カーク船長の娯楽日記

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「財政再建」できない理由

いくら安倍政権が嫌いだからと言って、左派系のマスコミが安倍政権の正しい判断(消費増税延期)を批判するのは最悪です。

と言うか、本来なら消費税は5%にもどさなければアベノミクスの成功は難しいのですが(もしくは増税した3%ぶんを恒久的に財政出動でまかなう)・・・

アベノミクスが成功して国民の支持を得て憲法が改正されたら困るから、正しい部分までも否定するのでしょうか!?

経済が悪いと自殺者が増加して人がたくさん死ぬし暮らしも大変になるのですが、日頃から命が大事とか暮らしを守れとか言っている左派のくせに、経済をどこかバカにしていたり、異様に財政に関しては「規律を守れ」だの「健全性」だの、妙に道徳的なことを求めてくる点でリベラルかどうかも怪しい人達です。

こんな間違った批判で仮に政権交代しても、民主党政権の二の舞でしょう。より最悪な経済政策を野党が選択することになります。社会保障費は赤字国債でまかなってよい、いや、むしろ当面は積極的にそうすべきです(あくまで当面は)。

財務省の手先と思っていた民進党の岡田氏が珍しく正しいことを言ったので、地球の自転が止まるのではないかとびっくりしましたが(笑)。

新聞記事もひどいのが多いです。



<増税延期>財政さらに悪化 巨額債務の削減困難

→もう、間違いだらけウソだらけで突っ込みきれない記事であきれます。日本に財政問題はほとんど存在しません。



消費税増税再延期 自民・小泉進次郎氏「そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」(産経新聞)

→確かに、彼ならだませるのでしょうね。と言うか、こういう言い方こそ若者を馬鹿にしているのではないかと思いますが・・・



安倍首相の公約違反 それはそれとして、消費増税再延期は悪いことなのか?

→こちらの記事は、中立的でまだはるかにマシです。

増税反対派と賛成派の2人ずつ合計4人にそれぞれ増税反対・賛成の理由をインタビューしている内容で、賛成・反対を併記している感じです。

私としては、このインタビューの中では、自称マルクス経済学者(笑)である松尾匡氏(立命館大教授)の言っていることが一番正しいと思いますし、リフレ派のエコノミスト・片岡剛士氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員)も正しいと思います。

あとの2人は西岡純子氏(三井住友銀行チーフエコノミスト)と末広徹氏(するみずほ証券シニアマーケットエコノミスト)で、前者は増税賛成だが今回の延期は賛成、後者に至っては増税賛成だけでなく延期すら反対と最悪な奴です。でも、むしろこいつらの考え方(増税に前向き)のほうが主流なのではないかと思います。我らが(笑)池上彰大先生も主流派でしょう。

それにしても、この松尾氏は特に立派だと思います。と言うのは、この方は経済だけでなく政治的にも左派なので、安倍首相のことなど大嫌いのはずですが、経済政策の正しい部分はきちんと評価しています。でも、そんなまともなのはこの方だけです。あとは右派だろうが左派だろうが、経済学者にはでたらめなのが多いです(特に有名な奴ら)。



で、私の意見は、この記事と同じで日本の財政は当面は大丈夫なのであって、だいたい以下の記事の通りかと思います。

日本の政府債務残高、実は世界最速ペースで減少-実効ベース

富士通総研のシニアエコノミスト、マルティン・シュルツ氏は「日本は民間保有の公的債務がどこよりも急速に減っている国だ」と指摘した。

日本の政府債務残高はグロスベースで現在、GDPの2倍余りと推計されるが、日銀統計を使ったシュルツ氏の算定では、銀行や家計など民間部門から日銀に保有が移行しつつあることで大きな影響が生じている。同氏の推計によれば、政府債務残高のうち、民間保有分は2012年末の第2次安倍晋三内閣発足直前のGDP比177%から、向こう2-3年で同100%程度に低下する見通しだ。

日本が借り入れを減らしている訳ではない。安倍政権はさらなる財政刺激策を準備中で、その資金は国債発行で賄われる。安倍首相は1日には、17年4月に予定していた消費増税の再延期を発表した。

日銀保有の政府債務の少なくとも一部が償却されるということが明確になれば、家計のセンチメントを向上させる一因になるだろう。日本の消費者がグロスベースの政府債務全てを負担するわけではないと理解することにより、ムードは改善する可能性がある。

英金融サービス機構(FSA、英金融行動監視機構 =FCA=の前身)の元長官で、現在は新経済思考研究所の会長を務めるアデア・ターナー氏は、「日本の政府債務が通常の意味で返済されるとの信頼できるシナリオはないと確信する」とコメント。「公的債務の一部は日銀によって恒久的にマネタイズされるため、全ての返済は不要だと日本の国民に明確にするのが有益だろう」と語った。


政府債務と言うのは、いわゆる「国の借金」と呼ばれるものです。この「国の借金」と言う言い方も危機を煽るために工夫された言い方です。誰が誰に金を借りているのかなどをあいまいにして、日本と言う国がやたら借金まみれな印象を抱かせるのに最適です。

わかりにくいですが、この内容には、「国の借金」はかならずしも増税による国民負担増で返済しなければならないわけではない。と言う意味も含まれています。日銀が通貨発行して国債をチャラにできるからです。

そして実際には記事の内容の通り、国の借金が1000兆円とか言うのも、グロスの額にすぎず、日銀が金融緩和で買い上げた国債300兆円は実質的に国の借金に含まれないし、当面は年間80兆円ずつさらに買い上げるので、ものすごい勢いで実質的な「国の借金」は減ってるのです。

日銀が買い上げた国債は、利払い不要ですし、その気になれば償還も不要、さすがにそれがはばかられるなら、新規国債の発行で借り換えれば良いだけです。永遠に塩漬けにできるわけです。好景気になれば税収が増えて勝手に減りますし、もっと減らしたければその時に増税すれば良いだけです。

なので、現時点で財政危機でも何でもありません。別に反則ではなく、デフレである限りやるのが正しい政策です。インフレ率が高くなりすぎたらできなくなりますが、インフレになれば借金は自動的に減りますから、もうその時にはやる必用がありません。

ギリシャはユーロに加盟したために自国通貨も通貨発行権も失ってしまったために、これができなかったことが破綻の一因です。加えて、プライマリーバランスを無理矢理黒字化したせいで最終的に破綻しました。黒字のほうがヤバイこともあるのです。

景気悪化で税収が減っているのに、プライマリーバランスを無理矢理黒字にするために増税と歳出削減をやれば、さらなる景気悪化と税収減少を繰り返し、経済がひたすら縮小して、最後は税収が枯渇して破綻するのです。

だから、日本もプライマリーバランスなどという(どこの国もやっていない)財政健全化目標として不適切なものは破棄すべきなのですが、マスコミがアホだからできません。



さて、またまたひどい新聞社説です。

[朝日新聞] 増税再延期 議論なき決定の異様さ (2016年06月01日)

消費税を引き上げて、膨らむ社会保障の財源に充てる。今を生きる世代に痛みはあっても、将来世代へのつけ回しは極力避ける。そんな一体改革の精神を忘れてはいないか。


→いやいや、今の世代を痛めつけたせいで、次の世代が生まれなくなっているのですが(笑)。

と言うか、「国の借金」は別の将来世代へのつけ回しではありません。まあ、真面目な人ほどこの種の考え方にはまりやすいのでしょうね。でも、自分の善意や真面目さに酔いしれてませんか!?冷静に考えましょう。

そもそも、景気が悪化すると自殺者が増えるし生活がおびやかされるんですが・・・。そんな状況で結婚・出産・育児なんかできますか!?

それでも痛みに耐えろとか言う気でしょうかね?大新聞社なんかに努めているとそういう「庶民感覚」がわからなくなるんではないでしょうか。日頃は同じ事言って政治家を批判していますが。

[朝日新聞] 首相の会見 納得できぬ責任転嫁 (2016年06月02日)

きのう首相は「リーマン・ショック級の事態は発生していない」と認め、熊本地震を理由にするつもりもないと述べた。一方で、雇用の増加や所得の上昇を挙げ、アベノミクスの成果に自信を見せた。

ならば、財政再建と社会保障財源充実のために、消費増税を予定通り実施するのが筋だ。


→いやいや、消費増税などしても社会保障が充実しません。財政も改善しません。消費税の税収と社会保障費は別にして考えるべきです。

日本は財政危機ではないので、当面は赤字国債で十分です。

[朝日新聞] 首相の会見 納得できぬ責任転嫁 (2016年06月02日)

健全化目標は、消費増税を実施し、毎年度3%を超える経済成長を達成してもなお及ばない遠い目標だ。不断に予算を見直し、地道な努力を積み重ねることが不可欠なのに、経済対策というカンフル剤による税収増を当て込むばかりでよいのか。


→財政が健全かどうかはプライマリーバランスとは関係ありません(破綻までギリシャは黒字だった)。プライマリーバランスは常に赤字でも、一定範囲内ならば大丈夫なのであって、借金の額は増えてもかまわないのですが(実際には日銀の買い上げで減っているし)、問題なのはGDPが増えずに借金だけ増えて行くことです。それをわかっているのか!?

緊縮財政ではGDPが減り続けてしまい、むしろ朝日新聞の主張しているとおりにやることのほうが、日本をギリシャに近づけることになってしまいます。

[朝日新聞] 首相の会見 納得できぬ責任転嫁 (2016年06月02日)

増税の必要性は理解してもそれを歓迎する国民は少ない。


→いやいや、そもそも増税は必用ありませんし、むしろ減税するのが正しい政策です。消費増税が必用なく、むしろ有害であることを国民にわかりやすく説明することがマスコミの役割のはずなのに、これでは・・・

経済に関しては、いろんな意図が存在して、それぞれの人達はそれぞれの利益のためにいろんなことを語ります。

マスコミはイデオロギーにとりつかれ、政治家は自分の保身のために財務官僚の言いなり、エコノミストはいわずもがなです。

特に日本のマスコミはイデオロギー第一で、元々が資本主義否定、経済成長否定でしたからそもそも経済をまったくわかっていないのだと思います(特に左派)。欧米の左派の経済センスはここまでひどくありませんので。



最後に、ロイターですが、日本のマスコミよりまだマシ思われる記事を引用して終わり。

コラム:増税より成長、安倍首相の「賢い賭け」

来年4月に予定していた消費税率8%から10%への引き上げにより、国内総生産(GDP)の約1%に相当する税収増が見込まれていた。増税を2年半延期する首相の決断により、財政赤字は当初の見込みよりも、ゆっくりと削減されることになる。

しかし、増税が成長に与えたであろうダメージは、より大きな財政リスクをはらんでいた。

日本経済は既に足元が揺らいでいる。首相が増税延期を発表するちょうど数時間前、ある民間調査による5月PMI(製造業購買担当者景気指数)は3年超ぶりの低水準となっていた。また、経済産業省が30日発表した4月小売業販売額は前年比0.8%減少。消費増税は日本経済を崖っぷちから突き落としてしまうリスクがあった。

国際通貨基金(IMF)は4月、主に消費増税の影響だとして、2017年の日本のGDP成長率をマイナス0.1%に下方修正した。そして、16年の予測成長率である0.5%からどれだけ鈍化するかは今後の財政出動次第だと説明した。

この悲観的な見通しには根拠があった。消費税が8%に引き上げられた14年4月以降の7四半期のうち、4四半期で実質GDPがマイナス成長を記録している。増税を繰り返すことで、財政赤字の対GDP比率を、すでに目から涙が出るような水準となっている約240%からさらに高める可能性があった。

確かに政府は借金の山を大幅に削るために何かをしなければならない。しかし、安倍首相は、経済成長率が例えば2%程度に改善するまで、時間を稼いだほうがいいだろう。



根拠の乏しい精神論、根性論が未だにお好きな日本人には、「痛みに耐えて・・・」とかいう発想がそもそも好きなのかもしれない。

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