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日本は本当に財政危機なのか

日本は財政危機だとずっと言われてきましたが、現実には危機になれば見られる状況(金利の高騰やひどいインフレと通貨安)などの状況とは真逆になっています。

本当に財政危機なのでしょうか!?

結論を言うと、日本が財政危機と言うのは、消費増税するための「煽り」がほとんどです。

以下に、財政危機と言われている5つの理由を検証してみたいと思います。

(1)財政収支がずっと赤字だからヤバイ。 →×

(2)「国の借金」が1000兆円以上で巨額だからヤバイ。 →×

(3)「国の借金」の対GDP比が2倍以上と巨額だからヤバイ。 →×

(4)「国の借金」が増え続けているからヤバイ。 →×

(5)「国の借金」の対GDP比が大きくなり続けているからヤバイ。 →○

それぞれの理由はだいたい以下の通りです。



(1)財政収支がずっと赤字だからヤバイ。

→間違いです。毎年赤字だから悪いとは限りません。黒字が良いとも限りません。

財政収支が赤字とは、プライマリーバランス(基礎的財政収支)が赤字である、つまり政府の歳出が赤字国債に依存していることを示しています。

普通の人は収支が赤字だと良くないことと思うでしょうが、国家財政は赤字であることが基本です。黒字なのはドイツくらいでしょう。ドイツ政府は税金を取りすぎと言うことです。

ちなみに、ギリシャやアイスランドなど財政破綻した国も、破綻する前の年まで数年間は財政が黒字でした。これは重要なポイントです。

ギリシャやアイスランドは、国の借金(政府の累積債務)を返済するために、財政を黒字にしてそこから返済しようとしたために、景気が悪いのに増税と歳出削減をして無理矢理財政を黒字にしていたのです。

でも、景気が悪いときにそんなことすれば、企業は倒産、国民の失業率は増大、その結果、景気がさらに悪化して税収が大幅にダウンして、翌年はさらに歳出削減しなければならず、さらに景気が悪化して税収が減り・・・これを繰り返しているうちに税収が枯渇してしまっての財政破綻です。

だから、景気が悪い時に無理矢理財政を黒字にしてはいけない、赤字で正しいのです。

そもそも、普通の国は財政がずっと赤字でも問題ありません。財政が赤字続きだと借金の金額がどんどん増え続けますが、だから財政破綻するとは限りません。もちろん、破綻に向かう場合もありますが、それは以下で。

ついでに言うと、プライマリーバランスを財政の健全性の指標にしている国はありません。黒字かどうかと健全かどうかは関係ないからです。

と言うか、財政にかんして、「健全」とか「規律」とか言う言葉を使うことがそもそも怪しいと思わなければならないでしょう。

いずれにせよ、プライマリーバランスを本気で守れば、数年単位で見で見ると以下のどちらかのパターンになり、いつまでも経済が安定しません。

①財政赤字→緊縮財政→景気悪化→赤字拡大→緊縮財政→・・・→破綻

②財政黒字→財政出動→景気過熱→黒字拡大→財政出動→・・・→バブル

財政規律を守ることなどより、国民経済の安定のほうがよっぽど大事に決まっています。



(2)「国の借金」が1000兆円あり巨額でありヤバイ。

→かならずしもそうではない。

金額が大きいのは確かですが、でもどれくらい大きいのか、何かと比較しなければその大きさはわかりません。

普通その比較対象は「税収の元であるGDP」と比較して大きいかどうかを判断します。GDPが大きければたくさん借金があっても大丈夫と言うことです。と言うことで以下へつづく。

さらに、すでに日銀が保有している300兆円ぶんの国債については、実質的に「国の借金」ではない(税収から返す必用がない)。

日銀が300兆円ぶんを保有して、年間80兆円ぶんずつまだ買い上げています。このぶんは利払い不要だし、返済すら不要(返済しても良い)なので、当面は何の心配もないと言う話です。



(3)「国の借金」の対GDP比が2倍以上と巨額であるからヤバイ。

→今すぐヤバイとは限りません。

「国の借金」の対GDP比が2倍以上なのは、世界的、歴史的にも巨額なのは確かですが、今のところ破綻のきざしは出ていません。では対GDP比で何倍以内なら健全で何倍以上ならヤバイと言えるのでしょうか?

実はこれも具体的にどれくらいならヤバイかと言うことは言えず、日本はこれだけ借金がたまっていても財政破綻の前兆がまるでありませんし、逆に、ギリシャにしろ他の国にしろ、財政破綻した国は対GDP比で借金の額がもっと小さくても破綻しました。

破綻前のギリシャなどの正確な対GDP比は忘れましたが、気になる人は自分で調べて下さい。

従って、借金の対GDP比と財政破綻のリスクはあまり関係が無いと言うことですし、これも指標にはなりません。



(4)「国の借金」の金額が増え続けているからヤバイ。

→金額が増え続けても政府が安定的に運用できていれば問題なし。

(1)の財政収支がずっと赤字であることの続きですが、金額そのものが増えていてもそれだけでどうこう言うことはありません。たいがいの国は政府の債務が増え続けていますし、それで問題無くやってます。

では、一体何が問題なのか!?以下の(5)が問題なのです。



(5)「国の借金」の対GDP比が大きくなり続けているからヤバイ。

本当に問題なのは、実はこれです。税収の元になるのがGDPなので、GDPが大きければ借金が多くても問題ないわけですから、国の借金が増えてもGDPも十分に増えれば何の問題もないのです。

これを理解するのに私もかなり苦労しましたが、政府は人間と違って寿命がありませんから、借金ゼロにする必用もありませんし、普通に経済政策を間違わなければ、GDPが増え続けるのがあたりまえだからです。

実際、ほとんどの国ではGDPがちゃんと増えている(普通に経済成長している)から「国の借金」の問題がさほど騒がれないのです。

日本だけがこの20年間、ほとんど経済成長していないのです。それはデフレだからです。生産年齢人口の減少とか関係ありません。

どうも「経済成長」と言う言葉は誤解しやすく、「成長」と言うからにはどこか幼稚なものが成熟して行くイメージを抱きがちですが、そんなことは関係無く、単にGDPの額が増えて行くだけの意味しかありません。

特に税収の元となるのは名目GDPですから、これが増えることが重要です。

別に高度成長する必用などないし低成長でも十分ですが、日本の場合の名目GDPは長いことほとんど増えていません。これはデフレだからです。

他の国は日本みたいに長年デフレなどやってませんので、実質成長率は日本と同じくらい低くても、名目GDPは増えてます(名目成長率=実質成長率xインフレ率)。

だから日本が財政危機に向かっていると言えるならば、それはデフレから脱却できないためなのです。

対GDP比で国の借金を減らせば良いのですから、借金が増えてもGDPがそれ以上に増えれば何の問題もないわけです。

だから、アベノミクスの目標である「経済を持続的な成長軌道に乗せる」と言うのは、「国の借金」問題を解決するのにも完全に正しい考え方です。

GDPが増えれば税収も増えますから、ともかくGDPを増やす経済政策こそ、国の借金問題を解決する最善の策なのです。

そのためには、金融緩和だけでは不十分であり、財政出動や減税が必用です。

結局、国の借金が対GDP比で増え続けていつまでも減らないのは、正しい政策を邪魔する「クニノシャッキンガ−」とか「ゼイキンノムダヅカイガー」とか言う考え方のせいなのです。

そして、この考えの出所は「財務省」です。財務省には誰もさからえません。

税務署には脱税を告発する権限があります。実際に脱税かどうか、節税かどうかなどを判断するのには、かなりの裁量権の範囲があります。

政治家は自分らのやっている節税行為が脱税にあたらないかどうかを税務署に相談していますし、マスコミは脱税摘発や追徴風などあれば信頼にキズがつきますから、税務署は怖いはずです。

財務省を怒らせたらどうなるか、たぶん考えただけでも恐ろしいでしょう。財務省にさからうなどできません。

また、政治家は予算委員会などの国会の答弁で、官僚がいなければ何もできません。新聞の経済記者も財務省記者クラブで配られる資料なしには記事も書けない低レベルの者ばかりと聞きました。

だから政治家は増税したがるし、マスコミも増税はしょうがないと書いてしまう。そして、増税はしょうがないにしても、歳出削減や議員定数を減らせとかそっちへ話を持って行くしかないのですが、これも上で書いた通り間違いです。

これを池上彰がちゃんと説明してくれたらとつくづく思いますが・・・

私の言うことが信じられないのなら、クルーグマン、スティグリッツ、ピケティ
あたりの本を読んで下さい。

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