カーク船長の娯楽日記

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ハイパーインフレ!?

昨日のNHKのニュースを見てびっくり。

安倍晋三が「無制限の金融緩和」と「建設国債の日銀引き受け」を言うと、それに対する野田の反論が財務省の見解そのもので、でたらめすぎてびっくりした。NHKはそれを垂れ流すだけで、やはり財務省の言いなり放送局。

正しいデフレ対策である「国債を日銀が買う=お札を刷って予算に充てる」と言う話が出ると、かならず「そんなことをするとハイパーインフレになる」とか言うのであきれる。デフレの時にハイパーインフレの心配する!?

アメリカもユーロもデフレになりそうになったから、そんなこと普通にガンガンやっているのに。すでにデフレになっている日本だけは変な理屈をつけてやりたがらない。

野田が「日銀の独立性は昭和期のハイパーインフレの教訓をもとに確立された」と言っていたが、それはその通りなのかもしれないが、そこでよく考えないのが彼らしい。



日銀が独立性を高めたのは、正確に言うと、アメリカでも連邦中央銀行(FRB)は独立性を高めたことの真似をしただけなのだが、その理屈は以下のようなもの。

政府に通貨発行権を委ねると、放漫財政を維持するために通貨を乱発することで予算を組む傾向にあり、それをやるとインフレになる。だから政府の都合で通貨の発行をできにくくする必用がある。

そう考えて、つまりインフレ抑制策としてマネタリストと言う人々が考え出したことであるのは確かだ。

と言うことは、日銀の独立性とはインフレを抑制するための政策=人為的にデフレを引き起こす政策と言うことになるので、デフレの今はそれとは逆に、政府の都合でお札を刷ってばらまいて良いと言うことになる。

2008年のリーマンショックの後、日本のデフレが深刻化しようとしている時に、日銀には大胆な金融緩和が求められていた。その時にクルーグマンと言うノーベル経済学賞受賞の学者が日本やってきて、当時の与謝野金融大臣と対談していたのを思い出す。

与謝野は、日本が今まさに激しいデフレにみまわれようとしている時に、「我々はインフレだけはおこしてはいけない」と言う発言をして、クルーグマンをあきれさせていた。

クルーグマンは「それは、洪水の時に火事の心配をするようなものだ」と皮肉を言っていた。

ずぶ濡れの人が火傷を怖がってストーブに近づこうとしないようなものである。そんなことより、風邪ひく心配をしろ!と言う話である。

デフレはデフレギャップ(供給過剰で需要不足)のせいでおこる。デフレギャップがあるうちは、通貨発行で財政をやりくりしてもハイパーインフレになどならない。インフレ率が高くなってきたらやめれば良いだけの話だ。

インフレターゲットを導入している国は結構多いが、どこの国も簡単にやっている。日本だけができないと言うのはおかしい。変な意図があって言っているとしか思えない(日本のデフレで金儲けしている外資系金融機関のコンサルタントとか)。

今のアメリカはデフレではないが、リーマンショックで発生したデフレギャップがまだ残っている状態で、いつデフレになってもおかしくない。オバマは、このデフレギャップを金融緩和と財政出動で埋めようとしている。おかげで、デフレ突入だけは何とか避けられている状態である。

アメリカの中央銀行はリーマンショックの後に、ドルを印刷しまくって、何とドルの量を3倍に増やした。そうやって大量に印刷したドルでアメリカ国債を買いまくり、ドルをばらまきまくっている。

米政府の発行した国債の3割か6割か忘れたが、FRB(アメリカの日銀)は大量に国債を買い上げている。つまり、アメリカの予算の大半が、税収ではなく、ドル札を印刷する(もしくは最近なら電子決済する)ことでまかなわれている。

でもハイパーインフレなんかにはなっていない。

そもそもハイパーインフレとは1年で物価が130倍になるようなインフレのことで、モノやサービスが極端に不足している発展途上国でないとありえない現象である。

今の日本はそもそもモノが余っていてデフレになっているのだから、ハイパーインフレなどあり得ない。デフレである間はなおさらである。

リーマンショック後には、アメリカだけでなく、ユーロも通貨の量を2倍の量に増やした。ユーロがハイパーインフレになったか!?

ちなみに日本も金融緩和で円を増やしたが、たった1.3倍にしただけ。そりゃあ、円高になって当たり前である。

アメリカもユーロも中央銀行は、無制限に金融緩和をやり続けている。日銀だけ、小出しにアリバイ的にしかやっていない。

そんな状況なのに、たった6兆円の建設国債を日銀が買ったからと言って、どうしてハイパーインフレになるのか。どうしてこれが「最後の手段」になるのか!?

それどころか、買い取る額が少なすぎて、デフレ対策としての効果が弱すぎるから、日銀は赤字国債もたくさん買えと言うのが普通だろう。

いつまでも頭の中が80年代バブルでインフレのままの思考をする人間が多すぎる。デフレなのにインフレ抑制策ばかりやろうとする。

デフレとは常識が通用しない状態なので、常識の逆をやらなければならないのだが、マスコミがまったく理解していないので、まともに報道しようとしない。

日本のデフレは深刻で、普通の国がやっているように金融政策中心の景気対策では効果が弱いので、日銀引き受けの国債を発行してそれを財源に公共投資を大規模にやるようなニューディール政策が必用なのだ。

オバマはリーマンショックの後にそれをやって、アメリカが恐慌に突入するのを阻止した。

もちろん、デフレに突入するのは阻止できても、まだ経済が回復していないので、まだまだやり続けなければならない。

それを、ロムニーのように公共投資は借金を増やすだけで効果が無いと決めつけてやめてしまえば、アメリカも今の日本と同じようにデフレになっただろう。

デフレになれば税収が減るので、いつまでたっても財政は再建できないどころか、あせって増税や緊縮財政などやれば、余計にデフレが悪化して財政はさらに悪化する。

正直、私はアメリカがそうなって証明して欲しかったが、残念ながらロムニーは負けてしまったのでアメリカは救われてしまった。

アメリカ人にとっては良いかもしれないが、デフレ対策を理解していない日本人にデフレ発生のメカニズムを実証するチャンスが失われた点は残念である。

財政規律と言うことを声高に叫ぶ人がいるが、あれは、インフレの時に政府が過剰に財政出動するとインフレが悪化するからそれを抑制するためのものであって、単純に財政赤字が悪くて黒字にするのが良いと言う話ではない。

デフレの時に財政規律とか言うとデフレは悪化する。

そうやって経済の現状を無視して政策をやるからいつまでたっても景気も財政も回復しない。

解散してようやくデフレ脱却で日本がふたたび力を取り戻すと思ったが、マスコミがこの調子で報道するならどうも無理なようだ。

最新の世論調査でも、「デフレこそが日本の閉塞感の原因」であること気づいていない勢力、もしくは「間違ったデフレ脱却法」を掲げる勢力、などが伸びているようで、デフレ脱却に暗雲が立ちこめている。

デフレが解消されれば、景気も円高も財政も社会保障費の財源問題も、そして少子化問題さえも、そのかなりの部分が解決すると言うのに・・・
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Comment

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私みたいなしろうとが経済のことを語っても誰も信じないでしょうから、ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマンの権威に頼ることにします。

興味ある方は、クルーグマンのインタビュー記事をお読み下さい。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/994
間違いだらけの日本経済 考え方がダメ

特に後半部分
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/994?page=4
以降を読んでいただければわかるかと思います。

ちなみにこのインタビューは金融緩和の話ばかりですが、実際にはクルーグマンは金融政策だけではなく、財政出動の重要性も強く解いています。

金融政策だけで考えている人のほうが主流ですが、日本の場合はそれだけではもはや解決しないレベルのひどいデフレ(恐慌型のデフレ)に陥っていると言うことです。
2012年11月20日(Tue) 16:56
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又えらい所に噛み付いてますね~(笑)

今回の選挙は何の為にやるんでしょうか?
TPP・増税・領海・沖縄・復興・・・・?
15・6もの政党ができてもっともらしいことを言っていますが自分が生き残りたいだけの様な気がしてなりません。

全都道府県にAKB48とジャニーズを立候補させたら面白い結果が出るかもしれません。
誰がやっても同じと言う気がするのは私だけでしょうか?
2012年11月20日(Tue) 17:53
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あれ?おひさしぶりですねー。こんな記事にコメント下さるとはありがとうございます。

誰がやっても同じと思ってしまってはマスコミの思うつぼじゃないかと思いますが、いずれにせよ安定政権ができなければ何もできないでしょうから、その通りかもわかりません。

でも正しいことを言っている人はいると思いますよ。私が自信持って言えるのは、経済に関してだけですが。

領土問題も経済が強くなれば状況は良くなると思います。デフレ脱却のために一番まともなことを言っているところに任せるのが良いと言うのが私の意見です。

ただ、私自身はデフレでも別にたいして困りませんし、その政党を特に支持しているわけでもないですし、また、行っても無駄と思っているので選挙には行きませんが(爆)。
2012年11月20日(Tue) 18:03












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