カーク船長の娯楽日記

周回軌道上から地球を眺めつつしたためた恒星日誌
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不思議だらけ

人生、40年以上も生きてくると、不思議な、というか理屈では納得できないことに多くぶちあたる。

私にとって一番大きな謎は、どうして間違っていることを大多数の人が信じてしまうのか、と言うことである。

結論から言えば、どの分野のどの本を読んでも、結局はマスコミの問題ということのようだが・・・

第1の原因はマスコミだとしても、この現象と言うか、デマが蔓延する理由とそのメカニズムというのは、それなりの研究テーマになっていることもあるようだ。

政治に関しては結論がわかりにくいしイデオロギーとのからみもあって一筋縄では行かないので、テーマを科学にしぼって考えると少し話がしやすい。

例えば、血液型性格診断・・・これはニセ科学の一種で、控えめに言っても、科学的根拠は無い、ABO式血液型によって統計的に意味があるほど性格に差がないことはほぼ証明されているにもかかわらず、多くの人が、程度に差はあるものの、どこか信じている。

ちなみに、心理学の分野では、血液型性格診断が立派な研究テーマになっているらしい。

この占いは人とのコミュニケーションを取る道具として便利ということもあって蔓延していると思われる。心理学者の研究によると、この占いを信じる傾向が強い人ほど、社交的な人が多いという研究もあるらしい。みんなが信じていることをいちいち疑ってかかるのは、私みたいにKYなタイプの人間ということのようである(笑)。

この他にも、心理学で血液型が研究テーマにされるのは、「血液型と性格に関連があるかどうか」ではなく、「血液型性格診断という間違いをどうして多くの人々が信じているのか」ということになっているらしい。上の研究もその一環である。

もちろん、多くの人が信じていると言っても、世界的に見れば、この占いを信じているのは日本人と韓国人くらいのようだが、それも当然で、日本と韓国は、4つの血液型の分布がわりと均一に近い。


A型、B型、0型、AB型の割合がそれなりにバラけているから占いが成り立つという背景もある。アジア以外の国ではB型とAB型の割合が少なすぎて占いがやりにくい。

アメリカ先住民などほとんどO型だし、ペルー人など100%がO型らしいので、そういう国というか人の集団では、そもそも占いが成り立たない。


その他、多くの人が信じているが間違っているものとして、調べてみると色々あって面白い。

最近読んだ本で、比較的はっきり結論が出ているものとして以下のものが書かれていた。

サブリミナル効果
モーツアルト効果
脳トレ
自己啓発

最後の「自己啓発」はちょっとわかりにくいが、何かをすることによって自分の潜在能力が引き出される・・・とか言うたぐいのものである。

じつは、この4つはすべて人間の脳とかかわった話である。これらが信じられるようになった背景には、脳に関する共通の誤解があるのではないかと思われる。

その誤解とは「人間の脳は10%しか使われていない」というものである。誰もがどこかで聞いたことありそうなフレーズである。

人間の脳はほとんど使われていない、だから何らかの方法でトレーニングをすれば、潜在能力が引き出されてすごいパワーが現れるのではないか・・・

ついついそう考えてしまいたくなる。私もそんなことを思っていた昔もあった。

しかし、そもそも「人間の脳は10%しか使われていない」という説は大ウソである。人間の脳はほとんど使われている。間違った前提からものを言っても無意味である。

脳細胞には神経細胞(ニューロン)とグリア細胞と2種類ある。昔は、このグリア細胞が「使われていない細胞」と誤解されていたようである。

wikipediaより
「人間は脳の1割ほどしか有効に使っていない」という俗説があるが、これはグリア細胞の機能がよくわかっていなかった時代に、働いている細胞は神経細胞だけという思い込みから広まったものと言われる。最近では脳の大部分は有効的に活用されており、脳の一部分が破損など何らかの機能的障害となる要因が発生した場合にあまり使われてない部分は代替的または補助的に活用されている可能性があると考えられている。



もちろん、100%が使われている訳ではないが、あまり使われていない部分も、何かあった時のバックアップ用というくらいである。

ちなみに、グリア細胞というのは神経細胞を保護したり栄養を出したり脳の中を掃除したりするような働きをしている。この細胞も脳の中で立派に仕事している。

上に上げた4つの項目のうち、サブリミナル効果についてはまだ完全に否定できるかどうか私にはわからないが、他の3つはほぼ否定されたと言って良いように思う。

モーツアルト効果とはモーツアルトを聴くと頭が良くなるという話で、これは最初の実験だけ大きく取り上げられたが、その後は綿密に調査され。多くの追試から否定されている。

脳トレも、あれで鍛えられるのは脳トレのゲームの能力だけであり、あれをやったからボケの予防になるような事は無いようだ。

でも脳トレを開発した学者は、あれがボケ防止になるとか、あれで脳が鍛えられるとまでは言っていない。売る側やメディアが勝手に拡大解釈して話をふくらませて商売しているだけの話である。

やはり、現代の多くの問題はメディアの問題と言えそうだ。
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