カーク船長の娯楽日記

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ドイツが悪い

先日、池上彰が司会の番組でドイツを紹介する番組をやってましたので、見ました。私には池上彰の説明がさっぱりわからないので(あれのどこがわかりやすいの?)、彼が司会の番組は滅多に見ないのですが、今のドイツには興味ありますから我慢してみました(笑)。


池上彰2Hスペシャル!"知られざる注目国"第一弾 「ヨーロッパの"主役"ドイツ...vs日本」


例によって私の個人的見解ですので、興味ある方だけ以下をどうぞ。



正直言って、あまりたいした内容ではないどころか、今のドイツの問題点その他について突っ込んだものとは思えない、底の浅い番組でした。まあ、彼の番組はどれもそんな感じみたいです。

肝心な部分は深く突っ込まないで、ミクロな話、個別の目立った事例の紹介が中心の番組です。しかし、それではドイツがいかにヨーロッパに害悪をまきちらしているは理解できません。

なんとなく、日本人もドイツ人も真面目だからと言う程度の共感で、メルケルの政治手腕や政策を評価しているような雰囲気でした。何と脳天気なことか・・・

もちろん、大事なこともちらちらと言ってましたが、本質的な部分を掘り下げない底の浅い番組でした。

なぜ今、ドイツが存在感を増したか。それはメルケルの手腕もありますが、今のユーロ体勢がドイツにものすごく都合が良いシステムだからと言うことが一番です。

少しさかのぼって、東西統一もここに来て国力を増した一因になってきました。旧東ドイツの国民と言うのは、経済的には貧しくても教育レベルはかなり高かったそうです。しかも同じドイツ語を話すわけですから、統一後は何のコストもかけずに、「質が高くて安価な労働力」をドイツは手に入れたわけです。輸出企業にとっては低コストで高品質のものが作れますから輸出競争力が高まります。

その後、通貨統合によりユーロ圏が誕生、そうなると、それまでのマルクと言う高い通貨から、ユーロと言う安い通貨になりました。と言うことは、日本が円安になって輸出が伸びたのと同じく、ドイツはユーロと言うマルクより安い通貨に乗り換えることで、輸出がガンガン伸びました。

さらに、通貨が統合されたことで、それまでその国の通貨がイマイチ信用されていなかった南欧諸国(イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャなど)ではより信用の高いユーロになったことで、金利も下がり、投資がしやすくなったこともありバブルが発生しました。

この時にドイツの銀行もバブルで儲け、ドイツの輸出企業もモノを売りまくり、ドイツは儲けまくったのです。

ギリシャ人は金遣いがあらいので、借金がしやすくなると金を借りまくってガンガン消費して、ベンツやらBMWやらを買いまくり、ドイツの自動車メーカーは儲けまくりです。

そうやって、ユーロ圏には同じ通貨で金利が下がった周辺国に輸出しまくり、ユーロ圏の外にもユーロと言う安い通貨で輸出競争力を増して輸出しまくり、財政も黒字、経常収支も黒字です。それどころか、ドイツ人はとにかくケチですから、そうやって儲けた金をひたすらためこみまくりです。

だから、今のドイツが急激に力をつけたのは、ドイツ国民が必死で努力したからではなく、ユーロと言うシステムが輸出大国のドイツに都合が良かったからです。

現に、ドイツ人はろくに働いてません。労働時間はかなり少ないです。逆に言うと効率は良いと言うことでしょうが、それはドイツ人が優秀だからと言うのも確かにあるのかもしれませんが、一番の要因は、ユーロと言うシステムがドイツにとってものすごく都合が良いから、楽して儲かるシステムを手にした結果なのです。

そんなドイツがギリシャに緊縮財政を押しつけていますが、これまた何の問題解決にもならないどころか、状況をさらに悪化させるだけの愚策です。

ギリシャに関しては、金利の支払いだけはチャラにしてもらって、あとはひたすら借金を借り換えし続けて、経済を成長軌道に乗せて長期的に少しずつ返済して行くしか無いでしょう。

ドイツが主張している「成長の前提には健全な財政が必用」と言うのは完全に間違いです。これはほとんど「健全な精神は健全な肉体に宿る」と同レベルの精神論にすぎません。

それがかろうじて成り立っているのは、ユーロと言うシステム利用してを周辺の国々から金を吸い上げることのできるドイツのみです。

成長、つまり経済成長とは、GDPが増えることです。成長の定義も知らずに経済を語る人が結構いますが、GDPを増やすには、お金を使うこと=所得を増やすことです。「誰かが使ったお金=別の人の所得」だからです。使ったお金は消えません。お金を使うほど所得が増えるのです。これを理解できない人が多い。家計簿的な発想しかできないからです。

今のギリシャのように景気が悪化した状態で政府が緊縮財政をやると、そのぶん国民の所得が減りますからGDPは大きく減ります。

GDPが減れば将来の税収が減り、状況はどんどん悪くなります。そんな子供でもわかることをメルケルは何故わからないのか!?メルケルに限らずわからない人が多いようです。池上彰もわからないのでしょう。わかってませんでした。

現に、ギリシャは二年連続で財政は黒字ですが、GDPが大きく減ってしまいました。

経済学者ピケティ氏、独首相にギリシャの債務減免訴える

【7月8日 AFP】著名な経済学者トマ・ピケティ(Thomas Piketty)氏やジェフリー・サックス(Jeffrey Sachs)氏らが7日、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相に対し、「これ以上の惨事を避ける」ためにギリシャの債務を減免するよう呼び掛けた。

 ピケティ氏らは、米誌「ザ・ネーション(The Nation)」のオンラインサイトに掲載されたメルケル首相宛ての公開書簡で、ギリシャは、債権団が求める財政緊縮策に既に応じており、その結果、深刻な経済不況が生じていると主張した。

 同氏らはまた、「ドイツの財務相と欧州連合(EU)側が処方した薬は患者の病気を治すどころか、出血させている」と述べた。

 さらに、ギリシャ政府に求められている改革に同国が応えるために必要なのは、債務の「大幅免除」だと主張。「今のギリシャ政府は、自身の頭に銃を向け、引き金を引けと言われている」ようなもので、「その弾丸は、欧州におけるギリシャの未来をつぶすだけではなく、希望や民主主義、繁栄の光であるユーロ圏を巻き添えにする」と主張している。

 公開書簡には、所得格差に関する著作で知られるフランスの経済学者ピケティ氏や米コロンビア大学(Columbia University)の開発経済学者サックス氏の他、米ハーバード大学(Harvard University)の政治経済学者ダニ・ロドリック(Dani Rodrik)氏、英オックスフォード大学(University of Oxford)の経済学者サイモン・レン・ルイス(Simon Wren-Lewis)氏、ドイツ元副財務相のハイナー・フラスベック(Heiner Flassbeck)氏が署名している。(c)AFP



池上彰氏はピケティと対談してました。ピケティ×池上彰、夢の対談が実現!。でも何もわかっていないようです。夢の対談ではなく、ただの夢だったのでしょうか。それとも彼はやっぱり台本を読んでるだけのただのおじさんなのでしょうか。

池上彰は昨日の番組で最後に、日本とドイツに共通の問題として、戦後の歴史問題を持ち出してきて、お決まりの「戦後処理では日本はドイツに学べ」、みたいに言ってました。

ですから、彼は明らかに歴史認識は左派のようです。しかし、彼の経済観は右派のものに近いです。今の日本や世界には、右派の経済政策(金融引き締め、緊縮財政、小さな政府、規制緩和、競争激化、自己責任)はあいません。状況を悪くするだけです。

歴史認識は右派だろうが左派だろうが好みの問題ですが(?)、経済は生き物なので、その時の状況にあった政策が必用です。そして、今の世界には成長が足りない、そのためには拡張的な経済政策と、格差の解消が必用だと私は思いますから、そういう点で左派の経済政策のほうが望ましいと思ってます。

アベノミクスも当初はヨーロッパの左派の経済政策でした。日本の左派は超経済音痴と変に真面目なため、緊縮財政や金融引き締め、清算主義など、どうみてもアメリカ共和党やティーパーティーみたいな政策を好み変なところがあります。弱者のためとか言いながら、弱者に超厳しい政策をやってしまうのです。民主党が典型ですが。

なので、日本の問題点は、日本の野党、左派が超経済音痴だと言う点でしょう。救いがありません。

池上彰の話にもどしますと、彼は、ドイツのヴァイツゼッカー大統領が第二次大戦でドイツが侵略したポーランドに謝罪して和解したんだから、日本も見習えとか言ってました。

本当に見習って良いのでしょうか?

確かにワイツゼッカーに限らず、メルケルもポーランドで過去の侵略を謝罪したようですが、彼らはすべてをナチスのせいにして、ドイツ人も犠牲者だと言う立場を主張しているのです。

wikipediaより

2009年9月1日に行われた第二次大戦開戦70周年記念式典においてもメルケル首相はドイツの行為による開戦が「終わり無き苦しみを招いた」事を認めつつも、終戦後に旧ドイツ領からドイツ人が追放された事は不当と断じ「こうした事実は認識されるべきだ」と述べてドイツ側の立場に変わりがない事を示している。

ポーランドやチェコなどは、このようなドイツ側の態度を「接収ドイツ人財産に対する補償請求への後押しにつながっている」と見なしており、対独関係悪化の要因となっている。日本では高く評価されたドイツ要人の謝罪も「懸案である接収ドイツ人財産の法的処理(後述)に言及することを避けた、単なるリップサービス」と冷淡に受け止められることが多い。

2006年に開かれた、ドイツ人追放者を扱った展示会「強いられた道」に関し、ポーランドのヤロスワフ・カチンスキ首相は「とても悲しく、心配だ」とコメントし[5]、2007年になると、以前からドイツとポーランドやチェコとの間で外交問題となっていたドイツ人追放を取り上げた「反追放センター」の建設に関する対立も加わって、追放者問題を巡りドイツ・ポーランド関係は「戦後最悪」と報じられるほどに険悪化することになる[6]。



ぜんぜん和解してないんですが(笑)。このドイツのやり方を学べと言っちゃって良いんでしょうかね。逆にうまいことやってるなー、と言う感じです、これなら見習っても良いと私は思いますが、池上彰が言いたかったのは、「安倍総理はとにかくドイツの首相を見習って謝罪しろ」と言うことでしょうけども。

池上彰って本当に底が浅いですね。

そもそも、話をもどしますと、ナチスがやった最大の罪はユダヤ人の大虐殺、ジェノサイドです。これは戦争や他国への侵略とは別の次元の話です。

日本がやったのは、他国への侵略と言うことで、つまり学ぶとしたらイギリスやフランスやオランダでしょう。それらの国が旧植民地に謝罪してますかね!?

まあ、それらの国は戦勝国ですから、いずれにせよ、こちらも参考にはならないでしょう。さらに、相手の国も違いますから。

日本とドイツが共通しているのは、敗戦国だと言うだけのことで、やったことが違いますので、歴史問題ではドイツの戦後処理を参考にすべきではありません。また、ポーランドは中国や韓国とはたぶん国民性が違うのでしょう。よく知りませんが。

いずれにせよ、平和を維持するには、パワーのバランスを維持すると言うことが一番大切です。口先で友好を唱えたり憲法の条文を信仰したりとか、そんなもので平和は維持できません。それは戦争中に敵と「竹槍」で戦うような精神論とかわりません。

急速に力をつけた国が台頭してきたら、その国が突出しないように牽制しておくべきです。長いものに巻かれろでは将来的に良くありません。

ヨーロッパではドイツが金融覇権で、アジアでは中国が軍事覇権で台頭してきています。なおかつ、ドイツと中国はかなり接近しています。

どちらもアメリカの国力が衰えてきたことと関係しています。つまり、これからの世界秩序でアメリカはあてにできないと言うことです。

したがって、両国がこれ以上台頭しないように、これらの国々を日本が主体的に牽制して行かなければ将来的に世界は不安定化してしまうと思います。

日本の防衛もアメリカはあてにできません。ですから、集団的自衛権より、もっとやることがあるのでは!?と思いますが、でもそれは、もっとハードルが高いでしょう。

なのに、脳天気なマスコミですねえ。
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