カーク船長の娯楽日記

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合成の誤謬

世の中のことを理解しようと思ったら、小さな視点(ミクロ)からではなく、巨視的(マクロ)に見なければならない。

「合成の誤謬」と言う面白い概念がある。

「何かの問題解決にあたり、一人ひとりが正しいとされる行動をとったとしても、全員が同じ行動を実行した事で想定と逆に思わぬ悪い結果を招いてしまう事例などを指す。」

たとえば、健康増進のために、酒飲みの人すべてがお酒を飲む量を半分に減らしたとする。するとどうなるか。

個人個人は健康になるかもしれないが、その結果として酒類の消費は落ち込み、酒屋はばたばたと潰れて失業や倒産、その結果の自殺や一家離散などと言うことにつながるかもしれない。

お酒を減らした人は健康になっても、全体で見ると自殺者が増えるかもしれない。

また、貯蓄と言うこともミクロ的には正しい行動である。

家計や企業がお金を貯め込むとどうなるか。

お金は、使う人がいるから所得を得る人がいるわけで、みんな貯蓄してお金を使わなくなると、国民全体の所得が減ってしまうのである。

デフレと言うのはそういう状態である。

お金を使わず持っている→所得が減る→当然、税収も減る→国の財政悪化→政府もお金を使わない→さらに国民の所得が減る→さらに政府は財政悪化

こんなデフレの時には、政府は赤字が増えるから、気持ちとして歳出削減をして消費税増税したくなるのはわかるが、マクロ的に見るとこれも逆に悪い結果になる。

当たり前だが、政府が節約したり増税すれば、そのぶん国民や企業の所得や利益が減ることになるから、消費や投資が抑制され、デフレは悪化し、さらに政府は税収が減って財政悪化と言う悪循環にはまる。

収入が足りないから支出を削って増税みたいに、国の財政を家計簿にたとえてミクロの発想で考えるのがそもそも間違いなのである。

デフレと言うのは、物価が下がり、お金の価値が上がることである。

だから、通貨の量を増やせばお金の価値が下がってデフレから脱却できる。

日本政府は日銀に通貨を発行させることができる。

国債を発行しても、日銀が買い上げれば、事実上借金は増えない。

また、日本政府はアメリカの国債を600兆円くらい持っていると言われている。

そのうち、100兆円は外貨準備としていつも持っている。

この100兆円ぶんの米国債を日銀に移して、かわりに100兆円の日本円を日本政府の口座に移せば、それだけで100兆円の資金ができる。

日本政府から日銀へ移動するだけだから、米国債も暴落したりはしないだろう。

これだと、「国の借金」は1円も増えない。この金を使って震災復興とデフレ対策をやれば良い。

そうしてデフレから脱却して経済成長すれば、消費税増税などしなくても財政再建できるだろう。名目GDPがのびれば税収が増えることは自明である。いや、むしろ、それしか方法は無い。

デフレ下で消費税を増税などすれば、デフレを促進して経済成長はさらにマイナスとなり税収は減るから、かえって財政を悪化させるだけ、やめたほうが良い。

でも、歴史を振り返ると、昭和恐慌の時の日本や、世界恐慌の時のアメリカのように、デフレ→財政悪化→増税・緊縮財政→さらに財政悪化・・・と、同じ事のくりかえしみたいだから、やっぱり今回も増税して大恐慌になって、それからようやく気づいて、でも手遅れと言うパターンなのかもしれない。
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