どこかのHPかブログかで、ラングイで釣れたサバの中には、マサバかゴマサバか区別が微妙なものが混じっており(これは私も経験ずみ)、それをマサバとゴマサバの「あいのこ」であると言っている人がいるとか。
ちなみに、上がゴマサバで下がマサバ。
体の横の斑点だけでなく、背中の模様も若干異なっている。ただ、体の横の斑点には個体差が大きいらしく、より正確に区別するには、第1背びれの長さを使うらしいが、この方法はかなりややこしい・・・(
こちら参照)。
それはともかく、マサバとゴマサバのあいのこがいるなんて、ホンマカイナ!?と思ったが、そもそもマサバとゴマサバは交配可能なのだろうか?もし交配可能(つまりマサバとゴマサバの精子と卵子が受精して子が生まれる)だとしたら、本当にあるかもしれない。
で、ちょっと調べてみたところ、マサバとゴマサバの雑種(=あいのこ)は希に見られるそうである。
農林水産省のHP(リンク切れ)より
日本沿海で多く漁獲されるサバ類には、マサバとゴマサバがおり、マサバはゴマサバ比べると、やや北に分布する傾向があります。一方、ゴマサバは暖水性・沖合性が強いといわれていますが、これらが同じ海域で漁獲されることもしばしばあるようです。報告によると、マサバとゴマサバは同属であり、希に交雑した個体があるとのことです(研究紹介「マサバのようなゴマサバ」、中央水研ニュース No.38、平成17年10月)。
で、この研究を紹介している中央水研ニュース No.38、平成17年10月の「マサバのようなゴマサバ」を調べてみると、ネット上で見ることができて(
こちら)、その内容によれば、
マサバとゴマサバが交配できることは昔から知られていたということが書いてあった。
さらに面白かったのは、
マサバとゴマサバのあいのこ(雑種第一代)には生殖能力が無いらしい。ウマとロバは交配可能で、あいのこをラバと言うが、ラバに生殖能力が無い(子ができない)のと同じようである。
話をもどして、マサバとゴマサバがもし同じ場所で産卵したとすれば、あいのこが生まれていても不思議ではない。また、あいのこは子孫を残せないので、あいのこばかりが増えるということもあまり無いようである。
これがマサバとゴマサバの雑種と思われる個体。
私がラングイで釣ったまぎらわしいやつとはちょっと違う。私の釣ったのは背中の模様がゴマサバのものだったので、あれはちょっとマサバに似ているだけのゴマサバであり、雑種ではなかったと思われる。
中紀あたりのアジ釣りで混じって釣れているものの中には、これによく似たのが混じっているかもしれない。船宿のHPの写真でこれと似たようなのを見た記憶がある。
しかし、ゴマサバも、生きている時には斑点が無くても、死んだらくっきり出るものもあるので、区別が難しいものがいるのもまた事実である。
遺伝子を調べて区別するキットが売っているらしいが・・・
そう言えば、ブリとヒラマサも交配可能で、あいのこはブリヒラとして知られている。これは生殖能力があるのだろうか?
それから、カンパチとヒラマサのあいのこのカンヒラというのもできるそうで、養殖されつつあるようだ。こちらも生殖能力はあるのか無いのか、興味あるが、ネットで調べてもわからなかった。
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