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経済成長で解決に向かう諸問題

経済成長の必要性について、一つ下の投稿の続きです。また長くなりましたので、余計に誰も読まないだろうと思えるので、文章の推敲や誤字脱字チェック、論理性の確認などは十分にはしていません・・・。

何のために書いているのか!?ブログでこういうことを書く理由は、自分の頭の中を整理して理解を深めるためであり、読む人のためではありません。読む人がいるとも思えないし(笑)。変わった趣味だと自分でも思います。究極の自己満足。

少しかっこつけて言えば・・・何が真実なのか?をあらゆる分野で探求することが人生の目的の一つと考えているので、暇があれば考えるのが好きなのです。

なら公開する必用もないですが、あとで正しいことを書いていたことがわかれば、その時には自慢します。間違っていたとわかれば、こっそり消します(笑)。




さて、今の日本に経済成長が必用な理由は、一つ下の投稿でだいたい大まかに書きましたし、要点だけ言えば、日本は貧しい人が増えているので、政治の目的として国民を豊かにする、豊かさを保つ、これくらいは必用だから、そのために必要最小限の経済成長率くらい確保しましょうということです。

日本の場合、適度なインフレ率を維持して名目成長が2−3%くらいであれば可能ですし(実質1%はできているから、インフレ率を1−2%程度にすればよい)、さまざまな問題(後述)は解決に向かいます。

実質成長率を大きく高めるのは難しいでしょう。少なくとも新自由主義色を排除していない安倍政権にはできないことです。しかし、適度のインフレにするくらいはしなければならないし、その手段もはっきりしています。このまま金融緩和を続けて、それを財源に財政出動すれば良いだけです。ここまでは安倍首相も理解しています。なので、他よりマシな点です。

そこで、①右派ならば防衛費増額とか軍需産業とかに財政出動、②左派ならば社会保障・福祉方面へ財政出動、③地方を重視するならば社会資本(特に地方のインフラ整備等)に財政出動、④その他として災害対策、教育、研究・開発、産業振興などに財政出動

この①〜④のどの財政出動を優先するかにおいて議論が起こるとか、与野党が対立すると言うならわかるのですが、金融緩和するかしないかで与野党が対立し、財政出動してはいけないことで与野党がほぼ一致しているわけですから、もう絶望的です。

と言うか、金融緩和で財源を作って財政出動とは左派の経済政策です。クルーグマンもスティグリッツもピケティもみんな左派・リベラル方面の経済学者です。

ちなみに日本の左派のエコノミストでも、立命館大学の松尾匡氏、経済評論家の森永卓郎氏、エコノミストの菊池英博氏などは金融緩和+財政出動で②を主張していますが少数派ですしマスコミでも軽視されて影響力が低いです。

  

  

  

あと、左派?の経済学者やエコノミストは、日本はもうだめだ、デフレを我慢して経済成長もせず先細りするしかない、みたいなのしかいないです(浜矩子など)。この論調は、不思議と高齢者にウケが良いみたいです。

ちなみに、日本のリフレ派と言われる学者集団は非主流派・超マイナーでまったく影響力がなかったのが、安倍晋三にその政策を採用されて代表格の岩田規久男氏が日銀副総裁にまでなりましたが、彼らは金融緩和に偏重で財政政策は軽視していました。結果として消費増税をやる口実に金融緩和が利用されてしまい、不十分な結果になったわけです(いちおうリフレ派は消費増税には反対してましたが)。それで、最近になってようやく財政出動もしたほうが良いと言い出した訳です。遅すぎです。

あと、実際に政府に影響力の強い日本の主流派と言うか、東大や慶応の経済学者連中はほとんど財務省の御用学者ばかりで(中には財務省からの天下り教授なども)、緊縮財政・消費増税・プライマリーバランスばかり言ってます。




また話がそれました。それでは、適度な名目成長によって解決に向かう日本の問題とは何かですが、①「国の借金」の増加、②社会保障費の増加 ③経済格差の拡大、④少子高齢化
この4つです。

①「国の借金」の増加問題

これに関しては、名目成長だけでほぼ解決する問題です。あとの②〜④は、適度な名目成長が維持されたからと言って、問題が完全に片が付くと言うわけではありませんが、改善のための必用条件であることは間違いありません。

そして、①の問題があるからこそ、勘違いからプライマリーバランスを目標にしてしまっている結果として、②も問題になっているのであり、③を放置せざるをえない現状になっているわけです。

そして、④も若い世代の雇用が派遣ばかりになってしまっている結果として結婚も出産もできないことで急激に進行しているわけです。

④については、経済的理由だけではなく、価値観や社会構造の変化による部分もあり、どっちみち少子高齢化の方向はどうにもなりませんが、経済的な理由で結婚したくてもできない、子供を持ちたくても持てない人がそうできるようになれば十分なので、価値観や社会制度にまで踏み込む必用はなく、経済的理由だけ解決すれば良いと私は思います(いずれ人手のいらない社会になりますし)。

話をもどしまして、国の借金の増加ですが、今の日本の財政は危機でも何でも無い、アベノミクスの金融緩和で財政再建終了と書きましたが、長期的にそのままで問題がないわけではありません。

本当の意味での財政の健全性の指標は、「政府債務対名目GDP比が発散しないこと」です。財政の持続可能性こそが重要だからです。

「国の借金」が増えていても名目GDPも増えていてその比率が大きくならず維持されていさえすれば、その国の財政は持続可能ということになります。

で、普通は名目GDPが増えて行くものですから、その増加の範囲で政府は毎年の赤字を拡大しつづけても大丈夫。国債の利払いと償還がちゃんとできていれば問題無しと言うことです。そうやってまわしてゆくものです。

さらに、名目GDPが増えれば税収も増えますので(後述)、一石二鳥です。

別に政府債務をゼロにする必用などありませんし、どこの国もそんなことしていません。なぜ無理して経済を滅茶苦茶にしてまで国の借金をゼロにする必用があるのでしょう?誰かの借金は誰かの資産です。政府が借金を減らせばそのぶん資産を減らす人がいるわけです。

政府の財政赤字の拡大は、国民(家計と企業)の所得増加になります。逆に、プライマリーバランスの黒字化は、国民(家計と企業)から所得を奪うことになるのです。これをわかっていない人が多いので困ります。

話がそれましたが・・・

では何故名目GDPが増えれば税収も増えるのか、ですが・・・

税収がどこから来るのか?それは課税対象 ≒ 名目GDPです。税金と言うのは大半が所得にかかるものです。その所得の合計がGDPです。

所得税も法人税も、そして、消費税も所得が発生する時にかかります(所得を得るほうではなく与える側に税金がかかりますが)。

一部、固定資産税と言う変な税金もありますが・・・。
厳密には「所得課税」50%、「消費課税」35%、「資産課税(固定資産税と相続税)」15%、です。

いずれにしろ、税収の増減は名目GDPの増減と相関・因果関係ともにあるので、以下のような近似式が成り立ちます。

「税収 = 名目GDP × 税率 × 税収弾性率」

税収弾性率とは、名目GDPが1%増えた際に、税収が何%増えるかをあらわす指標で、景気によって変動します。景気回復局面=名目GDPが増えてくると、赤字だった企業が黒字化して法人税を支払うとか、失業者が職に就き所得税を払うとかいう現象が発生し、税率以上に税収が増えます。

逆に、景気後退局面=名目GDPが減少してくると、黒字だった企業が赤字化して法人税が払えなくなるとか、失業者が増え所得税を払えなくなるという現象が発生し、税率以上に税収が減るという意味です。

増税すると税収が減ることがあるのは、税率は上がっても景気が悪化することで税収弾性率が小さくなるからです。

それはともかく、デフレの状況から回復すれば名目GDPは増えますので、税収が税率以上に増えます。従って、経済成長こそが、現在の日本の財政の唯一の問題点(対GDP比で政府の負債が増えている)を解決することになります。

国の借金が増えていても、GDPも増えていて比率が変わらなければ何の問題もありません。古い借金から順番に償還して行けば良いだけの話で、そもそも政府の負債をゼロにする必用などありませんし、そんなことしても有害なだけです。これを理解していない人も多いですが・・・

まあ、その前に、プライマリーバランスとか間違った目標をやめて、正しい目標に切り替えるのが先ですが・・・

財政については、まとめサイトがありますので、こちらを参照して下さい。がっつり考えてみたい人用と、忙しい人用とが用意されています。

誰がまとめたのかわかりませんので、信じる信じないは別として、考え始めるとっかかりにしてはどうかと思います。




②格差拡大の問題

格差拡大の問題解決のために最初に思いつくのは、所得再分配政策かもしれません。実際それをやればよいと思いますが、その場合も、どこかには増税しなければならないことになります。儲かっているところにですが。

それはそれでやれるならやれば良いですが、経済が停滞している時にはどの部門にたいしても増税はしにくいものですし、必死で抵抗するでしょう。再分配のための増税をしやすくすると言う意味でも経済成長はしたほうが良いです。経済成長すれば税収が確実に増えますから、その増えた税収を再分配的に、つまり格差の縮小のために使うこともできるでしょうし。

なので、経済成長は格差の縮小のための政策をやりやすくしてくれます。

あと、そもそも、格差拡大の要因は、ピケティが「21世紀の資本」で明らかにしたように、

 r > g 

です。



r(リターン)とは、資本収益率、要するに株や不動産など、資産運用から得られる利益率のことです。そして
g(グロース)とは、経済成長率、所得の伸び率のことです。

過去200年間の経済を分析した結果、経済成長率(g)よりも資本収益率(r)のほうが常に大きかったことが格差拡大の要因であることを明らかにしたのです。資本主義では政府が何もしなければ格差はどんどん拡大して行くのです。

ただし、戦後の30年間ほどだけはその例外があり、1980年代くらいまでは日・米・欧の一部の資本主義国では格差の小さな社会が実現されていました。その理由は、戦争で金融資本が縮小したこと、金融の規制が厳しくて今ほど金融業がもうからなかったこと(rが小さかった)、高度成長していた(gが大きかった)、これらが重なったからです。

戦後のブレトンウッズ体制と言うのは金融を厳しく規制するところからスタートしています。あと、特にアメリカなどでも金融方面の規制が多く、当時の金融業と言うのはr(リターン)が今よりかなり小さくてたいして儲からない業種だったそうです。その一方で、それなりに高い経済成長率を維持していましたので、当時のアメリカはスウェーデンより格差が小さかったそうです。日本も同じ。

それが、90年代以降、金融部門の度重なる極端な規制緩和により、アメリカの金融業は異様に・不当に儲かるような業種にどんどん変化していって、その行き着く先が現在の1%、いや、0.1%への富の集中です。

なので、金融部門の規制も必用ですが、経済成長しなくて良いと言うことは、結果として格差拡大を放置してよいという意味に近くなるわけです。

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