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さっさと不況を終わらせろ

夏休みの読書として読んだこの本

さっさと不況を終わらせろさっさと不況を終わらせろ
(2012/07/20)
ポール・クルーグマン、Paul Krugman 他

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先日は拙い感想文を書いてしまったが、もっと良い書評を見つけたので、ここに転載しておくことにする。

クルーグマン教授の言いたい事を、私なりに超訳すると、、、
「不況で民間がお金を使わない時に、政府が緊縮したら、
一体だれがお金を使うんだ??」ということに尽きます。

確かに、景気が悪くて投資してもまともなリターンが期待できないのであれば、無理して投資するより、投資を見送って貯蓄しておいた方がいいでしょう。

ところが、不況によってお金を溜め込めばますます不況になるという悪循環が始まります。
なぜなら、経済においては誰かがお金を使うと、それは誰かの収入になるからです。

そして、誰もお金を使わなくなると、誰も収入を得られなくなるのです。
そんなとき、唯一リスクを取ってたくさんのお金を使えるのは政府と中央銀行だけです。

ところが、日本政府のように緊縮財政や増税に一生懸命になっていたら、不況はますます悪化します。
もちろん、日銀のように、政府の財政支出を金融引き締めで妨害するようなことは言語道断です。

では、なぜ、政府は国民を貧しくし、国を滅ぼすこんな愚かな政策を採り続けるのか?

クルーグマン教授は、政府や中央銀行は振り上げた拳を下ろせないと指摘しています。

つまり、政策当局や御用学者たちは緊縮財政や増税が望ましいと言い続けたにもかかわらず、ここでそれを撤回するとそれまでの自分の主張が全部無駄になってしまうということです。

彼らはそれを一生かけて「研究」してしまった事が、とんだ見込み違いの無駄足だったと認めたくないだけなのです。

先日、テレビタックルの収録でも「お金を刷って、借りて、使え!」という話をしましたが、クルーグマン教授がこの本のなかで批判していた「経済を倫理で語る人」がやはりムキになって反論してきました。

なぜ、そこでキレるのかというポイントがぜんぜん分からなかったのですが、要するにテレビで「バラマキは悪!!」などとしたり顔でコメントしてきてしまった以上、今さら自説を曲げられないというそれだけだったんですね!



ある人に言われた話。

経済のことを知るために日本経済新聞を読むのは結構だが、それだけでは永久に経済は理解できない。日本経済新聞に書いてあることのどこが間違っているかがわかってはじめて、少しだけ経済がわかったことになる。


日本経済新聞を疑いもせずに読んでいる限り、経済のことはいつまでたってもわからないそうだ。

ちなみに、私が何故経済のことに関心があるかと言うと、巨額のローンで大きな買い物をすることを考えた時期があったからでもある。

ただ、もう買うのをやめてしまったからどうでも良いが。

その過程で面白いことを感じた。

売ろうとする側は、今はものすごい金利が低いことを強調してくる。しかも、この10年以上もの間、ずっと金利がものすごい低いから、今後も低いままだろうと言う。実はこれは「日本の財政破綻は無い」と言っているのにほぼ等しい。

住宅ローンの金利などは、長期国債の金利をもとに決められているので、ようするにこの10年以上もの間、10年ものの日本国債の金利がすごく低かったと言うことをしめしている。

そして、ローンの金利もしばらくこのまま上がらないだろうと言うことは、国債の金利も上がらないだろうと言っているのとほぼ同じ。また、しばらく誰も金を借りようとしない(=不況が続く)と言っているのともほぼ同じである。

金利の低さ、これは日本国債が破綻からはほど遠いことを示す1つの指標でもある。ヨーロッパを見れば明らかなように、破綻に近づくと金利が上昇するが、日本国債の金利は世界一低かった(最近はスイスに抜かれて二番目)。

つまり、金利から判断すると当面日本国債の暴落や破綻はありえない。日本国債は世界で二番目に安全で破綻しにくいと言うことになる。

破綻のもう一つの指標はインフレ率である。インフレ率が高いほど、紙幣を発行する余地が無いので、中央銀行による貨幣供給で国債の償還などをファイナスすることができなくなる。だから、インフレ率が高いほど危険なのである。

ところが日本はデフレである。少々のお金を刷ってもインフレにはならない。むしろお札を刷った方が良い。だから、日銀がお札を刷って国債を買い上げる(借金をチャラにする)余地がかなりあると言うことである。

だから、金利の低さとデフレであると言う二点からも、日本が財政破綻する気配などまったく無いことは明らかである。

ちなみに、国債の金額が何百兆円とか、GDPの何倍だからと言うのは、破綻とは関係無い。GDPより少なくて破綻した国もあれば、日本のように2.5倍で未だに破綻の気配すら無い国もある。

ところが、経済の専門家と称する人たちは、今は金利が低いが突然金融機関が国債を投げ売りして金利が急上昇して一気にパニックになるとか言う。そういう極端なことばかり言う。

どういうメカニズムでそうなるかは一切説明せずに。そうやって海外に投資させて金儲けしようとしている人もいるらしいが。

しかし少し考えてみれば、これだけデフレで資金需要がなくて銀行も融資先が無いからありがたく国債を買っていると言うのに、それが何故突然投げ売りすることになるのか。

先日など、日銀が国債を買い上げるから売って下さいと言っても予定の額も買えなかった(札割れ)。みんな国債を手放そうとしないと言うことで、投げ売りとは逆のことがおこっているのに。

また、格付け機関で日本国債の格付けが下げられても何の影響も出ないどころか、あわてて売りに出されたぶんがあっても、あっと言う間に買われて何の影響も出ていない。

もし国債が多く売られるようになるとすれば、それは景気がよくなって資金需要が高まった時だろう。でも、そうなれば、景気が回復して税収も増えているから税収増で償還できるだろうし、それだけできつかったら、日銀が買い上げれば良いだけの話だ。

この10年もの間、日本国債は暴落するとか破綻するとか言い続けて、まったくその兆候すらあらわれないので、彼らの言ってきたことがウソばかりだともう明白なのだが、自分で認めてしまうと自我が崩壊するからか仕事が無くなるからか、決して認めようとしない。

これだけ巨額の国債を発行して、逆にどうしてまだ破綻していないのかと言う発想で考えてみようとしない、頭の硬直した人たちなのではないかと思う。
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