カーク船長の娯楽日記

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デマが蔓延する理由

世の中に多く見受けられる言説・・・ほとんどがマスコミを通じて広く一般にまで知られているようなことだが、それらに関していかに間違ったものが多いか・・・

自分の専門やそれに近いもの、多少遠くてもある程度詳しいものなどに関してならば、誰しも世の中に大量に出回っている情報には、少なからぬデマというか不正確な言説がはびこっていることは既知かもしれない。

ぱっと考えてみても、健康情報や食品その他に関する言説に関してもデマが多いことがすぐに思い当たる。

政治の世界もデマに支配されていると思うが、そこは私はあまりに専門から遠いので、自信を持ってまで主張する気はないが、しかし、世間にデマが広まるメカニズムは同じだろうと思っている。

それは、マスコミがかかえる問題と言ってさしつかえないと思う。

マスコミというのは情報を売る商売であるということを忘れてはいけない。特にテレビはほとんど金も払わずに情報を得ることができるので、テレビ番組が情報を売って商売をしているということを忘れがちである。

情報を売る上で重要になってくるのが「わかりやすさ」、「面白さ」ということだろう。

まず、この2つの要素によってデマが広まって行く。

物事の真偽というのは、それなりのデータや知識とそれなりの論理的思考能力がなければわからないものであって、それを誰にでもわかるように説明することには限界がある。

しかし、ともかくわかりやすく説明しなければ情報の商品価値が下がるのである。

そこでは、事実からかけはなれた単純化が行われ、正確さは二の次になってしまう。

面白さも同じである。物事の重要性や、場合によっては真実かどうかよりも、面白いかどうかということのほうが売れる情報である。

従って、どうでも良い情報、真偽のあやしい情報が蔓延して行く。

ただ、マスコミは商売で成り立っているとは言え、それだけではなく重要な使命というか社会的な役割がある存在である。マスコミ関係者もそのことはよくわかっていて、高い意識を抱いている者も少なくない。

ところが、その高い意識が逆に偽善を生む。

やたらと「社会に警鐘をならす」ことばかり考えたり、ひたすら「庶民の感覚」をもてはやすのである。

社会に警鐘をならしたいという使命感から、やたらと危機や危険をあおりたてる。ありとあらゆる危機を未然に防がねば気が済まないようだが、危険かどうかを判断する根拠ははほとんど感情論や庶民感覚のレベルである。。

マスコミがもてはやす庶民感覚、これってそんなに素晴らしいものだろうか?庶民感覚で何でも決めて良いものだろうか?なら専門家など不要だろう。

しかし、政治に関しては「国民の目線」などというものが手放しに礼賛されている。政治や経済に関して特別な見識を持つ一般国民が果たしてどれだけいるものかどうかはまるっきり不問のまま。

まあ、政治に関しては国民の生活にかかわるものだから、一般国民の意見を無視して良いと言っているわけではないし別の話なのかもしれない。

話を科学とかかわりのあるものに限定してみればよりはっきりするが、マスコミ関係者の大多数は、人々の生活とかかわる情報を報道する場合でも、科学的に調べたり考えたりするのではなく、なんとなしの庶民感覚で判断しているということである。

そのレベルの検証でもって、正義感だけは人一倍強い人もいるが、それがあだとなって、やたら社会に警鐘をならしたがる病気にとりつかれる。そこでセットになっている感覚は、判官贔屓に近いような、ようするに、政府や大企業のやろうとしていることはすべて庶民からの搾取や庶民の弾圧が目的と決めつけがちな歪んだ正義感である。

脳科学、環境ホルモン、電磁波、マイナスイオン、ダイオキシン、遺伝子組み換え食品、食品添加物、その他さまざまな食品その他の健康などなど、こういうものに関する言説でマスコミを通じて世間にひろまっているものは、間違いだらけというか、かなり多くの情報が不正確に伝わっている、明らかなデマも多い、と言って差し支え無いようである。

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これらによると、美味しんぼに書かれていた化学調味料の話などウソだらけということのようだ(これらの本で美味しんぼが直接批判されている訳ではない)。

ただ、こういうことがわかっても、世間一般の人はマスコミの言うことを信じている。こっちが、それはデマだと言ってみたところで、「あんたの言っていることは新聞やテレビと違うね」と言われて無視もしくはこっちがおかしな人扱いでおしまいである。

庶民感覚や国民目線を批判すれば、こっちが嫌われて孤立するだけである。だから誰も本当のことを言えない。

科学に限らず政治や経済に関してもデマが蔓延して、それにもとづいて政治が動いているわけだから、世の中良くなるはずがないのである。

みんなが期待している人たちほどダメな人たちなのである。そして逆に、あまり注目されていないか期待されていないような人たちの中にこそ、世の中を良くしてくれる人がいるのである。
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