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緊縮財政は間違いだった

金融緩和しても金利が下がらない・・・。とても不安定な挙動をしていた。私も、金利が上がらないと書いた手前少々ひやひやしていましたが、原因がわかりました。旧日銀派の最後の抵抗だった模様です。

ようするに、日銀の体制が変わって経済が良くなってしまったら、自分たちの言っていたウソがバレてしまうから、わざと邪魔していたと言うことです。

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もう一つ、最近重大な事実が発見された。これは世界経済に大きく影響するだろう。私としては、良い方向に変わるのではないかと期待するが。

要するに、世界中でされている「緊縮財政」が間違いであることが判明したと言う話。

と言うか、少なくとも「政府の累積債務(いわゆる国の借金と言うやつ)が増えると経済全体にとってマイナスであるから、景気刺激策として財政出動するのは間違い」と言う考え方の根拠となった論文がインチキであることが判明。

今、世界中で経済が悪いのに、なぜか緊縮財政が大流行している。日本は言うまでも無いが、ヨーロッパがすさまじい。

イギリスなどは、その論文に従って、景気が悪いのにケインズ的な財政出動はせずに緊縮財政、つまり歳出の無駄を削減して増税すると言う方向で、政府の債務を減らそうとしていた。

それをやれば景気が回復すると信じていたらしい。

でもさっぱり経済は良くならない。

ギリシャやイタリア、スペインも同じで、かえって経済が悪くなり、余計に税収が減ってどんどん状況が悪化している。

それは、世界の主流派経済学の考え方が、「景気が悪くて失業率が高くても政府は財政出動して借金を増やしてはいけないし、それをやるとかえって景気が悪くなる」と言うふうに考えられていたからだそうだ。

私からすると何て非常識なと思っていたが、でもそうするのが正しいと言う根拠となる論文「ラインハートとロゴフの論文」が世界的に影響力を発揮していて、みんなその論文の内容を信じてそれを政策決定の根拠としていたからそうなっていたようだ。

ところが、その論文の内容が間違いと言うか、単なる間違いではなく、まあインチキやってわざとそういう結論を導いた内容であることが発覚。

財政緊縮政策の理論的根拠の間違い 米大学院生が再検証">財政緊縮政策の理論的根拠の間違い 米大学院生が再検証

  ギリシャの財政危機を避けるための緊縮策を始め、アメリカの現政府・共和党の緊縮財政などの理論的根拠は、ハーバード大の二人の著名な経済学者:カルメン・ラインハートとケネス・ロゴフによる論文「負債時の成長」(2010, http://www.nber.org/papers/w15639)なるものだそうである。

論文発表以来、財政緊縮策を正当化するための根拠として広く引用されている。

この論文の主要な結論は、國の総負債額がGDPの90%を超えると、経済成長が極端に低下する、だから、このような負債は何としても避けるべきであるとなる。これを根拠に、例えば、雇用創出より、負債削減の方が国家経済にとっては重要であるということになる。これが、現在の経済危機の根底にある。(バンクーバー・落合栄一郎) 
 
 以下の報告は、この文の最後の記事(*)に基づいている。さて、このハーバードからの論文は、出た当時、様々な経済学者を驚かせ、疑問を抱かせた。それにも拘らず、データはかなり信憑性があるように見え、緊縮政策をとる政治家などは驚喜してこれを論拠にした。 
 
 さて、マサチューセッツ大の大学院生トマス・ハーンドンが、授業プロジェクトとしてこの論文の結果を再現してみようとした。しかし、そのためのオリジナルデータが不足していたので、ハーバード大の教授達に、そうしたデータを送ってくれるように依頼し、送ってもらうことに成功した。それを再検討してみて、彼は、元の論文に様々な問題があることを発見し、唖然とした。 

 彼のクラスの教授達と検討した結果、データの改竄ではないが、データの取捨選択があり、国家それぞれへの負荷の置き方に問題があり、その上、エクセルスプレッドシートの計算方法に間違いがあり、しかも高い負債を抱えているにも拘らず、通常レベルの成長を続けている国家を計算に入れないといった、とんでもないやり方であった。こうした誤りを正して、計算し直してみると、元の論文の結論は完全な間違いであり、負債/GDPが90%をこしても、経済成長率はマイナスになるどころか、2.2%成長となったそうである。 
 
 このような初歩的な間違いに気がつかずに、論文を発表したことが先ず問題だし、それが今まで充分に再検討されなかった上に、それに基づいて多くの国で、財政緊縮策が強行されていること、それが齎している社会混乱。これは、おそらく、ハーバード大という名と、その著名教授という虚名がもたらしたものであろう。彼らが、単なる不注意でこんな間違った論文を作り出したのか、何らかの意図があったのかはわからないが。 
 



もう一つの記事を引用


財政再建から「成長」に軸を移したG20とラインハート・ロゴフ論文の誤りについて/高橋 洋一
現代ビジネス 4月22日(月)9時5分配信


当然のことながら、日本の金融緩和はデフレ脱却のためであって円安誘導ではないと、G20にも認められている。他の先進国がやってきたことを日本が遅れて実行したからといって、非難されるはずはないが、これまでの日銀の無策にあきれるとともに、これでやっと世界標準になったと少し安堵する。

ただ、財政面では「日本に財政再建要求」(時事)との報道もある。たしかに、日本に対し「信頼に足る中期財政計画を策定すべきである」とG20声明に書かれている。ただし、アメリカも同様に「バランスのとれた中期的な財政健全化計画に向けた更なる進展が必要である」と書かれ、先進国全体に対して「中期的な財政戦略をサンクトペテルブルグ・サミットまでに策定する」とされているのだ。

しかし今回のG20は、事前にいわれていた財政再建への取組みから、かなり後退したようだ。はっきりいえば、財政再建よりも「成長」に軸を移したといえる。声明の冒頭には、「我々は成長を引き上げ、雇用を創出する決意を再確認した」と書かれている。つまり成長が優先なのだ。


*** ラインハート・ロゴフ論文の「90%」 ***

13日付けロイターでは、G20で「各国の公的債務を、長期的にGDP(国内総生産)の90%をはるかに下回る水準に削減する案について協議することが分かった」と報じている。ロイターが入手した準備資料はEU(欧州連合)代表のために用意され、EU財務相が13日に承認したものだという。

この90%という数字は、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)が「債務の対GDP比率が90%を超えれば成長減速に見舞われる」といっていたものだ。

その根拠とされているのが、ハーバード大学のカーメン・ラインハート教授とケネス・ロゴフ教授が2010年に発表した公的債務に関する研究論文だ。

●"Growth in a Time of Debt" NBER Working Paper No.15639, January 2010

ラインハート・ロゴフ論文は、公的債務残高が対GDP比で90%を超えている国家の平均実質成長率はマイナス0.1%だとしている。そしてこの「90%」という数字が、一人歩きして、ここ数年、緊縮策をめぐる議論で影響力を発揮してきた。

ところが、15日、マサチューセッツ大学の研究者が、ラインハート・ロゴフ論文について、「誤りがある」と批判した。論文もデータも以下のサイトにある。

●"Does High Public Debt Consistently Stifle Economic Growth? A Critique of Reinhart and Rogoff"Political Economy Research Institute, 4/15/2013

この反論は絶妙のタイミングだった。18日に始まるのG20の直前であったため、すぐに話題となって、結局、EUから出されるはずだった「債務残高対GDP比を90%以下に抑える」という提案は表だって議論されなかった。


*** 意図的にデータを除いた疑いがある ***

ラインハート・ロゴフ論文は、発表当時、IMF(国際通貨基金)などの国際機関では、財政再建の必要性を説くバイブルのように扱われていた。ところが、経済学者の間では当初から議論があった。

たとえば、プリンストン大学のクルーグマン教授は、公的債務対GDP比が増えると経済成長が低下するのではなく、経済成長が低下したから公的債務対GDP比が増えたことや、イタリアと日本を除くとG7の国の公的債務残高対GDP比と成長率には相関関係がない、といっていた。

論点は、公的債務残高対GDP比が90%を超えると、(1)成長率が急落して平均でマイナス0.1%になっているかということと、(2)公的債務残高対GDP比が高くなると成長率が低くなる「因果関係」があるのかどうかだ。

前者(1)は、マサチューセッツ大学論文では2.2%であり、ラインハート・ロゴフ論文の数字に間違いがあるようだ。しかも、その原因として、意図的にデータを除いた疑いがあるという。特にニュージーランド(1946-1949)のデータを除外したことが大きいとしている。ラインハート・ロゴフ側はデータの入手云々で言い訳をするが、ここまでくると単純な間違いではすまなくなる。

後者(2)の因果関係も怪しい。ラインハート・ロゴフ論文ほどのデータがすぐに用意できるわけでないが、OECDなどではある程度のデータがインターネット上で入手できるので、それを使って、おおよそのところを調べてみよう。以下のデータは、OECDの統計サイトを使って、簡単にやってみたものだ。なお、この分析は手っ取り早くやったものなので、ラインハート・ロゴフ論文とは定義などで若干の差異があることに留意してもらいたい。

1971年以降、実質GDP成長率と公的債務残高対GDP比のデータが20年間以上そろっているオーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカの17ヵ国が対象だ。

そのプール・データで、実質GDP成長率と公的債務残高対GDP比の相関係数を計算してみると、0.19となる(下図)。
130425youichi1.jpg

相関係数については、0~0.2はほとんど相関なし、0.2~0.4で弱い相関、0.4~0.7が中程度の相関、0.7~1なら強い相関がある、というのが一般的な捉え方だ(マイナスの場合には逆相関があるという)。

そこからいえば、実質GDP成長率と公的債務残高対GDP比に相関があるとは言いがたいので、「因果関係」もないといえる。

ここに挙げた各国を見ると、実質GDP成長率と公的債務残高対GDP比に相関関係があると思えない国が多いが、日本やイタリアには多少の相関があるように感じた。

そこで、日本とイタリアを除く15ヵ国で、同じ統計処理をしてみると、相関係数は0.11まで下がった(下図)。こうなると、日本とイタリアを除く先進15ヵ国で、実質GDP成長率と公的債務残高対GDP比は相関ナシなので、当然、その間に「因果関係」もないと言える。

この15ヵ国でみると、債務残高対GDP比の「90%」なんて、ほとんど意味がないこともわかる。

130425youichi2.jpg

では、公的債務残高対GDP比と成長率の間に相関関係がありそうな、日本を調べてみよう。

まずいえるのは、公的債務残高対GDP比と成長率の関係について、日本では経済成長率と「1年後」のプライマリー収支に「強い相関」がある(下図)ということだ。

130425youichi3.jpg

ということは、これは経済成長率からプライマリー収支への「因果関係」とみていいだろう。また、プライマリー収支と公的債務残高対GDP比は一定の条件の下で数学的な対応関係がある。したがって、日本でいえば、公的債務残高対GDP比が高くなると成長率が下がるのではなく、成長率が下がった結果として債務残高対GDP比が上がったことになる。


*** 何が何でも「増税」の財務省はどう出るか ***

経済学の研究はしばしば実際の経済政策に使われるので、はじめに結論ありきのものがある。

筆者が批判してきた日銀にもそうしたケースは少なくない。たとえば、デフレは人口減少によるものだ、という2012年8月の調査レポートがある。

海外諸国でクロスセクション分析をすると、人口減がデフレと関係しているかのように見せているが、恣意的に特定国を除外しているようにもみえる。詳細は、ダイアモンドオンラインの拙稿を参照して欲しい。

いずれにしても、ラインハート・ロゴフ論文はかなり怪しいので、これを根拠にして、財政再建を叫んでいた人たちには大きな打撃だろう。

イギリスはこの論文の主張に沿って財政再建のために消費税を増税したが、かえって景気が低迷している。今秋には日本でも消費税率引き上げの議論になるが、財務省はどのような理由を挙げて消費増税の必要性を説いてくるのだろうか。

ちょっと常識に照らして考えてみればわかるはずだが、景気の腰を折るような消費増税はやるべきでない。特に、上で指摘したように、日本では経済成長率と「1年後」のプライマリー収支に「強い相関」がある。プライマリー収支が均衡するような名目GDP成長率は算出できるが、それはせいぜい5%程度だ。

であれば、今のところうまくいっている金融緩和で、名目成長率を上げさえすれば、自ずと財政再建もできてしまう。財務省が一番嫌うのはこのロジックだ。そうなると「増税」の大義名分がなくなる。筆者は別にそれでもいいと思うが、財務省は何が何でも「増税」なので、普通の人間の常識が通じない。

現に成果の出ているアベノミクスに今でもケチをつけている人たちの中には、金融政策を否定して増税をしたいだけの人が少なからずいるので、くれぐれも気をつけよう。



とにかく「国の借金が〜」と訳もわからず単に「借金は良くないから」みたいな理由で騒いでいた人たちはともかく、学術的な根拠でもって緊縮財政を主張していた人たちは困っているだろう。

これで日本のマスコミや財務官僚たちは考え方を変えてくれるだろうか!?

まあ無理だろう。

旧日銀派みたいに自分たちのウソがばれないような工作活動をしかけてくるだろう。

私としては、これをきっかけに経済政策がまともな方向にもどってくれることを祈るばかりである。

政府の累積債務の削減よりもデフレ脱却、景気回復が優先すると言うことだ。

やはり常識的な発想、デフレから脱却して景気が回復すれば税収は自然に増加するし、それで足りなくて増税しても、経済が堅調なら問題無い。

政府はあらゆる努力をして、とにかくデフレ脱却、景気回復することが最優先と言うことです。
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