カーク船長の娯楽日記

周回軌道上から地球を眺めつつしたためた恒星日誌
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つばき杯、優勝しちゃってごめんなさい

2008年5月24日(土)光栄丸 つばき杯
港@五ヶ所〜中潮
満潮〜6:58、21:12  干潮〜1:35、14:06
日出〜4:45 日入〜18:55
天気〜曇りのち小雨、気温はちょうど良い
潮色〜やや濁り

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用意したエサ〜偽あにじるしアマエビ・ササミ、魚かしエビ団子、エビ団子の素、生ミック、オキアミ、小イワシ、小イカ、サヨリ、カツオ、シラサ半分、アオイソメ1パイ、ボケ10匹。



さて、今回は、つばき屋さんの5周年記念ということで、経営者のカトキチさんが主催されて大会が行われた。

それにしても、時の経つのは早いものだ。釣り堀に通い出して今年で7年目になるが、つばき屋ができてからもう5年が経ったということである。その間に色々なことがあった。まさに、諸行無常である。

このところ、色々と考えすぎる悪い癖のためなどあり、あまり気分が盛り上がっていなかった。

釣りというのは、現場でよりもむしろその準備のほうが楽しいというのが以前まで思っていたことだったが、最近は釣り堀に行く前に昔みたいなワクワク感がなく、逆に腰が重いほどである。どうしてだろうか。

ところが、実際に現場に行ってみて、アタリが出ると楽しくて夢中で釣ってしまう。釣り堀に関しては現場が楽しい。というか、釣りがやっぱり好きなのかもしれない。というか、目先の作業に没頭する、というのが私の性格に向いているのだろう。そのぶん、人とのコミュニケーションは下手である。

さて、今回大会の行われる光栄丸ははじめてなので、勝手がわからないことが多くて、どうしようかと思っていた。

そこで思い切ってカトキチさんに電話して、光栄丸の段取りや特徴などをいろいろ聞いてみると、とても丁寧に色々と説明してくださり、それを聞いているうちに、気持も少しずつ頑張ろうかと思うように変わって、徐々に盛り上がっていった。

カトキチさんによると、「船長が優勝したら困るから、優勝賞品を7位のと変えておいた」などと言っていただき、どう考えてもいらぬ心配、面白い冗談だなあと思って聞いていた。どうして私が優勝などするものかと、自分ではそんな自信もそんな気も毛頭なかったのだが・・・

前の日には、今回は自分よりもYUKAにたくさん釣ってもらうつもりだと書いたが、YUKAは5〜6匹も釣れれば大満足であり、これ以上たくさん釣っても疲れるだけだそうな。

後は魚を待っている人たちに配るためにも、私にたくさん釣って欲しいということだったので、途中から方針転換して、頑張って釣ることにしたのだ。そしたら偶然にも「優勝」という結果になってしまった・・・。みなさん、ごめんなさい。

さて、言い訳?のような冗談のような、どうでも良い話はこれくらいにして、釣りの内容について書こうと思う。



私たちは、よしじいさんファミリー?というか、よしじいさんご夫妻と同年代の方々ばかりのイカダに乗せていただくことになっていた。雨かもしれないということでの敬老精神的な配慮か、結果的にテントの二つあるイカダに我々も乗せていただけることになり、ありがたかった。

お達者くらぶ的なほのぼのとした雰囲気の中、ひたすら黙々と石鯛を狙うよしじいさんと、竿を右へ左へ私の隣へとアグレッシブに攻めまくる博子姫、それとは対照的に、のんびりほのぼのYさんご夫妻とOさんご夫妻など、見ていて面白かった。

YUKAはOさんの奥さんとえらく気があったようで、結構お話したりしたようだ。

さて、私らは光栄丸ははじめてである。聞くところによると、通常は日の出とともに出船、終了は午後3時というおどろくべき釣り時間の長さらしいが、今回は大会ということで、私らの1番イカダは5時出船、12時半終了であった(雨が降ったため実際には早まって12時終了)。

これだけでも7時間釣りをしていたので、もう十分である。

さて、朝一、我々1番イカダのメンバーは5時に出船。

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お達者くらぶ!

イカダに渡していただき、私らは釣りの準備を、smileさんは撮影の準備をはじめる。今回はsmileさんが写真屋さんとしてみんなの写真を撮ってくださるという特典付きの大会なのだ。だから雨だとややこしかったが、天気がほぼ持ってくれて本当にありがたかった。最後はちょっと雨風が一瞬出たが、ヨッシーさんが挨拶だけして存在をアピールしていった感じ。

さて、イカダの釣り座は、代表の5人がジャンケン、私は負けまくってラスト2だった。南側から釣り座が埋まってゆき、北側半分が空いていたので、北東角をYUKAとはさむ形で入ることにした。そして、雨が降ってきた時のために、YUKAにはテント下に入って貰った。

角をはさんで二人だとちょっとやりにくいが、我々がこういう入り方をしなければOさんご夫妻がバラバラになるか、人の間隔が偏ってしまうかだから、これで良かっただろう。

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光栄丸さんでは二本竿でもオッケーということで、今回は各イカダごとに釣りのやりかたは自由とのことだったが、私らのイカダでは特に誰も何も言い出すことなく、全員が1本竿スタイルでずっと釣りをしていた。たぶん1番イカダの活性が高かった理由の一つではないかと思う。

魚というのは思ったよりエサをしっかり認識していることが多い。太い道糸などもたぶん気づいていて、泳ぐ上での障害と感じていることだろう。

魚が食い気の無い時間に、エサが大量にぶらさがっている状態、道糸がイカダ内に張り巡らされている状態というのは、食う気の無い魚にとってはかなりのプレッシャーやストレスになるだろうと思うし警戒心も増すだろう。

イカダに乗り合わせる人数が少ないほどたくさん釣れる傾向というのも、単に分配率だけの問題ではないと私は思っている。竿の本数の違いで魚に与えるプレッシャーが違うのだろうと思う。

なので、イカダに出ている竿の本数は少ないほど良いというのが私の理論なのだが、この理論は果たして正しいかどうか、まだ実証はされていない。

ちなみに、1番イカダは前日に網を上げて掃除をしたらしいが、これも好調の理由かもしれない。しかしたしか2番イカダも掃除はしたそうだし、掃除しても逆に釣れなくなる場合があるくらいなので、掃除の効果についてはよくわからない。実際の活性は、もっと多くの要素がからんだ複合的な要因で決まるのだろうから。

さて、スタートは用意ドンということだったが、皆さん用意が早い!私だけまだ準備できていなかったが、お待たせしては申し訳ないので、とりあえずYUKAの用意だ終わったところで、はじめていただくことにした。

すると、何と、みんなが一斉にマダイを釣り始めた。smileさんも撮影が忙しくなってきた。

私は思わぬ朝一の活性の高さに驚きあわてて、準備がすぐできる青物仕掛けでとりあえず竿を入れておいて、あとはイカダ竿を用意する。

そのうち、YUKAも快調に釣り始めた。

気が付くと、イカダの上でまだ釣っていないのは、私とよしじいだけである。smileさんに撮っていただくために、何とか1匹釣ろうと思ったが、なかなか釣れない。

ようやく釣れたと思ったらOさんとダブルヒットでsmileさんはOさんのほうの撮影へ・・・

残念ながら朝一には釣っているところを撮っていただけなかったが、その後もsmileさんはマメに回ってきてくださり、あとで大ダイを釣っているところを撮影していただいた。

さて、朝一は、みなさん快調で、全員がマダイを2〜3匹ずつ均等に釣り上げた。YUKAもマダイを3匹ゲット、私は一足遅れてどうにか2匹目(大ダイ)をゲットできた。

その後も、ポツリポツリと活性が続き、細かく探ってゆくとアタリが出つづけている。まだ放流前というのに、ずいぶんと良い感じであった。

たしかこれも放流前だったと思うのだが、よしじいさんがイシダイを狙ってしとめられた。よしじいさんの足元あたりには朝から大量のグレが湧いており、どうもその下にイシダイもいるようだ。よしじいさんが、何匹か釣られた。さすがである。

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プロのお仕事!
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ちなみに、私の釣り方というか行動パターンがよしじいさんに似ているような気がした。人間的に似たタイプ?と言ったら怒られるかもしれないが、博子姫の話によるとガンコということだし、でも私と同じくKさんにボロカスに言われてもそれを謙虚に受け止めている、釣りのスタイルも釣りに没頭する感じである。どれも私と共通している気がする。

ちなみに今回、よしじいさんは魚がかかると竿を伸ばしていたので、てっきり自作のズーム竿を使っているのかと思ったら、ズームでも何でもなく、単に普通に竿を縮めているだけだった!しかも、トップガイドが飛んだ状態の竿だった。こういう大胆なところも似ている!?竿やリールを「消耗品」としか捉えていないあたりも多少だが似た雰囲気がある。

さて、そんな話は置いて、私もアオイソメをつけてウキ釣りでタナを4mくらいにして若干よしじいさん寄りにウキを流してみたが、イシダイは釣れなかった。

その後しばらくして、イカダ竿でアオイソメをつけて足下を狙うと、仕掛け3mくらいから下に落ちて行かない。糸のたるみを取ると、なんと食っていた。そして、やたら走る。一瞬、大ダイかなあと思ったが、イシダイだった。

少々手間取ったがどうにか上げることができた。針を飲み込んでいた。よく切れずに上がってくれたものだ。奇跡に近い。

その後も着実にイシダイをしとめつづけるよしじい師匠。そのうち、だんだんとイシダイもスイッチが入ったようで、イカダの中央付近に浮き始めた。

そこで私もウキ釣りにしてタナを2mくらいと極浅くすると、浮きが沈んだ。そしてかけた!と思ったらシマアジだった。

まあでも、これはうれしい誤算である。

引き続き、アオイソメをつけてイカダ中央付近を狙うと・・・またすぐに浮きが沈んだ。そしてあわせるとばっちりかかって、イシダイが見えた!と思ったらすぐにはずれた(涙)。これを2回くりかえしてしまったら、さすがのイシダイも釣れなくなってしまった・・・ガビーン。

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さて、8時頃だったか、最初の放流、ここの釣り堀も放流は2回らしいが、2回とも、青物と小物がごちゃまぜだった。

とりあえず私もYUKAも青物狙いにしてみた。YUKAのほうはカンパチ狙いで生きアジをつけて投入。

私は冷凍カタクチイワシを入れてみたら、すぐに竿先が入りこんで、青物かと思ったら、ツバスが釣れた。

同じくもう1回カタクチイワシを投入すると、これまたすぐにアタリがあり、しかし、空振り!

イワシでアタリが出なくなったので、今度は小イカを入れてみたら、これまたすぐにアタリがあって穂先が入り、またまたツバスをゲット。

次にまた小イカを入れてみたら、またすぐにアタリがあり、しかし今度は空振りであった・・・。以上、1回目の放流後の青物は終了。

YUKAには青物狙いをやめて、マダイ狙いにするようにアドバイスしてみたら、すぐにマダイが釣れだして、タモ入れサポート。

ここからは、イカダでもマダイがポツリポツリと釣れ続いた。

朝一の活性に引き続き、放流後もきっちり活性があがって、なんか釣り堀らしい感じだった。

YUKAもずいぶんと自分でできるようになってきたので、私も腰を落ち着けて、足元をイカダ竿で探ってみることにした。

すると、ボケで大ダイが釣れた。大ダイ2匹目!

その後もイカダ竿で順調にアタリが出て、エビ団子を中心に当たる。バラしも無く、快調であった。

ふと見ると、YUKAもマダイを6匹ほど釣って、もう満足とか言い出している。うーむ。欲がない。

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マダイ6匹釣って、もう満足!だそうです。でもこの後、カンパチ2匹をゲット!!!

ということなので、もう自分が普通に釣りに専念することにした。って、ここまでも自分の釣りにほぼ専念していたが(爆)。

さて、10時すぎくらいに2回目の放流。よく見ていなかったが、また青物と小物がミックスで放流されたように思う(青物が多め?)。

すると、これまた放流後の典型的な青物入れ食い状態となった。

私はカツオのはらわたをチョイス、YUKAは生きアジ。残念ながら私のカツオははずれた。しばらくして、Yさんか誰かが青物をヒット。YUKAとオマツリしたかと思ったが、別だった。

そしてYUKAもカンパチとやりとり開始。少々強引にタモ入れしたらどうにか入ってくれて一安心。

その後、誰かが何匹か釣った後か忘れたが、私も生きアジにしてみたら、ワラサがヒットして、無事ゲット。

その後、よしじいさんがワラサとやりとりしている最中に、海面ギリギリの私の生きアジをワラサが追いかけ回していたので、よしじいさんがタモ入れしかかったのを見て、浮いている青物の目の前に生きアジを持っていったら、その瞬間に食いついた。そしてゲット!

ごく短時間だったが、ほぼ全員が1〜2匹の青物を釣り上げたような感じで、ちょっとしたラッシュであった。

その後、だんだんと活性も落ち着いてきた。

YUKAはそれを見てトイレに行ったのだが、するとYUKAの竿にカンパチがヒット!途中まで私がやりとりして、出てきたところでYUKAにバトンタッチ。

見事、2匹目のカンパチをしとめた。これにてYUKAはもう満足、終了という感じだった。

私もこの後は、前半ほどアタリは出ず、大ダイ1匹とマダイ1匹を追加したくらいであった。

途中、シマアジがイカダ中央に浮いていて、Oさんが連続ヒットさせていたが、私もそれを狙ってみたが、2回かけて2回バラしてしまい、活性を潰してしまった。ごめんなさい。

どうも最近はマダイのバラしは減ったのだが(今回はゼロ)、他の魚のバラしが増えた。これもすべて、狙う魚ごとに針をまめに変えないせいではないかと思っている。

マダイ狙いの時には今の私のタックルではマダイ王がよくあっているようで、この針にしてから急に鯛のバラしが減った。がこの針ではシマアジのバラしが増えた気がするし、石鯛もバレやすいと思う。

やっぱりシマアジを狙うときにはグレ針に変えて、石鯛を狙う時は軸が多少長めのに変えてと、狙う魚によってこまめに針の交換はやらねばと思う。・・・が、どうも面倒でというか、せっかちなために横着してしまう。反省である。

さて、しばらくして、お昼となったら、ここでようやく雨が降ってきた。

1番イカダはみなさん割とよく釣れていたので、気づくとほとんどの人が竿をかたづけていた。私もイカダ竿だけ残してあとは片づけていた。釣り時間はあと30分ほど残っていたのだが。

そういうこともあってか、カトキチさんが急遽、終了時間を30分早めてはどうかと提案してくださった。私らのイカダは誰も異存なく、30分早めの終了となった。

私も、夕方までに京都に行かねばならなかったので、これは助かった。お陰様で表彰式に最後まで出ても間に合った。

カトキチさん、牧野さん、光栄丸さん、参加された皆さん、どうもありがとうございました。

(結果)
私〜マダイ5匹、大ダイ3匹、ツバス2匹、シマアジ1匹、イシダイ1匹、ワラサ2匹
YUKA〜マダイ6匹、カンパチ2匹

(アタリエサ・タナ)
マダイ〜魚かしエビ団子・8.5m(5匹)、偽あにじるしアマエビ・8.5m(5匹)、ボケ・8.5m(2匹)、生ミック・8.5m(1匹)、アオイソメ・8.5m(1匹)

シマアジ・石鯛〜アオイソメ・2m

ツバス〜カタクチイワシ・8m、ヒイカ・8m

ワラサ〜生きアジ・1m、8.5m

カンパチ〜生きアジ・8.5m(2匹)

釣りに行く前はもう一つ乗り気でないところもあったが、釣りをはじめるととても楽しく、イカダの上の雰囲気も良かったので、ずっと動かず楽しませてもらった。

さて、今回、ひさびさに、朝一に高活性、放流後に高活性と、典型的な釣り堀のパターンを味わうことができた。最近こういうのが少なかったので、なんかうれしかった。

あと、放流も結構多かった。もちろん、ブリやヒラマサとかハタマスのような特殊な魚は入っていなかったが、しかし、私としては、これもアリかなあと思った。そのぶん、結構な数放流されて、きっちり活性が上がった気がするが・・・。

もちろん、光栄丸さんでも時期によってはヒラマサもブリも放流されているしハタマスが入ることもあるだろう。今回だってイシダイが放流されたし、キングシマアジが在庫であったり、大ダイが多かったりと、きちんと特色が出されていた。

最近は釣り人のほうが、ヒラマサが入っていないと「なんだかなー」という人も多いようだが、そのぶんワラサとカンパチが多くなれば私としてはそれでも十分な気もする。また、ブリなんか入ると、なかなか釣り上げられない人もいたりして、ちょっと困ることもあるし。

ちょっと釣り人も釣り堀にたいして魚種の要求が高くなりすぎ、お互いにクビをしめているようなところがあるのかもしれない。

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当初、1位の賞品は本当はエスプレッソマシーンだったようだが、最初に書いたような経緯でカトキチさんの機転?により、7位の方の賞品となり、ゲットされていた。

しかし、私にはこれでむしろこれでありがたかった(YUKAはものすごく残念がっていた)。職場の冷房は何と5時で消されるのである!今年の夏は活躍してくれるだろう!

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伝統の精神こそ人間の条件

チンパンジーとヒトは遺伝子のレベルでは1%ちょっとしか違っていないのに、どうしてこんなに違うのか、という話の続き。

まず、遺伝子レベルと言っても、DNAのすべてが意味を持っているわけではなく、無意味な領域というのがものすごく多い。意味を持つ場所に限ると、遺伝子の情報はヒトとチンパンジーでもっと違いは大きいということになる。

それから、ヒトの場合は他の生物と大きく違って、遺伝子がすべてではない。生まれつき(遺伝)で決まる要素が50%、育て方(環境)で決まる要素も約50%と言われている。これは人間だけである。

ヒトは遺伝子に刻まれた本能だけで行動しているわけでもなく、文字を使った言葉として体の外に蓄えられた情報によって高度な文明を維持している。その恩恵が大きいということだ。

そもそも、人類がいまとほぼそっくり同じ状態にまで進化したのは、約7万5千年前あたりらしいが、その頃の人類と現代の人類では、遺伝情報としては今と同じ、つまり遺伝子としてはもう現代人と同じだったわけで、即ち、その時点で身体能力や知能は現代人と同じレベルに達していたことになる。

しかし、7万5千年前の人類は、知的な能力を決める遺伝子は現代人と同じであっても、知性のレベルは現代人とは桁違いであった。それは何故か。

ニュートンの言葉がその答えのヒントになる。

「私がさらに遠くを見ることができたとしたら、それはたんに私が巨人の肩に乗っていたからです。」

ここでニュートンが言っている「巨人の肩」とは、人類が言語を生み出してから続いてきた歴史が生み出した知識の集積のことである。

過去から引き継がれ、少しずつ蓄積してきた知識が「巨人の肩」である。現代の我々を支えているのは、過去の歴史を共有できるという点である。その蓄積の恩恵を受けられるから現代の我々がいるのである。

だからこそ、まずはその歴史の蓄積を大切にしなければならないのに、やみくもに最先端を追いかけてばかりである。もちろん特に科学の分野においては最先端を追いかけることも重要かもしれないが、現代人が最先端を進むことができるのは、あくまで過去の歴史の蓄積があり、「巨人の肩」に乗せてもらうことができるからだということを忘れてはいけない。

人類は遺伝子の支配から逃れ、言語によって知識を「外」に持ち、歴史を経て蓄積させることを可能とした。という点で他の動物とは異なっているということである。

つまり、「人類だけが歴史を持っている」のである。歴史の叡智を大切にするという「伝統の精神」こそがヒトをヒトたらしめていると言って良いのではないかな?

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諸行無常の響きあり

土曜日は、つばき屋杯に参加の後、京都で勉強会があった。

つばき杯に参加を申し込んだ直後、この勉強会の日程が決まり、何と同じ日の夕方からになってしまった。どうしようか悩んだが、両方出席することにした。

以前ならば、どちらかを断念しなければならないところだったが、新名神が出来たおかげで、釣りをした後に京都に向かってもギリギリ間に合った。

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この勉強会は、私が唯一癒される場である。最近は、釣りをしても癒されることが無い。いろいろ考えて行動しないといけないし、釣りに没頭することが許されないこともある。

また、テレビを見ると、文化人連中の言っていることに納得できない、世論についてゆけない。

そんな孤独感が、この勉強会では癒される。癒されると言ってももちろん宗教ではない。私の専門外だが、社会科学系の勉強会で、京大やら立命、同志社と言ったあたりの大学院生も参加している。

内容は、主催者のじいさんがほとんど1人で喋って講義する(半分は雑談)という感じなのだが、最後に少々の議論・討論もある。

このじいさんが、なかなか良いことを言う、このじいさんの言うことに癒されているわけである。

そして今回、最後のほうでたまたま平家物語の話が出た。

ちょうど私の気分も、平家物語の有名な冒頭部分と同じだったので、不思議な偶然だと思った。

昔、国語の教科書で読んで知らぬ間に暗記していた平家物語の冒頭部分が、ちょうどこの頃、頭の中をかけめぐっていたところだった。

自然を知れば知るほど、諸行無常を感じ、世を知れば知るほど盛者必衰を見る。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。

驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。

猛き人もついに滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ

この年になると、だんだんと自分に対して(耳の痛い)意見を言ってくれる人、叱ってくれる人が少なくなってしまい、人間、ついつい増長してしまうということがある。

だから、自分を叱ってくれる人、意見を言ってくれる人というのは本当にありがたい存在だと思うし、言われたことにはなるべく謙虚になって、その意見を伺うようにしている。感謝しつつ。

しかし、完璧な人間などいないわけだから、叱るほうも時には間違うだろう。こちらの事情や考え方をご存じない場合だってあるだろうし。なので、まあ話半分くらいにしておくのが良いと思っている。

最終的には、人からどう思われるかは相手に委ねるしかない。そういうことに気を焼いてもどうにもならないので、私はYUKAが一番よろこんでくれるように、YUKAが一番満足してくれるように行動するだけである。それが私にできる精一杯の、そして唯一の、自分以外の人への配慮なのかもしれない。

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