました。新聞もほとんど読まず・・・。ニュースは、Yahooのヘッドラインから見るのと、あとは朝と晩のNHKのニュースだけです。

絶対に見ないようにしているのは、ワイドショーです。あれを見ると本当にバカになる。見てないのにわかるのかとかツッコミは無しで(笑)。いや、ワイドショーが芸能スキャンダルやスポーツその他をとりあげているぶんには、娯楽番組として別に文句はないです。勝手にやれば良いでしょう。

そうではなく、ワイドショーで政治を取り上げるから世の中がおかしくなるのです。日本の世の中、政治、世論がおかしい理由の90%以上の原因は、たぶんワイドショーのせいでしょう。ワイドショーとはまともな常識人をバカへと改造する危険な装置です。

ワイドショーのコメンテーターは、客観的な事実が見られずひたすら主観的で、論理的な思考もできない、科学的思考もできない、言うことは情緒的、扇情的、独断的、非論理的です。そのわりに、間違った常識を疑うこともしないでデマを拡散する。あんなものを見て何も感じない人達が信じられない。

だいたい、「わかりやすい」ものほどウソばかりになる。複雑な政治をわかりやすくなど説明できるはずがなく、わかりやすい説明になっているとしたら、それは正確さが失われているに違いないのです。何でもすぐ単純な答えを求めてはいけない。世の中、かならず答えがあるとも限らないのです。

高学歴の人間のほうがその点でタチが悪いかもしれないです。受験勉強と言うのは、物事を単純化、パターン化してわかりやすく理解すると成績があがるものだし、問題にはかならず答えが用意されているわけです。受験勉強で問われている能力とは、林修が言うように「情報処理能力」にすぎないなわけであり、それは真偽が交錯する現実の中から真実を見抜いたり、本当の意味で問題を解決する能力ではありません。

複雑な社会の問題を解決するにあたっては、それより先に、まず何が本当に問題であるかを見つける能力が必用です。重要になるのは、何でも安易に答えを出そうとすることよりも、疑問を抱くこと、問題を見つけること、質問すること・・・こちらでしょう。第1段階として。

そのような能力は、ただ受動的にテレビや新聞をながめていても身につきません。どうすれば身につくか?まあ、知りませんが。なんでもすぐ信じたり結論に飛びついたりして安易に拙速に結論を出す姿勢は改めなければならないでしょう。

私が子供の頃には、テレビを見過ぎるとバカになるとよく言われたものです。それは正しいでしょう。映画やドラマ、スポーツを見ても別にバカにはならないと思いますが、ワイドショーを見過ぎるとバカになる、正常な判断力を失わせるのは間違いありません。

それはともかく、春の番組改変で夜9時のNHKニュースが悲惨なことに・・・。男女ともアナウンサーが変わり、どっちもしろうとみたいな言うことが幼稚なキャスターになってしまいました。悲惨。

私は、自分の意見を言うキャスターが大嫌いなので、比較的そういうのが少ないNHKの9時のニュースだけはなんとか見られるのですが、それにしても数年前の大越キャスターの時は不愉快でチャンネルを変えることが頻繁にあり、彼はわりと意見を言うほうでしたが、その後のキャスターはそれほどでもなかったので安心して見ていましたが・・・

この4月からは子供レベルの雰囲気のキャスター2人になり見ていられない。かと言って、報道ステーションはキャスターとコメンテーターが独断的な意見を言いすぎなのでとても見るに耐えないし、もうNHKの夜7時のニュースを見ることにしています。だいたいその時間には帰っているし。
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