カーク船長の娯楽日記

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診断と処方

世の中を良くしたいと思うなら、まず正確な診断をすることが先だと思います。間違った診断をもとにして治療しても病気は良くならないですし、下手をしたらかえって悪くなりますので。

今年は戦後70年と言うことで、また首相がなにか談話を出すらしいですが、少なくともそこで「過去の戦争の反省」とやらが入るのはほぼ確実で、謝罪が入るかどうかは不明とのことみたいです。

確かに、現在の我々から見れば、なんであんな滅茶苦茶なことをしたのか、昔の人は愚かだったように見えるかもしれません。でも、誰も世の中のおかしさに気づかずにみんなして大失敗すると言うのは戦後でもあることです。

バブル崩壊が良い例でしょう。バブル期にはみんなものすごい借金をして不動産などに投資をして高騰していましたが、バブル崩壊でその価値がなくなってしまいました。

今の地方自治体が多額の負債をかかえるようになったきっかけも、このバブル崩壊だったわけで、私らの世代はバブル期はまだ学生で、卒業したくらいにバブルが崩壊してましたら、それほどバブルの恩恵を受けてはいませんが(それでも今の若者よりはずっと良かったですが)、当時がどんな世の中だったかは覚えてます。

バブルの当時は、確実に儲かるのに投資しないやつはバカだと言われていました。不動産は確実に値上がりして行くものでした。

当時のテレビや新聞のどこを見ても、「これはバブルだ」などと言って警鐘を鳴らしているようなメディアはありませんでした。

そもそもバブルと言う言葉はまだありませんし、その概念すら誰も持っていなかったと思います。

最近でこそバブルと言う言葉はありますが、しかし未だに「何がバブルか」と言うことの経済学上の厳密な定義は無いようです。

意味としては「常識はずれの資産の値上がり」と言うのがバブルの定義です。

しかし、どれだけ値上がりしたら常識はずれなのか、バブルなのかは決められません。結果として崩壊したらそれがバブルだ、とか言っている人もいます。

要するに、今がバブルかどうかはほとんどの人にはわからないと言うことです。当然、バブルの真っ最中の時代の人達にもわかるはずがありません。

だから、バブル期に行われた今からすれば無駄な巨大事業やハコモノ投資などは、何をしても防げなかったのです。

それは、過去の日本が戦争に突入することを、何をしても防げなかったのと同じでしょう。

結果を知っている我々は後から何とでも言えます。

バブル期の大人たちも、戦争を批判していました。バカなことをやったとか、さんざん批判してました。戦争にむすびついたものをすべて否定したりとか的外れなことをしてました。

戦争責任の追及とか、戦争のシンボルになったものの否定とかですが、マヌケだと思いましたね。要するに、当時の日本が弱い国だったら戦争や植民地支配などできなかったのだから、戦争や植民地支配を防ぐために、もっと弱い国にしましょうと言うやりかたです。

右系の人でも、あそこをああしていれば勝てたかもしれないとか言ってましたね。

でも、そうやって過去の人の失敗について偉そうに言っていた80年代の社会人たちも、バブル崩壊で悲惨な敗北を繰り返しているわけです。

今から考えればバカな投資をしたとみんな思ってます。いつまでも不動産が値上がりするはずがないから愚かだとも言えるでしょう。

でも、ほとんど誰もそんなことはわからなかった。実際にはごく少数の人達が警鐘をならしていたらしいですが、そんなもの、大手マスコミが取り上げませんし、大多数の人が世の中の常識を疑っていない以上、どうしようもないことです。

ちなみに、今回の大阪の住民投票では、かつての大阪市と大阪府がWTCとりんくうゲートなどの巨大事業を競い合うように作ったから、これは二重行政が生んだ最大の無駄などと言っていましたが、そんな説ははじめて聞きました。

この珍説を信じた人がいるんでしょうか?まあ、若い人はバブルを知らないから、そうなのかと思ってもしょうがないのかもしれませんが、私より上の世代ならバブルとバブル崩壊くらい知っているでしょう。維新のブレインはそうとう質が低いのではないでしょうか?

当時は、日本中で企業も地方自治体も家計も、投資しないやつはバカと言う雰囲気だったのです。

そもそも、バブル期は景気が良かったので税収も多いですから、地方自治体も財政にはかなり余裕がありました。財政に余裕があるから、お金をじゃんじゃん使えるわけです。

今と財政状況がまったく逆だったのです。そんな時に緊縮財政をやったら、税金だけとって世の中に還元しない悪代官と言われたでしょう。しかし、バブル崩壊後は逆になりました。

だから、バブル崩壊して財政が苦しくなった後に、どこの自治体もそんな大型ハコモノ事業などもうやっていません。やろうと思ってもできないからです。

バブルの真っ最中に今はバブルと言っても誰も聞く耳を持ちませんでした。同じで、戦争に突入しつつある時代に、戦争反対と言ってもほとんどの人は聞く耳を持たなかったのです。その後に大きく失敗するとは思っていなかったからです。

こういうものを、いくら後から反省したとしても、防げるはずがありません。

何か学ぶとしたら、多数意見ばかりではなく、現状に警鐘をならす少数意見も少しは聞いてみるようにしたら?と言うくらいです。でも、その少数意見も正しいとは限りません。

昔の人たちの失敗を愚かだと言っても現代人が賢くなるわけではありません。

誰かを愚か者・悪者と決めて叩くことで、自分が賢くて正義の味方であるかのような言動をする人間が私は許せないのです。朝○新聞も辛抱痔瘻も所詮は同類です。

昔に戦争して負けて悲惨なめにあったから、もう二度と戦争のできないような弱い国になろうとしたら、今度はどこかの国の植民地になりチベットみたいになるかもしれません。

過剰に反省ばかりするは、何の反省もしないのと同じ、愚か者のすることです。

戦後70年談話、あまり期待しないほうが良いでしょう。

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