カーク船長の娯楽日記

周回軌道上から地球を眺めつつしたためた恒星日誌
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お札が紙切れになるとか言う人

先日、あるおじいさんとこんな会話をした。

爺 「安倍さんだいじょうぶかね〜、赤字国債は輪転機をまわしてお札を印刷してやればいいみたいなこと言っているが」

私「え?それのどこが問題ですか?むしろ、今それをやらないからデフレがひどいんですけど」

爺 「そんなことしたら、お札が紙切れになってしまうだろう」

私 「それはもちろん、どこまでも際限なくやり続ければいずれはそうなるかもしれませんが、インフレ率が高くなってきたらやめたら良いだけの話じゃないですか?」

爺 「国の借金の量がとにかく膨大なんだから、それを返すために刷ったらひどいことになるよ」

私 「いやいや、無理矢理全額を返す必用など無いでしょう。償還さえできれば良いんだから。むしろ、無理矢理返されたほうが困るでしょう。運用先が無いんだから。」

爺 「いや、そのうち国債が暴落してお金が紙くずになるよ。金利も高騰して日本経済は滅茶苦茶になる」

私 「・・・」

・・・どうも、借金はすべて耳をそろえて返さねばならないと思い込んでいるようなので、これ以上話しても無駄と思い、話題を変えた。

経済と言うのは難しい。常識で考えると間違えることが多いからだろう。私も2−3年前までは完全に間違えていた。

そもそも、マスコミが良く言う「国の借金がもうすぐ1000兆円」とか言う言い方。ここに多くのウソが含まれている。



まず、これは「国全体の借金」のことを言っているのではない。日本は国全体(政府+企業+家計)で見た場合、外国からの借金よりも、資産のほうが圧倒的に多い。その額(対外純資産)は世界一である。

つまり、日本は世界一の金貸し国だと言うこと。私も数年前までは知らなかった。うそつきマスコミのせいである。だいたい、日本と言う国は世界一の金持ち国なのである。

問題になっている「国の借金」とは「政府の累積債務」のことだで、本当はこれを「国の借金」とは言うべきではないのだが、まあ、その話はおいて、その借金だらけと言われる政府は一体誰に借金をしているのか。

これは日本国民から金を借りているだけの話である。ギリシャは外国からの借金が多かった。日本は95%が国内から借りている。

だから、国の借金とは国民の資産のことになる。

実際に国債を多く保有しているのは主に日本国内の金融機関(銀行・保険会社等)なので、国民と言う言い方は正確ではないが、その元となっているのは預金とか保険の掛け金であるから、国民が金を貸しているのと同じことだ。

だから、国民が借金しているのではなく、むしろ貸している側だと言うことである。

政府の借金は国民の資産である。

でも、そんなこと言っても政府の借金はいずれ増税して返すのだから、将来世代へのツケをまわすことになるだろう・・・私もそう思っていた。

しかし、マクロ経済を少し考えるとわかるように、からなずしもそうではない。

今現在借金がふくらんでいるのは税収が足りないせいで、それはデフレだから、デフレで景気が悪くて法人税と所得税の税収が異様に低い状態が続いているからである(政府の無駄遣いのせいではない)。

経済を回復させて法人税や所得税の税収が増えるようになれば、「国の借金」は自然に減って行く。

借金の金額じたいが減らなかったとしても、経済成長するから対GDP比では減って行く。

経済規模が大きくなれば借金が多くても問題無い。この部分は家計や企業と同じである。資産が多ければ借金が多くても大丈夫なのと同じ。

経済が回復すれば、国民の側の払う税金は多くなるが、所得そのものが増えているので痛みは無い。

だから、政府の借金を将来世代の痛みとしていずれ返さなければならないと言うのは、煽り以外の何物でもない。

それ以外にも、後で書くが政府は増税しなくても、日銀に通貨を発行させて借金を返済すると言う方法もある(条件付きでしか可能ではないが)。だから、「政府の借金=国民の負担」ではない。

むしろ、今の金を惜しんで将来の世代が生活して行くのに必用な投資を今しないことのほうが、将来世代にツケをまわすことになるのではないかと私は思います。

しかし、景気が良くなれば本当に借金は減るのかと言われれば、もちろん減ることは間違い無いが、どれだけ減るかについては断言できない。まだ、ちょっと足りないかもしれない。

その時はどうするか。

そうなったら、しょうがないから増税すれば良いだけの話である。経済が正常な状態であれば、少々増税したとしてもデフレになったり税収が減ったりすることは無い。

だいたい、「国の借金(正しくは政府の累積債務)」については過大に言われている。

国債を保有しているのは、ほとんどが国内の金融機関だが、中には政府そのものが所有しているぶんもあるし、日銀が保有しているぶんもある。

日銀が約10%、年金基金が約3%、政府保有分が約9%なので、合計22%くらいは政府の内部で自分で持っているようなものである。

だから、2011年で900兆円あると言われている政府の債務のうち、少なくとも180兆円は政府が政府に貸しているようなものである(日銀は政府ではないが同じようなもの)。このぶんは、家族の中で金を貸し合っているのと同じだ。

それより何より、日本政府はそもそも莫大な金融資産を保有している。

普通、政府の負債を言う場合は、債務だけ合計した「粗債務」ではなく、債務から資産を引いた「純債務」で話をするものである。本当なら。

でも、そうしないところが煽りなのである。

信頼できる数少ないエコノミストである菊池英博氏は以下のように言っている。2005年の時の話なのでちょっと古いが内容は今でも変わっていない。

政府債務を把握する指標には、「粗債務」(資金の借り入れ・保証などの債務)と「純債務」(粗債務から政府が保有する金融資産を控除したネットの債務)の二つがあり、一国の債務をもっとも正確に表すのは純債務であるというのが国際的に共通の理解である。

それは当然で、いくら借金があってもそれに見合う資産があれば問題はない。

(中略)

確かにわが国の「粗債務の国民負担率」は主要国のなかでも突出して高い。しかし一方で、日本政府はほぼGDPに匹敵する巨大な金融資産も保有している(欧米諸国が保有する金融資産はGDPの15~20%に過ぎない)2005年6月末で、わが国が保有する金融資産は推計480兆円。したがって純債務は315兆円に過ぎず、GDPの60%程度である。

(中略)

また、これものちにくわしく述べるが、財務省は財政危機を煽るために、2001年から「債務のかさ上げ」も行ってきた。いわば、債務の見せ掛けを大きくするための帳簿上の操作である。この、債務のかさ上げがなけれぱ、日本の純債務はドイツやユーロ地域並みであり、まったく日本の財政は危機的ではない


日本が財政危機と言うのは、とにかく増税をしたい財務省発の世論操作の疑いが濃厚と言うことだろう。

だいたい、財政危機かどうかは借金の額や対GDP比で判断できるものではない。では何で決まるかと言うと、金利の高さとインフレ率である。

金貸しが金を貸す時に、信用できない相手には高い金利でしか融資をしないのは常識である。それと同じく、破綻が近づいた政府の発行する国債は金利がどんどん上がって行く。

ところが日本国債は世界最低レベルの金利の低さである。たしか、スイスの次に低かったはずで、これは世界で2番目に信頼性が高い国債だと言う意味に近い。

もう一つ、インフレ率がどうして関係あるかと言うと、政府が借金の返済に困るようになれば、中央銀行にお札を刷らせてそれで返すことになる。お札を刷りすぎれば価値が下がってインフレになると言う訳である。

その結果、制御不能になってハイパーインフレになる=お札が紙切れになる、などと言う人が結構多い。

それは勿論、どこまでもお札を刷り続けてばらまき続ければそうなるかもしれないが、適当なインフレ率になったらやめれば良いだけの話である。金融引き締めなど簡単なことである。

それよりも、今はデフレなんだから、インフレ方向へ持って行かねばならない、そのために、むしろ適度にお札を刷って適度にばらまかねばならないのだが、洪水の時に火事の心配をする人が多いようで・・・

とにかく、財政危機を煽りたい人たちが財政規律を叫び、単に倹約は美徳と思っている人たちが緊縮財政を行い、デフレのままでいたほうがトクなごく一部の人たちがインフレの恐怖を煽っている。

どう考えても財政規律よりも経済の安定や、経済の健全化のほうが大事なはずである。

ある日突然に国債が暴落するとか、突然に金利が高騰するとか、制御不能のインフレになるとか。

だから、日本経済は近いうちに破綻するので、円で資産を持っているとやばいから海外に分散して投資しておいたほうが良いなどと言う(笑)。

そうやって煽って資産家を騙して海外に投資させて金儲けしている人たちがたくさんいる。藤巻なんちゃらとか。


日本大沈没日本大沈没
(2012/08/24)
藤巻 健史

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↑この本amazonのレビューを読むと面白い。レビューしている人のほうが余程経済をよくわかっている。

彼の言う通りに投資していたら、今頃は破産しているだろう。しかし、彼はいまのところ破産していないようだ。つまり、彼自身が自分の言った通りには投資してこなかったことの証拠である。

自分の言っていることにつじつまのあわなくなった人たちが、「国債が突然暴落する」とか、「金利が急騰する」とか、「制御不能のインフレ(またはハイパーインフレ)」とか言うのである。

だいたい、アメリカはリーマンショックの後にお札を刷りまくって通貨の量を3倍以上にまで増やしたが、制御不能のインフレなどにはなっていない。

世界中でインフレ目標を設定している国は多々あるが、どこもそんな制御不能のインフレなどにはなっていない。

政府と日銀がインフレ率や金利や失業率などの指標を見て金融緩和と財政出動の程度をコントロールすれば良いだけの話なので、大事なのは、とにかく「状況判断を間違えないこと」で、釣りと同じである(笑)。

経済の状況(インフレ率、金利、失業率等)を見ずに「財政規律」とか言って「増税」や「緊縮財政」を行ったり、デフレを悪化させる「規制緩和」とかを今やりたがるのは、イデオロギー以外の何物でもない。

新自由主義と共産主義は、言っていることは逆だが、どちらも状況を無視していると言う点で、悪質なイデオロギーにすぎない。そういう政策を掲げる政党が勢力を伸ばすのは日本経済にとって良くない。

経済は生き物なのである。

そろそろ日本国民が目覚める時ではないだろうか。

正しい経済政策(金融緩和と財政出動)をやって経済が回復すれば、今まで言ってきた自分たちのウソがばれると思っている人たち(財務省や多くのエコノミスト達)は、今必死になって安倍政権のやろうとしている経済政策の足をひっぱろうとしている。

マスコミ関係者はもっと勉強して、彼らに騙されないように頑張って欲しい。でも期待できないだろう。

おじいさん、この動画を見て少しは勉強して下さい(どうせ私のブログなど見てないだろうが)。30分くらいです。ちょっと難しい部分もありますが、その部分はまた自分で調べて下さい。

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