カーク船長の娯楽日記

周回軌道上から地球を眺めつつしたためた恒星日誌
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お疲れさま

この前の日曜日に大阪都構想の選挙がありましたねー。私は大阪市民ですので投票に行ってきました。

政治には関心はあるものの、投票に行くことにはあまり執着は無いのですが(結果には何の影響も無いので)、しかし今回はさすがに行きましたねー。賛否が拮抗する時ほど1票の価値は高くなりますから。

いろんな考え方の人がいるので結果の良し悪しについて言及するのはやめておきますが、診断を間違えれば治療方法も間違えるのは政治も同じ、とだけは言っておきたいですね。まずは正確な現状分析が先で、そこを間違えると正しい答えは出ませんので。

みながなんとなくイメージしていることって、よく調べて見ると結構間違いであることが多いです。今はネットに公式の資料などいくらでもありますから、調べようと思えばできるのですが、そういう発想が無いとせっかく情報があっても無意味です。

あとは、例によって結果の分析に関するマスコミ報道にはケチをつけたいと思います。私はマスコミが嫌いですので(笑)。

どこの新聞やニュースでもやっていましたが、こんな分析がありました。

都構想賛否 地域差くっきり
都構想「否決」 地域差くっきり 大阪湾岸・南部で反対多数、市中心部では賛成が上回る
150519nanboku.jpg

大阪市の南北の地域差が結果に反映されていると言う分析です。これって安直な解釈だなと思います。マスコミは所詮このレベルです。

実際にはどこの区でも賛否は拮抗しており、一番差が大きいところでも10%以下の差しかありませんし、ほとんどが僅差です。中には22票差と言う区もありました。

そういうことを無視して、50%以上か50%以下かで2つにわけてしまうからこうなってしまうのです。

以下の分析を見るとよくわかるでしょう。

150519kikkou2.jpg

この図の右側のグラデーションが事実です。この図を作成した研究者は以下のように言ってます。

どちらが多数かで塗るとあたかも大阪市が南北に分断されたかのような印象を受けますが、実際はどの区でもほぼ半々に割れています。仮に大阪市民の間にこの問題を巡って分断があったとしても南北にではありません。


まったくその通りだと思います。

それと同じ理屈で、世代による差も誇張されています。70歳以上で反対した人が多かったのはその通りのようですが、それにしても6割程度です。4割は賛成でしたから、まあほぼ半々でしょう。

150519sedaibetu.jpg

なお、このグラフはあくまで出口調査をもとにしたものであって、これが正しいと言う保証はどこにもありませんし、数パーセントの誤差があります。実際、新聞各社やテレビ局によって値が違っています。なので、このグラフはそれらの中の一例にすぎません。

このグラフを見て色んなことを言う人がいますが、びっくりしたのは、辛○治郎氏の意見で、以下のようなものです。彼はテレビでだいたい以下のようなことを言っていました。

せっかく現役世代が変革を望んでも、現状に甘んじている高齢者の数の壁は越えられないとか、老人のエゴが「改革」を妨げた、などと完全に悪者扱いです。

しかし、実際には70歳以上で賛否が4:6ですし、60代では賛成のほうが多いので、高齢者を60歳以上と考えれば実際には半々で拮抗している訳ですから、あたかも高齢世代まるごとが反対したかのように言う人と言うのはやっぱり脳みそが不足しているとしか思えません。

そもそも、世代別の投票率などわかりませんので、この世代別の賛否の調査(出口調査によるもの)そのものが間違っていると言う指摘もあります(こちら)。(どのような投票率を設定しても、この世代別の賛否だと、反対派が勝つはずがないそうですので、出口調査が間違っている可能性が高いそうです。)

実際には他の世代でももっと反対が多くないと、どのような世代別の投票率を想定してもつじつまがあわないそうです。いずれにせよ、出口調査は正確な調査ではありませんから、それをもとにして何か言おうとすべきではありません。

そもそも、反対した理由だって、自分たちのことしか考えていないからとは限らないでしょう。若い世代や大阪のためにならないと判断して反対した人だっていたかもしれません。

要するに、自分の思い描いたストーリーに現実をむりやりあてはめて解釈しているだけです。

彼は、反対するやつはみんな既得権や利権がらみだなどとも言ってましたが、これも同じで、都構想推進の主張に十分な説得力があったのかどうかなどと謙虚な発想はまったくないようで、すべての人間は自分の損得でしか考えられないと思うのは、自分がそういう人間だからです。

自分と考え方の違う人間にレッテルを貼り、悪者にして叩いて自分を正当化して支持を集めようとする、それを、ある種の権力者でもあるマスコミ関係者がやるわけですから、本当に恐ろしいことです。

また、彼のような新自由主義者は税金を(多く)払っている者は偉くて、税金から給料をもらったり、税金で保護されている人達は悪者と思っているようです。

新自由主義者の中には、高齢者のことを、税金を払わずに年金で生活している者として、タックスイーター(税金を食べる人)などと言い放つ者までいます。

しかし、これは完全に間違いです。高齢者だって所得があれば所得税や住民税を払ってますし、消費をすれば消費税を払っています。そもそも、年金は過去数十年も年金保険料を払ってきたその対価としてもらっているもので、当然の権利です。

さらにいえば、70代以降の方々は、これまで半世紀以上もの期間ずっと税金を払い続け、大阪や国に貢献してきた方々です。彼らの納税のおかげでこれまでの大阪や日本の繁栄があるわけです。

なので、税金を払ってきた年数や額のことを言うのなら高齢者の勝ちです。まだ税金払いだして数年の若い世代が、まだたいして税金も納めていないのに偉そうに言うな・・・ということになってしまいます。

だいたい、納税額など人によって違います。高齢者でも高額納税者はいますし、現役世代でも生活保護を受けている人もいます。

いずれにせよ、税金どうこう言うのはおかしいのです。

と言うか、辛○氏はおそらく、自分はたくさん税金を払ってきたから偉いと思っているのかもしれません。

彼は以前から自己責任論を主張してきたくせに、自分がおこした海の遭難事故で救助されて、一説によると4000万円もの税金を使わせて救助されたようですが、おそらく自分は高額納税者なのでそれくらいしてもらっても当然の権利、何なら過去にもっとたくさん税金払ってるぜ、くらいに思っているのか知りませんが、彼の言うことは間違いだらけです。

納税は確かに国民の三大義務の1つですが、しかしそもそも、税金を払っているかどうかと選挙権とは関係ありません。

選挙権は成人した国民に与えられる権利で、納税の義務を果たす能力がなくても権利は与えられるものですし、逆に、納税していたとしても、一定の年齢に達していない国民には与えられませんし、たくさん納税しても外国人には与えられません。また、企業は法人税をたくさんおさめても当然選挙権などあありません。

市民・国民であることを忘れ、納税者かどうかなどと言うのはおかしな発想なのです。

ものごと、もうちょっと色んな角度から考えてみたらどうでしょうかね?吉本芸人並のことしか言えないのならキャスターはやめて欲しいものです。

誰かを悪者にして叩いて人気取りするような政治はもうごめんです。これ以上大阪を分裂させるようなことはやめて欲しいですね。

叩くなら愚かなマスコミ関係者、テレビに出てきて適当なことを言っている奴らを叩きましょう。彼らこそ、市民どうしの対立を煽り、不毛な議論と混乱をもたらした張本人たちです。
怒り | Comments(4) | Trackbacks(-)

Comment

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リンク先の分析はなるほどと思いました。
僅差なだけに言い方次第で何とでもなりますね。
当時東京でいましたので、大阪のことだしやってるのかなーって思ってましたら、テレビでいっぱい放送してました。
2015年05月23日(Sat) 17:45
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T端さん、コメントしにくいお話におつきあいいただき、ありがとうございます(笑)。

その後にもっと詳しい分析をしている記事を見つけました。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/watanabeteruhito/20150521-00045905/

私はデータを分析するような仕事もしてますのでわかりますが、自分が言いたいことのために勝手な解釈をしたら誰からも信用されなくなりますけども、平気でそういうことをやって、誰も突っ込まないのがマスコミの恐ろしいところですね。

そういう人達が世論ろリードしたりしてますから、世の中がなかなか良くならないのかなとも思います。
2015年05月23日(Sat) 19:04
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私は大阪市ではありませんが、仕事上少し関係してますので気にしてました。
さすがに後半部分についてはコメントは控えましたが(笑)

僅差で出口調査、出口調査言うのはちょっとどうかと思います。
双方結果は結果として受け止め、勝った方は結果に甘んじることなく、問題点もあると思うので課題解決に向けて頑張って欲しいです。

世界的に見たら、宗教でも偏った報道がされていると聞いたことがあります。
無宗教で、勉強不足なのでヘタなコメントはやめときます(笑)
2015年05月24日(Sun) 10:53
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T端さん、どうもです

今回はしかも、期日前投票がたしか17%(投票者のではなく、全有権者の)でしたから、出口調査ではそこは含まれていませんので、なおさらと思いました。

後半は、私みたいな考えをする人間はあまりいないようですね。歳出削減だけでは財政問題は解決しないというのが私の考えでので、歳入のほうは完全に置き去りにされている現状にも不満なんですよね。

今回のことばかりに力を入れて、普通の経済政策とか、企業を呼び込むとか(昔は言ってたのに)、あと東京一極集中を是正するための地方創生のとりくみも、大阪がこんなことばかりやっているので、関西は置き去りにされています。大阪の所得も他の地域に抜かれて減っています。ごくあたりまえのこともやらないとダメと思いますが、目に付くとこばかり騒がれるので・・・

と、私も勉強不足なのにこんなに偉そうに意見を言えてしまうとは・・・マスコミ関係者になる素質があったかも(爆)。

与太話におつきあい、ありがとうございました。
2015年05月24日(Sun) 21:08












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