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正月休みに見たSF映画3つ

CSの映画チャンネルで放送していた中から気になるSF作品だけ選んで録画していたものを、正月休みに見ました。なので、そのメモです。

「アジャストメント」「ルーパー」「A.I.」の3つで、ハズレなし!どれもなかなか良かったです。



「アジャストメント」



元のタイトルは、The Adjustment bureauです。「bureau」とは省庁の下の「局」をあらわす用語として使われたりしているので(例・the Federal Bureau of Investigation =FBI連邦捜査局)、「調整局」と訳すのが良いかと思うが、原作であるフィリップKディックの短編小説の和訳タイトルは「調整班」となっている。

映画紹介サイトによっては「運命調整局」と訳されているものもあり、これはなかなかわかりやすくて良い訳だと思いますが、いずれにしろ、アメリカの行政関係の局ではなく、謎の組織です。

原作が収録されている短編集。



私は原作を読んだことはありません。

「フィリップ・K・ディック」は、「アイザック・アシモフ」、「アーサー・C・クラーク」に次ぐ3大SF作家の1人と言って良いでしょう。

いや、アシモフとクラークを挙げることに誰も異存は無いとは思うものの、三人目はロバート・A・ハインラインなのかもしれません。

フィリップ・K・ディックは、生前はSFマニアにしか受けずに生活も苦しかったようですが、死後に多くの作品が映画化されて評価されております。と言うか、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」をリドリー・スコット監督が「ブレードランナー」として映画化して一躍有名になったのですが、ディック本人は映画公開前に亡くなっています。

作品発表がさかんだったのは1960-70年代で、亡くなったのは1982年です。その頃に書かれたものが、ブレードランナー以降、最近までちょくちょく映画化されてきたと言うわけです。

私は正直、3大(4大?)SF作家の中ではクラークが1番、アシモフが2番で、ハインラインとディックはそれほどハマりませんでしたし、特にディックは薬物依存のせいか、現実と非現実の区別があいまいになったり、自分の意識や存在があやふやになるような作品が多く、それはそれで面白いのですが、読んでいてわかりにくいし疲れたので、あまり気に入りませんでしたが、この映画はなかなか面白いです。

物語の骨格は、SFではよくあるタイプの話です。高度な知性を持つ何らかの存在(エイリアンまたは超未来人など)が、人類の社会に密かに干渉することで文明の発展を軌道修して、核戦争などで人類が自滅しないようにしてくれていると言う話の一種です。

この作品に出てくる「人類の文明の修正役」となる存在、それが「運命調整局」に所属するエージェント達です。しかし、彼らが何者なのか、どういう組織なのかの説明は、作品中では特になし。彼らは見た目上は人間とまったく同じですし、彼らの存在する空間も、現代のアメリカのオフィスのような空間であり、見た目上はまったく普通と言うか、現代のアメリカ映画のようでSFらしい映像はまったくないです。

SFらしいのは、彼らがそこらへんの街角にある扉を開くと、どこか離れた場所の扉につながって空間を移動できたり、彼ら独自の空間(見た目上は現代のどこにでまる普通の場所)に出入りすることができることくらいでしょうか。

絵面上は普通の現代映画とかわらないので、SFだと気づかずに見てしまって訳わからないと言う人もいるのではないかと思います。特に、運命調整局が一体何なのか想像がつかないと、訳わからんことになると思います。

ストーリーはこんな感じ。

人類の文明が崩壊しないように、主役のマット・デイモンが将来に大統領になれるように、運命調整局のエージェントが他人の意識を調整したり、出会わないほうが良い人に出会わないようにしたりなどしていたのですが、エージェントのミスで、エージェント集団がデイモンの選挙参謀の意識を改変しているところを見られてしまって、自分たちの存在がバレてしまいます。

順番は前後しますが、マット・デイモンが主演の女性(エミリー・ブラント)と出会ってしまい恋愛感情を持ってしまうのですが、彼女と親しくなるとマット・デイモンが将来大統領になるのに障害が出てしまうようで、エージェントらはいろいろ画策して彼女との関係を邪魔するのですが、マット・デイモンがそれに逆らってあれこれすると言う話で、最後はハッピーエンド的な終わり方です。

なかなか面白いですが、これを映画館で見たらガッカリでしょうね。暇な時に家のテレビで見るのがちょうど良い感じの作品です。




ルーパー



これは、特に原作などはなく、映画オリジナルの話のようです。かなりのできばえだと思いました。脚本が良いのでしょうか。

しかし、さほど話題にはなっていないようです。

まとめるのがめんどくさいのでWikipediaより引用

『LOOPER/ルーパー』(Looper)は、ライアン・ジョンソン監督による2012年のアメリカ合衆国のSF映画。出演はジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ブルース・ウィリス、エミリー・ブラント。2011年1月24日よりルイジアナ州で撮影が開始された。

舞台は2044年のカンザス州、ジョーは未来の犯罪組織の依頼で過去にタイム・トラベルしてくる標的を処理する殺し屋、通称「ルーパー」だ。しかしある依頼で処理することになったのは、30年後の未来からやってきた自分自身だった。未来の自分を殺せずに取り逃がしてしまったジョーは、彼が標的にしている相手が30年後に未来の犯罪王「レインメーカー」となる幼い子供であることを知る。



またまた主演女優はエミリー・ブラントです。私はSF作品を適当に録画しておいただけなのですが、たまたまCSの映画チャンネルでエミリー・ブラント特集というのをやっていたようです。

良く出来た話です。タイムトラベルものなので、よくよく考えると話があわないようなこともありますが、あまり気にならずに見ることができますし、ラストはなるほどなあと言う感じでした。




A. I.



『A.I.』(エー・アイ、A.I. Artificial Intelligence)は2001年のアメリカのSF映画で、元々、スタンリー・キューブリックが映画化しようとしていたらしいですが、亡くなってしまって、スピルバーグが後を継いで完成させたようです。

主役の当時とその後(笑)。

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原作は、イギリスのSF作家ブライアン・オールディスの短編小説「スーパートイズ」らしいです。



ブライアン・オールディスと言えば、「地球の長い午後」が有名と言うか、これしか知らないですが



この作品は、超未来の地球の話で、訳のわからない生物に支配された世界を描いていて、訳のわからない感じでしたが(笑)。人類滅亡後のナウシカみたい感じの世界でしょうかね。映像で見てみたいですね。

「スーパートイズ」はまったく読んでないので、この映画がどれくらい原作を反映しているかわかりませんが、映画じたいは146分とすごく長いので、かなりオリジナルの内容になっているのではないかと思います。

このところ、AI(人工知能)と言う言葉をよく聞くようになりましたが、この当時(2001年)は何のことやらわからず、普通ならアンドロイドと言えばよいものを、AIと言う言葉を一躍有名にしてくれた功績はあったのかなあと思います。

でも、最近話題のAI、十数年後〜数十年後には人々のほとんどの職業を奪ってしまい、人類の文明に「シンギュラリティー(技術的特異点)」をもたらすと言われているAIの話ではありません。

そう言えば、AIによるシンギュラリティーによって人類にもたらされる破滅的未来、ディストピア・・・みたいなのは「マトリックス」や「ターミネーター」などで描かれていますね。これらこそ、AIの脅威を描いた作品と言って良いでしょう。

そう言えば、銀河鉄道999も、機械の体を手に入れるとは言っても、脳だって機械なわけですから、機械化人類=記憶と思考パターンを移植して人間をAI化したもの、とも考えられますので、そういうテーマは昔からあったようですね。ただ、AIと言う言葉を使ってはいませんが。

ちょっと前に見た「トランセンデンス」が最近のAIの脅威をテーマにしているかなとは思いますが、あれも人間がAIになると言う話で、しかしテーマは夫婦愛みたいなところに収束してしまい、アクションもパニックもたいしたことない、なんか中途半端な作品でした。

この映画はあっちの方向性(AIを人類への脅威として描く方向)ではありません。むしろその逆です。

まあ、わかりやすく言うと、ペットが邪魔になったからと言って簡単に捨てるようなことをしては、ペットがあまりにも気の毒ですよ、みたいな話です。

もしくは、映画の中でも出てきますが、ピノキオのモチーフをSFにしたものでしょうか。

アンドロイドに人権はあるのか、みたいなテーマはSFではよくある話で、スタートレックでも時々そういう話は出てきます。TNGシリーズの主要キャラクターであるアンドロイドのデータがらみで、深く突っ込んだ話がありました。

この映画も、そういう意味では多少、哲学的なテーマを扱ってますので、アメリカでは興行的に失敗したようですが(笑)、日本では「母親とロボットの愛」みたいなキャッチコピーが話題になり、実際にはそんな内容ではないのに騙された客がたくさん見に行って興行的にはかなり成功したようです。

終盤に、ストーリーがかなり飛躍しますが、その後が良いですねー。最後に出てくるのはエイリアンではなく、超未来のアンドロイドのようですね。人類が滅亡した後に、何故人類が滅亡してしまったかを調査している存在ですが。

たぶん昔に見ているはずですが、途中はまったく覚えておらず、最後のほうだけかすかに覚えていた程度でした。当時はブログもやってませんから、見た感想をメモしたりなどもしてませんので、見たらそれで終わりでしたから。

内容は今見ても古さはなく、十分に通用するものだと思いますし、テーマも良いと思います。ただ、タイトルは今となっては誤解されやすいかもしれません。

人工知能が自意識や欲望を持ち、生存や承認の欲求を抱くようになった時、彼らの「人権」はどうなるのか、どうすべきなのでしょうかね。
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