カーク船長の娯楽日記

周回軌道上から地球を眺めつつしたためた恒星日誌
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遠心力

このところ、遠心力と言う言葉をたまに耳にする。

国会がまとまらない状態を例えて「遠心力が働いている」などと(例えばこんな使われ方)、ようするに、バラバラに離れるような力が働いている例えである。

たぶん、まとまる方向に働く力は「向心力(=求心力)」と言う物理用語が使われるので、その反対の力と言うことで「遠心力」が使われるのだろう。

確かに、求心力と遠心力は反対向きの力である。

この例えならば、たぶん私にも遠心力が作用していると思われる。自分で決めたことなのでしょうがないとあきらめている。人生、時にあきらめるのも有効である。

人に説明してもわかってもらえないのですべて自分の胸中の話であるが、まともな大人ならそういう事の一つ二つあって当然だろう。

と、今日はそんな大げさな話ではなく、実は「人の集まりがバラバラになるような力」の例えとして「遠心力」という言葉を使うのは、2つの点で間違っている。それを言いたいのである。

1つ、例えば地球は太陽のまわりをまわっている。その時に地球には回転運動にともなう遠心力が働いているが、太陽と地球は離れることは無い。

物理を勉強していなくてもわかることだが、遠心力が働いているからと言って2つの物体が離れるわけでは無いのである。

一定の遠心力で互いに一定の距離を保ってつかず離れずの運動をするのである。だから、バラバラになる例えとして「遠心力が働いている」と言うのはおかしい。

太陽系の惑星は一定の秩序を保って太陽のまわりをまわっている。すべての惑星に遠心力が働いているが、惑星がバラバラになることは無い。

これが1つ。これは、物理学を勉強していないレベルでの話である。

もう1つは、ちゃんとした物理学の話としておかしいと言うことも言いたい。

こちらは物理を習っていないとわからないかもしれないが、そもそも遠心力とは回転運動をする系において観測される慣性力の一種で、見かけの力にすぎないのである。外の系から見れば、遠心力と言う力が存在しているわけではない。

wikipediaの説明は以下の通り。

円運動のある時点での接線方向に働く慣性力と円軌道との差異が回転の中心から見て外側へと向かう方向に力が加えられているように見え、遠心力という力が働いているように感じる。実際には円運動をする物体に遠心力と言う力は働いておらず、慣性力とその向きを常に変え続けようとする向心力が働いている。


110702circle.gif

と言うことで、実際に働いているのは外向きの遠心力ではなく、内向きの向心力なのであり、だから2つの物体(太陽と地球、地球と月など)は離れず円運動を続けるのである。

いや、だからどうした、と言われればそれまでの話なのだが・・・

人間同士の関係に例えると、この遠心力が働いているように見える状態と言うのが理想的ではないかと思う。つかず離れずである。

遠心力にしろ求心力にしろ、2つの物体の間に働く力のことであり、いずれも互いが引き合う力である。

引き合う力が強くなればどうなるか。物体は接近しすぎて衝突する。そうなるほうがむしろ大変で、あまり引き合わないほうが良いのである。
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