カーク船長の娯楽日記

周回軌道上から地球を眺めつつしたためた恒星日誌
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答を急ぐのは間違いの元

最近のマスコミによる政治報道を見ていると、どうしてそんなあいまいな根拠でものごとを言えるのか不思議になるものが多いです。

私は中学〜高校生の頃にわりと偏った政治思想に傾倒していたことがありますし、その後に反動していた時期まであるので、もうそういう特定のイデオロギーにとらわれるのがいやなものですから、最近は特定の新聞やニュースだけから情報を得るのではなく、新聞ならネットで五大紙の見出しをチェックするなどしています(中身まで読む時間は無し)。

そうすると面白いことがわかるのですが、安倍政権を支持している新聞(読売・産経)と批判している新聞(朝日・毎日)とでは紙面が全然違っています。その違いが顕著なのが、ちょっと前なら安保法案についてで、最近では森友問題、加計学園問題、共謀罪などについてです。

どちらか一紙しか取っていない人は、その新聞に書いてあることがみんなの意見だと思ってしまうのではないでしょうか。ちなみに、年齢層が上になるほど情報はテレビで得ていて、若いほどネット経由らしいです。

私は若くは無いですが、政治の情報はほとんどネット経由です。しかし、ネット経由と言っても、2ちゃんねるとかはまったく見ませんし、訳のわからない匿名のブロガーとかの言うことなど信じません。結局は、大手新聞の記事をネット経由で見ているだけです。

あとは、特定の問題について深く理解したいと思った場合、その筋の専門家が書いたブログ・ツイッター・ニュース記事を調べたり、データベースサイトやまとめサイトなども参照することがあります。

ネットで情報を集める場合には、偏ってしまうととことん偏るので、真実に近づきたければ異なるソースや相反する意見を見比べることが重要になります。その点、五代紙の記事をネットで見比べる場合には、特定のスタンスの新聞に偏ることがないので、左右もしくは親安倍・反安倍の対立構造がよく見えて面白いです。まあ、五代紙すべてが間違っている場合もあるので、結論は出せませんが。

特に、森友問題や加計学園問題では、それぞれのサイドでは真逆のことを言っていて、私からすればどちらも状況証拠にすぎないものですから、それでどうこう言うことじたい、「信じたいだけ」にしか見えません。私の意見は「わかりません」です。

そんなあいまいな話は、まあマスコミでやるのは自由と思いますが、国会ではもうちょっとまともなことを優先して欲しいです。仮に事実であったとしても今のところは違法性には乏しい話ですから、もうちょっと違法性が明らかな話(斡旋収賄や斡旋利得など金・利権がらみとか)なら別ですが。加計学園の話はてっきりそうだと思ってましたが違うみたいですし。

そもそも何でもかんでも規制緩和しか能が無いから特区制度みたいな話になって、そういう方向性に問題があると言う議論なら大いにすべきと思いますし。既得権批判による改革は間違いだらけが多いので(獣医学部新設の話がそうかどうかは私はわかりませんが)。

↓やるなら、こういう話を徹底的に追求すべきでしょう!

民間議員・竹中平蔵氏に“退場勧告” 戦略特区に利益誘導批判

だいたい、「民間議員」って何ですか?議員でも何でもない一民間人どころか、利害関係者ですから利益相反しまくりでしょう!なぜこんな奴らの存在が許されているのか!利権批判による改革の正体は、こいつらへの利益誘導なのです。

あと国会でやって欲しいのは、個人的には、共謀罪のもっとまともな審議や、北朝鮮のミサイル問題(まあ何もできないでしょうが)、あとはやっぱり経済政策についての議論ですね。

最近では失業率がものすごく下がっていて、超人手不足だから景気が回復しているとか言ってますが、少子高齢化で若者が減っているからそうなってきた部分のほうが大きいです。いずれにしろ、人手不足は良いことですし健全です。これでようやく賃金が上がりはじめるきっかけになるでしょうが、まだ景気は回復していませんので間違えないで欲しいですね。

消費増税のせいで個人消費がずっとものすごい低迷し続けており、たしか1年9ヶ月連続しての低下です。これってかなり深刻なんですが、一体何を見ているのやら。

あと、こちらも景気回復と勘違いされていますが、このニュース。

GDP、年2.2%増=5期連続プラス、11年ぶり-1~3月期

このニュースを見て、「アベノミクスがうまくいっている証拠」などと馬鹿なことを言っている人がいましたが、そうではありません。1~3月期でプラスになったGDPと言うのは「実質GDP]なのです。

実質GDPを直接集計することはできませんので、名目GDPとインフレ率から計算して求めるわけですが、名目GDPはほとんど増えていないのにインフレ率がマイナスになったために、実質GDPが成長したことになってしまっただけです。

ようするに、またデフレに逆戻りしただけなのです。これはアベノミクスが失敗していると言うことです。正確には当初のアベノミクスに含まれていなかった消費増税の悪影響だと思いますが。

確かに、経済成長で重要なのは実質GDPの成長(=実質成長)ですが、それは本来なかなか難しい話です。それより今の日本に必用なのは名目成長のほうなのです。20年もデフレを放置して名目成長していない国は日本しかありません。財務官僚とマスコミのマクロ経済音痴が原因です。

「国の借金」とやらの問題や、民間の過剰貯蓄(金を貯め込んで使わない)の問題を解決するには、マイルドなインフレにして名目GDPを増やして行くことが必用です。実質成長はそもそも難しいので、私はこちらに関しては具体的にはわかりませんし、かなり難しいでしょう(低成長なら可能とは思いますし、マイナス成長にならなければ御の字)。

しかし、インフレにするのは簡単で、政府が国債を発行して財政出動をバンバンやる、その国債は日銀が買い上げてしまえばチャラです。ところが安倍政権は超緊縮財政をやっているからデフレに逆戻りしたのです、その緊縮をマスコミがまったく報道しないのも愚かすぎます。

まともな政策の議論もされないまま、反安倍と親安倍の対立で、私からすればどうでもよい「疑惑」ばかりが取り上げられています。そういうのが「娯楽」になっている人もいるのかもしれませんし、マスコミにしても「商売」になるのかもしれませんが、本当の意味での国民生活の向上にはつながらないどころか、重要な問題が置き去りになってマイナスです。なので正直、マスメディアに対する信頼は私の中でどんどん失われています。

なぜそんな根拠の乏しいことを簡単に信じられるのか!?どちらの陣営も、自分たちの敵をやっつけることが目標だからでしょう。手段は何でも良いのかと思います。そんな政治闘争より、国民生活を平和で豊かで安定したものにするようなまともな話題を議論して欲しいものです。

野党やマスコミには安倍政権の政策の間違いをちゃんと糾弾して、正しい政策を提示して欲しいのです。ただの足の引っ張り合いや信じるか信じないかのレベルの「疑惑」の話ではなく。

まあ、私も、若い頃には根拠の乏しいことを色々と信じていましたので偉そうには言えませんが。

まあ実際、政策の話をしてみても、消費増税で社会保障の財源確保みたいな馬鹿なことしか思いつかないのなら、もうそういう人達は何も言うなといいたいですが。あと、「意見」と「事実」をごっちゃにして話をしたりしますし、間違った経済政策を批判する能力もないどころか余計に悪い政策ばかり言いますから、もうお手上げです。

「左右」ではなく「上下」が対立

フランスの大統領選挙が興味深いですね。アメリカの大統領選挙もそうでしたが。

さすがにルペンが勝つことはなさそうですが、マクロンではフランスはダメでしょうね。とうぶんEUのドイツ支配、EU圏内でのドイツ1人勝ちは続きそうです。まあ、仮にルペンになったとしても、混乱するから良くなるとも言えませんが。

イギリスではEU離脱で国民がまっぷたつに割れましたが、フランスも状況は同じようです。親EUの大統領候補と反EUの候補の支持率をあわせると、ほぼ50%対50%です。親EUの候補は、マクロンとフィヨンであわせて50%、反EUは、極右のルペンと極左のメランションの他に泡沫候補数人でこれもあわせて50%です。

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したがって、極右と極左という両極端な候補が「反EU」を主張しているのですが、これらの2人の候補は移民政策以外はかなり近いです。

極右は「国民の権利を守る」、極左は「労働者の権利を守る」と表現は違いますが、内容はほとんど同じ、社会保障を充実させて労働者や零細企業、農民など権利を守る弱者寄りの政治です。極右と言われているのに社会主義っぽいのでわかりにくいですが。

なので、労働者階級ではルペン支持37%、メランション24%、親EUの候補支持はマクロン16%、フィヨン5%です。一般国民もしくは労働者の立場からすると今のEU言いなりのフランスでは自分たちの権利や利益が守られないと感じているわけですし、それは正しいと思います。

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親EUの候補は中道(マクロン)もしくは右派(フィヨン)ですが、支持者は都市部に住んでいるエリート層や比較的裕福な層、グローバル資本の関係者など、経済的にわりと恵まれている人たちです。

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と言うことは、そもそも、ルペンは本当に「極右」なのか!?

エマニュエル・トッドの友人でフランスのことに詳しい学者の堀茂樹氏の分析がまた興味深いので彼のTwitterから引用しておきます。



フランス現地でも一般にルペンの党「国民戦線」は「極右」とされています。ただ、ここまで大きくなった党や、ましてルペン自身を、烙印を押すような意味で「極右」と言えるかどうか疑問です。又、右左の位置づけは座標軸に依ります。ルペンは文化マターではかなり右または極右、経済政策では左派です。


思想から見てマリーヌ・ルペンは日本の政治家の誰に近いか?私なら、ずばり亀井静香さんと答えます。マクロンのほうは思想を持たず、効率追求の名で福祉国家を解体していくイケメン新自由主義者、新しさを装って既成権力を存続させる人という点で、小泉純一郎氏と進次郎氏を足して2で割った感じです。


(質問)女性ならば、ルペン=田中眞紀子さんではどうでしょうか?もしくは、中山恭子さんとか。

(堀氏の回答)田中真紀子さんとも違いますが、中山恭子って、夫の 中山成彬ともども、まさに狭量な「極右」。あんなのにマリーヌ・ルペンを比べるのは、ルペンに対して失礼過ぎます。尚、マリーヌは、知識量、センス、雄弁さにおいてハイレベルですよ。日本の政治家で比肩し得る人がいるかどうか大いに怪しい。


(質問)右派は積極財政でも公共投資に拘る側面が日本では見られ、社会保障などは自己責任論、働かざる者食うべからず論から、右派には、むしろ蔑ろにされがちだと私は捉えているのですが、社会保障面に関してはルペンはどうなのでしょうか?マクロンよりは救いの手を差し伸べる感じなのでしょうか?

(堀氏の回答)①積極財政は世界的には左派の特徴です。②従来の右派らしからぬ方針を取ったのがアベノミクスだが、金融緩和ばかり続けて財政出動は途中でやめてしまった、③ルペンは断乎社会保障を守ろうという姿勢を鮮明にしています。④政策としての当否は兎も角、ルペンはマクロンより遥かに経済的弱者寄りです。


仏大統領選。第1回投票で、パリ市内でのルペンの得票は5%未満でした。これを見て、パリという世界都市の矜持だ!移民や難民に対する寛容さの証だ!などと短絡的に称賛するのはトンデモです。市内の居住者は主に中産階級や学生で、ルペン支持の多い低所得の勤労者層は郊外にしか住んでいないのです。

ルペンの言う「国民」や「フランス人」人種化(racialize)されていると思い込むのは、ありがちな一知半解パターンです。歴史や社会や人類学的与件を知らず、検証もしないのは一番ダメ。何度でも言ってあげよう。マリーヌ・ルペンはナショナリストだが、レイシストではない、と。


反レイシストの一部分(or相当部分)は、レイシストの存在を必要とし、無意識に求めているのではないかな?もしレイシストがいなければ、反レイシストとしての自分の社会的存在意義が消えてしまい、「アンチ」の高揚感を味わえなくなるから。(戦闘的無神論者が信者の存在を必要とするのと同じ。)
 否、①このタイプの反レイシストが味わうのは「アンチ」の高揚感ではなく、侮蔑できる事による優越感だろう。②このタイプの反レイシストは、レイシストの存在を無意識に求めるだけでなく、レイシストの藁人形を作り上げる(「問題」はあるがレイシストではない人物を、レイシストだと決めつける。)


その他のツイッターなどからまとめると、ルペンの特徴は、

①フランス文化第一、フランス国民第一、これ以上の移民の受け入れ制限(すでに受け入れた移民を追い出すなどとは言っていない)、国境管理の厳格化(日本並みにする)などからみて、ナショナリストであり右派なのは間違い無い。

②イスラム系に対してはフランス文化になじむべきなどと言っており、確かに不寛容な面がある。

③経済政策は平等重視で社会保障を充実させて労働者の権利を保護、そのための積極財政を主張=典型的な左派の経済政策。

さらに、このことの証拠として、今回の大統領選挙の結果に関する以下データが挙げられます。

フランスは歴史的に「平等主義の地域」と、「保守的・不平等地域」とに分かれるらしいのですが、ルペンは平等主義の地域で支持され、マクロンは不平等主義の地域で支持されているとのこと。

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世代や所得別に見てみるとまた面白いです。

若者に期待されたメランション、70代以上の支持が厚いフィヨン。中堅世代に浸透するルペン。
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所得別に見ると、貧しい層から最も支持を得ていたのはルペン氏で、それに次ぐのがメランション氏だった。マクロン氏は富裕層に推されている。
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この二つのデータから将来を予測すると面白いです。上のグラフから判断して、経済状況がこのままであと10年くらい世代がすすむとフィヨン支持の高齢者が死んでルペン支持の多い中堅層が社会の中心になり、メランションの支持も増えるでしょう。

そして、下のグラフから、貧困層が増えればさらにルペンへの支持が増えると予想されます。今回はマクロンになったとしても、マクロンでは貧困層が拡大するに決まってますから、その次の選挙では反EUのルペンとメランションで大統領を争うようになるかもしれません。

あと、これらのデータを見ると、メランションとルペンへの支持のパターンは、アメリカでのサンダース(若者の期待)とトランプ(中年労働者貧困層の支持)の場合とよく似ています。

と言うことは、親EUと反EUの対立と言うのは、左右のイデオロギーの対立というより、経済的な上下の対立だと言うことです。

そして、アメリカや日本とも共通するものとしては、中道や中道左派、リベラルと言った勢力がグローバリズムをコスモポリタニズム的なものと勘違いしたきれいごとばかり言って、過激な自由貿易や経済自由主義により生じた格差を放置し、労働者の権利・利益を守ろうとせず、国民を豊かにする経済政策をまったく提言できていないと言う点でしょう。

日本のマスコミは経済政策に関してはもっとレベルが低くて、安保とかスキャンダルとかには熱心ですが、経済に関しては、税金のむだ遣い批判=緊縮財政促進ばかりで、結果として新自由主義的の構造改革や規制緩和などデフレ促進・格差拡大の政策しか残りませんので、こうなっている(野田政権以上の超緊縮路線に変質したアベノミクスを批判しない)わけです。

本気で格差を解消しようとか、国民を豊かにしようと思うなら、日銀が通貨発行してそれを財源に財政出動すれば何の問題もないことに気づくと思うのですが、たぶん自分たちはわりと恵まれた生活をしているから関心がなくて気づかないのかどうなのか!?大手マスコミ関係者はかなりの高額所得者ですので。

そのような状況だから、イデオロギーとアンチ安倍しか無い野党では経済が滅茶苦茶になるので、少しだけでも経済をマシにした安倍政権を消去法で支持しているにすぎないのに、どうして支持率が高いのかわからないみたいに思っているようで、絶望的です。日本のマスコミも、いまだに左右の対立しか考えていない、頭の中には鉄のカーテンが降りっぱなし、脳内にベルリンの壁がそびえたっているわけです。

似たようなことが世界中でもおこっているのでしょう。アメリカもフランスも、若者はそれぞれサンダースとかメランションと言う社会主義者、極左候補への支持が多いのは、若い世代ほど格差が深刻だからです。トランプやルペンへの支持が多いのは、地方の労働者階級と言う点で共通しています。

EUやTPPなどは、その圏内で過激な自由貿易、統一市場、人の移動の自由、資本移動の自由を高レベルで認め合うものですから、国境の垣根を下げる政策=グローバリズムです。従って、EUやTPPに反対するルペンやトランプはどちらも反グローバリズムです。

グローバル化は格差を拡大して国民を貧しくするわけですから、左右に関係無く、国民重視ならば反グローバリズムになるのは当然のはず、そもそもグローバリズムの反対はナショナリズムなのですから、右派ならば反グローバリズムになるのが当たり前のはずですから、ルペンやトランプが反グローバリズムなのは当たり前ですが、日本の右派はなぜかみんなグローバリストばかりです。

最近はヨーロッパの左派もナショナリズムを見直しており、「リベラル・ナショナリズム」と言う考え方が注目されています。この考え方によれば、社会保障や累進課税など所得再分配政策の根拠として、「同じ国民どうしは仲間なのだからお互いに助け合うのは当然」となるわけです。

結局、日本の右派はナショナリズム(国民主義)ではなく、ステイティズム(国家主義)にすぎないのかもしれません。政府が強くて、グローバル企業が強ければ、一般国民はどうでも良いみたいな。

でも、日本の右派の大好きなグローバル化にせよ規制緩和にせよ、どちらも国家・政府の権限を弱めるものですから、ステイティズム(国家主義)にもならず矛盾しているのですが。頭が弱いのかな!?単にグローバル資本や経団連にコントロールされているだけかもしれませんが。

そして、左派はと言えば、そもそも反ナショナリズムですから、「国民」と言うくくりが嫌いみたいなので・・・でも国民だからなんとか守れるのであって、そこに外国人や移民までいっぱい入れたら、一国の政府にそんなに多くの人達の権利や利益などをすべて守る能力があるわけないので、国が破綻してしまいます。欲張らないほうがいいです。国が守るのは国民まで。外国人や移民はその次でなければ無理です。

そして、国民の権利を守るためにも、強い政府が必用なのですから、やたらめったら政府の権限を弱めることばかり言ってもダメなのですが、それも理解していないようです。

政府が国民の権利を侵害するのはもちろん論外ですが、中国やロシア、トルコ等ならいざ知らず、今の日本では経済的に貧しくなって行くことのほうが現実問題として深刻なのですが(景気が悪いと自殺者が増えますし)、そのことにあまり関心が無いわけですから困ります。

日本でも格差のあおりを一番受けているのは若い世代です。特に日本の格差はアメリカと違って、世代間格差(正規雇用と非正規雇用)がメインなので、余計に気づかれにくいのです。

若い世代が貧しくても、両親や祖父母が面倒みれば、家計としてはどうにかやっていけますから、ホームレスが街にあふれたりスラム街が形成されたりとかにはなりません。餓死者も出ません。

だから、貧困層が拡大しているように見えないわけですが、その結果として格差が放置され、若い世代がいつまでも親から自立できない社会になってしまうわけです。それは、少子高齢化が爆発的に進むのも当たり前です。

そして、少子高齢化社会と言うのは、そもそもが格差を放置しがちになります。なぜかと言えば、若い世代から貧しくなって行くのですが、高齢者から見た場合、今の若者の生活は自分たちが若かった頃よりは豊かに見えてしまうから、勘違いしてしまうのです。

最近の若者は草食系だとか、リスクを恐れて行動しないとか、自分たちが若い頃は猛烈に働きまくったとか、すぐ精神論みたいなことを言って若者を批判するのも高齢者に多いですが、世の中の変化をわかっていないからそんなことを言ってしまうわけです。

自分の主観ではなく、経済の統計とかデータを見てものを考えないからそうなるのかと思うのですが、本来はマスコミがそういうことをすべきなのに、やらないからでしょう。

そのような状況では、極右だろうが極左だろうが、国民や労働者の生活を良くしてくれる政治家に期待する人々が世界中で増えるのも当たり前だと思います。ちなみに、本当に国民を豊かにしてくれそうな政治家=金融緩和で財源作って財政出動(消費税減税)+反グローバリズム・・・を言う政治家は、たぶん日本にはいないと思います。いても支持する人は少ないでしょう。残念ながら。

北朝鮮の核ミサイルで早めに滅びるか、経済政策の間違いをずっと続けて先細るか、どっちにしても、日本の未来は暗いでしょう。まあ、私の考えが間違っていれば良いですが・・・

ちなみに、今回は右派、左派の言葉をちゃんと定義せずに使いましたが、最近では右翼、左翼の意味がかなり変わっています。いずれ整理してみたいと思います。

経済成長で解決に向かう諸問題

経済成長の必要性について、一つ下の投稿の続きです。また長くなりましたので、余計に誰も読まないだろうと思えるので、文章の推敲や誤字脱字チェック、論理性の確認などは十分にはしていません・・・。

何のために書いているのか!?ブログでこういうことを書く理由は、自分の頭の中を整理して理解を深めるためであり、読む人のためではありません。読む人がいるとも思えないし(笑)。変わった趣味だと自分でも思います。究極の自己満足。

少しかっこつけて言えば・・・何が真実なのか?をあらゆる分野で探求することが人生の目的の一つと考えているので、暇があれば考えるのが好きなのです。

なら公開する必用もないですが、あとで正しいことを書いていたことがわかれば、その時には自慢します。間違っていたとわかれば、こっそり消します(笑)。




さて、今の日本に経済成長が必用な理由は、一つ下の投稿でだいたい大まかに書きましたし、要点だけ言えば、日本は貧しい人が増えているので、政治の目的として国民を豊かにする、豊かさを保つ、これくらいは必用だから、そのために必要最小限の経済成長率くらい確保しましょうということです。

日本の場合、適度なインフレ率を維持して名目成長が2−3%くらいであれば可能ですし(実質1%はできているから、インフレ率を1−2%程度にすればよい)、さまざまな問題(後述)は解決に向かいます。

実質成長率を大きく高めるのは難しいでしょう。少なくとも新自由主義色を排除していない安倍政権にはできないことです。しかし、適度のインフレにするくらいはしなければならないし、その手段もはっきりしています。このまま金融緩和を続けて、それを財源に財政出動すれば良いだけです。ここまでは安倍首相も理解しています。なので、他よりマシな点です。

そこで、①右派ならば防衛費増額とか軍需産業とかに財政出動、②左派ならば社会保障・福祉方面へ財政出動、③地方を重視するならば社会資本(特に地方のインフラ整備等)に財政出動、④その他として災害対策、教育、研究・開発、産業振興などに財政出動

この①〜④のどの財政出動を優先するかにおいて議論が起こるとか、与野党が対立すると言うならわかるのですが、金融緩和するかしないかで与野党が対立し、財政出動してはいけないことで与野党がほぼ一致しているわけですから、もう絶望的です。

と言うか、金融緩和で財源を作って財政出動とは左派の経済政策です。クルーグマンもスティグリッツもピケティもみんな左派・リベラル方面の経済学者です。

ちなみに日本の左派のエコノミストでも、立命館大学の松尾匡氏、経済評論家の森永卓郎氏、エコノミストの菊池英博氏などは金融緩和+財政出動で②を主張していますが少数派ですしマスコミでも軽視されて影響力が低いです。

  

  

  

あと、左派?の経済学者やエコノミストは、日本はもうだめだ、デフレを我慢して経済成長もせず先細りするしかない、みたいなのしかいないです(浜矩子など)。この論調は、不思議と高齢者にウケが良いみたいです。

ちなみに、日本のリフレ派と言われる学者集団は非主流派・超マイナーでまったく影響力がなかったのが、安倍晋三にその政策を採用されて代表格の岩田規久男氏が日銀副総裁にまでなりましたが、彼らは金融緩和に偏重で財政政策は軽視していました。結果として消費増税をやる口実に金融緩和が利用されてしまい、不十分な結果になったわけです(いちおうリフレ派は消費増税には反対してましたが)。それで、最近になってようやく財政出動もしたほうが良いと言い出した訳です。遅すぎです。

あと、実際に政府に影響力の強い日本の主流派と言うか、東大や慶応の経済学者連中はほとんど財務省の御用学者ばかりで(中には財務省からの天下り教授なども)、緊縮財政・消費増税・プライマリーバランスばかり言ってます。




また話がそれました。それでは、適度な名目成長によって解決に向かう日本の問題とは何かですが、①「国の借金」の増加、②社会保障費の増加 ③経済格差の拡大、④少子高齢化
この4つです。

①「国の借金」の増加問題

これに関しては、名目成長だけでほぼ解決する問題です。あとの②〜④は、適度な名目成長が維持されたからと言って、問題が完全に片が付くと言うわけではありませんが、改善のための必用条件であることは間違いありません。

そして、①の問題があるからこそ、勘違いからプライマリーバランスを目標にしてしまっている結果として、②も問題になっているのであり、③を放置せざるをえない現状になっているわけです。

そして、④も若い世代の雇用が派遣ばかりになってしまっている結果として結婚も出産もできないことで急激に進行しているわけです。

④については、経済的理由だけではなく、価値観や社会構造の変化による部分もあり、どっちみち少子高齢化の方向はどうにもなりませんが、経済的な理由で結婚したくてもできない、子供を持ちたくても持てない人がそうできるようになれば十分なので、価値観や社会制度にまで踏み込む必用はなく、経済的理由だけ解決すれば良いと私は思います(いずれ人手のいらない社会になりますし)。

話をもどしまして、国の借金の増加ですが、今の日本の財政は危機でも何でも無い、アベノミクスの金融緩和で財政再建終了と書きましたが、長期的にそのままで問題がないわけではありません。

本当の意味での財政の健全性の指標は、「政府債務対名目GDP比が発散しないこと」です。財政の持続可能性こそが重要だからです。

「国の借金」が増えていても名目GDPも増えていてその比率が大きくならず維持されていさえすれば、その国の財政は持続可能ということになります。

で、普通は名目GDPが増えて行くものですから、その増加の範囲で政府は毎年の赤字を拡大しつづけても大丈夫。国債の利払いと償還がちゃんとできていれば問題無しと言うことです。そうやってまわしてゆくものです。

さらに、名目GDPが増えれば税収も増えますので(後述)、一石二鳥です。

別に政府債務をゼロにする必用などありませんし、どこの国もそんなことしていません。なぜ無理して経済を滅茶苦茶にしてまで国の借金をゼロにする必用があるのでしょう?誰かの借金は誰かの資産です。政府が借金を減らせばそのぶん資産を減らす人がいるわけです。

政府の財政赤字の拡大は、国民(家計と企業)の所得増加になります。逆に、プライマリーバランスの黒字化は、国民(家計と企業)から所得を奪うことになるのです。これをわかっていない人が多いので困ります。

話がそれましたが・・・

では何故名目GDPが増えれば税収も増えるのか、ですが・・・

税収がどこから来るのか?それは課税対象 ≒ 名目GDPです。税金と言うのは大半が所得にかかるものです。その所得の合計がGDPです。

所得税も法人税も、そして、消費税も所得が発生する時にかかります(所得を得るほうではなく与える側に税金がかかりますが)。

一部、固定資産税と言う変な税金もありますが・・・。
厳密には「所得課税」50%、「消費課税」35%、「資産課税(固定資産税と相続税)」15%、です。

いずれにしろ、税収の増減は名目GDPの増減と相関・因果関係ともにあるので、以下のような近似式が成り立ちます。

「税収 = 名目GDP × 税率 × 税収弾性率」

税収弾性率とは、名目GDPが1%増えた際に、税収が何%増えるかをあらわす指標で、景気によって変動します。景気回復局面=名目GDPが増えてくると、赤字だった企業が黒字化して法人税を支払うとか、失業者が職に就き所得税を払うとかいう現象が発生し、税率以上に税収が増えます。

逆に、景気後退局面=名目GDPが減少してくると、黒字だった企業が赤字化して法人税が払えなくなるとか、失業者が増え所得税を払えなくなるという現象が発生し、税率以上に税収が減るという意味です。

増税すると税収が減ることがあるのは、税率は上がっても景気が悪化することで税収弾性率が小さくなるからです。

それはともかく、デフレの状況から回復すれば名目GDPは増えますので、税収が税率以上に増えます。従って、経済成長こそが、現在の日本の財政の唯一の問題点(対GDP比で政府の負債が増えている)を解決することになります。

国の借金が増えていても、GDPも増えていて比率が変わらなければ何の問題もありません。古い借金から順番に償還して行けば良いだけの話で、そもそも政府の負債をゼロにする必用などありませんし、そんなことしても有害なだけです。これを理解していない人も多いですが・・・

まあ、その前に、プライマリーバランスとか間違った目標をやめて、正しい目標に切り替えるのが先ですが・・・

財政については、まとめサイトがありますので、こちらを参照して下さい。がっつり考えてみたい人用と、忙しい人用とが用意されています。

誰がまとめたのかわかりませんので、信じる信じないは別として、考え始めるとっかかりにしてはどうかと思います。




②格差拡大の問題

格差拡大の問題解決のために最初に思いつくのは、所得再分配政策かもしれません。実際それをやればよいと思いますが、その場合も、どこかには増税しなければならないことになります。儲かっているところにですが。

それはそれでやれるならやれば良いですが、経済が停滞している時にはどの部門にたいしても増税はしにくいものですし、必死で抵抗するでしょう。再分配のための増税をしやすくすると言う意味でも経済成長はしたほうが良いです。経済成長すれば税収が確実に増えますから、その増えた税収を再分配的に、つまり格差の縮小のために使うこともできるでしょうし。

なので、経済成長は格差の縮小のための政策をやりやすくしてくれます。

あと、そもそも、格差拡大の要因は、ピケティが「21世紀の資本」で明らかにしたように、

 r > g 

です。



r(リターン)とは、資本収益率、要するに株や不動産など、資産運用から得られる利益率のことです。そして
g(グロース)とは、経済成長率、所得の伸び率のことです。

過去200年間の経済を分析した結果、経済成長率(g)よりも資本収益率(r)のほうが常に大きかったことが格差拡大の要因であることを明らかにしたのです。資本主義では政府が何もしなければ格差はどんどん拡大して行くのです。

ただし、戦後の30年間ほどだけはその例外があり、1980年代くらいまでは日・米・欧の一部の資本主義国では格差の小さな社会が実現されていました。その理由は、戦争で金融資本が縮小したこと、金融の規制が厳しくて今ほど金融業がもうからなかったこと(rが小さかった)、高度成長していた(gが大きかった)、これらが重なったからです。

戦後のブレトンウッズ体制と言うのは金融を厳しく規制するところからスタートしています。あと、特にアメリカなどでも金融方面の規制が多く、当時の金融業と言うのはr(リターン)が今よりかなり小さくてたいして儲からない業種だったそうです。その一方で、それなりに高い経済成長率を維持していましたので、当時のアメリカはスウェーデンより格差が小さかったそうです。日本も同じ。

それが、90年代以降、金融部門の度重なる極端な規制緩和により、アメリカの金融業は異様に・不当に儲かるような業種にどんどん変化していって、その行き着く先が現在の1%、いや、0.1%への富の集中です。

なので、金融部門の規制も必用ですが、経済成長しなくて良いと言うことは、結果として格差拡大を放置してよいという意味に近くなるわけです。

日本における経済成長の必用性

いろんな人と話をすると、そもそもなんで経済成長などが必用なのか(たぶん必用ないだろうと言う意味で言われているのかと思いますが)、ほとんどの人がそう思われているようで、まあそれが普通かもしれませんが、私の認識とは違います。

日本が経済的に豊かだと思われている人が多いので、なおさらそう思うのかと思いますが、そもそもそこが誤解です(見方は色々ありますが)。日本も貧困層が増えていて格差が拡大傾向ですが、アメリカのように上と下が広がっているのではなく、日本の場合は下にむかって広がっています。富裕層はさほど増えずに、貧困層だけ増えているのです。再分配だけの問題ではないと言うことです。

あとマクロな話では例えば、日本の名目GDP総額はかつては世界第2位、近年では中国に抜かれて3位です。それどころか、世界全体のGDPにおける日本のGDPのシェアは、かつて18%もあったものが、今では6%以下ですから、日本の停滞ぶりは明らかです。

さらに、日本の「国民1人当たりのGDP」は90年代中頃には世界3位でしたが、今や22位で、だいたいイタリア並みです(ドル換算で、こちら参照)。以下は内閣府のデータによる図で、比較する国や集計方法が微妙に違いますが参考までに。

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もちろん、産業・社会構造や人口・格差レベルなどが違いますし、為替レートの反映や統計のやりかたもありますから、順位それ自体にはあまり意味がありません(ルクセンブルクが1位ですし)。そうではなくて、それらがこの20年で大きく後退・低下していることに意味があります。

それだけ日本が衰退して貧しくなっているのです。ちなみに、国民意識の将来展望など、日本はロシア以下です。ロシア人のほうが自国の未来に明るい展望を抱いています。まあ勘違いかもしれませんが(笑)、でも出生率も人口も増えていますし、日本人が思っているよりもロシア人の生活は豊かなようです。

それはともかく、先進国はどこも低成長で、途上国の成長も鈍化しています。そこで、どうすれば持続的な経済成長が可能なのかと言う議論と、もはや持続的な成長は困難なので他の目標を見つけるべきと言う議論と二つあります。

先進国ではGDP(経済的な豊かさ)以外の別の「豊かさ」「幸福度」などの指標を見つけるべきと言う議論もあります。

しかし、日本の場合は実はこれらの議論以前の話なのです。他の国とはかなり状況が違います。デフレのせいで普通の名目成長すらできていないのです。とりあえず名目成長だけでも普通の国並にすれば良くて、そのためにはデフレ脱却するだけで良いのです。

並の国程度のこともできていない日本が「経済成長しても意味ない」と言うのは、成績の悪い子供が「勉強なんかしても意味無い」と言うのと同じレベルの話です。

他の並の国のレベルになってから、その先の話として言うなら別ですが、今はそれ以前の状態です。要するに、日本のマクロ経済政策を担うインテリ達(経済学者・財務官僚・経産官僚・国会議員・経済評論家・マスコミなど)の経済知識・思想レベルが世界最低水準だと言うことです。

さて、一般に、真面目に考えて、経済成長はもう目指すべき目標ではないと言っている人は、実質成長のことを言っているのかと思います。そうならば、話を聞く価値はありますが、それでも低成長ならば可能ですし、しないよりはしたほうが良いです。以下、順番に考えてまとめて行きます。

先に話の論点と結論だけを並べておきますと・・・

(1)日本が経済成長(名目成長)できない理由は他の国と違う
(2)経済成長が必用な理由
 ① 日本はもはや経済的に豊かな国ではない
 ② 物質面の豊かさ以外の豊かさのためにも経済成長は必用
 ③ 名目成長の必用性〜名目成長により、日本社会の多くの問題が好転する
 ④ 実質成長の必用性〜低成長ならば可能だし、しないよりしたほうが良い

この土日はたぶん釣りに行けないと思うので、時間があれば、これらについて順番に書いて行きたいと思います。

なお、経済成長したからと言ってそれだけで確実に国民が安心して豊かに暮らせるわけではありません。あくまで必用条件にすぎないのです。しかし、十分条件でないからと言って不要だと決めつけるのは安心と豊かさをはじめから放棄して、日本国民を貧困化させて日本を発展途上国に逆戻りさせることにつながります。色んなデータや経済指標を見れば、もう、そうなりつつあるのです。

ただし、これは今のところ言われている、AIによるシンギュラリティ(以下参照)のようなものが到来しないことが前提です。AIが多くの人々の職を奪うような世の中になれば、今現在の経済・社会のしくみが根本から成り立たなくなってしまい、未知の社会が到来してしまいます。そうなると、もう何をして良いのかまったくわかりません。あくまで、そういうものが来ないで現状の経済・社会制度が続く前提での話です。

Singularityの意味(Eゲイト英和辞典)
1 風変り,奇妙,異常
2 風変わりな点,特異性
3 単一(性),単独
4 ≪天文用語≫特異点(ブラックホールを形成すると考えられている点)

「シンギュラリティ」 知恵蔵の解説より一部省略および改変

シンギュラリティ(またはTechnological Singularity)とは、人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点(技術的特異点)。または、それがもたらす世界の変化のことをいう。

米国の未来学者レイ・カーツワイルが、2005年に出した“The Singularity Is Near"(邦題『ポスト・ヒューマン誕生』)でその概念を提唱し、徐々に知られるようになった。カーツワイルは本書で、2045年にシンギュラリティが到来し、AIは人類に豊かな未来をもたらしてくれる、という楽観的な見方を提示している。



(中略)

シンギュラリティには懸念の声も多い。理論物理学者スティーヴン・ホーキングは、AIは人類に悲劇をもたらす可能性があると警告し、ビル・ゲイツも批判的な見解を出している。こうした脅威論を一蹴するカーツワイルも、安全運用のためのガイドライン作成の必要性は否定しない。

日本では15年末、野村総合研究所が「10~20年後、国内の労働人口の約49%がAIやロボットで代替可能になる」(英・工学博士M.オズボーン他との共同研究)という報告書を発表し、雇用の消失という面から注目された。報告書は、601種の職業について、創造性や協調性が求められる非定型の業務は人間が担うが、一般事務・配送・清掃・警備・運転・製造業務などの約100種は代替可能性がきわめて高いと指摘している。

(後略)


ここに書かれているように、シンギュラリティの結果には楽観論と悲観論とがありますが、私は性格上、悲観論のほうです(笑)。

カーツワイルがシンギュラリティを言い出した当時(2005年頃)は、まだSFやオカルトのような扱いだったらしいですが、ここ数年になって徐々に現実味を帯びてきたことから、扱いが変わってきたようです(笑)。

悲観論のほうへ向かった場合の最悪の結末としては、ターミネーターまたはマトリックスの世界ですが、そうなる前にも大半の人間の職業が不要になれば、多くの国民が仕事して納税して行政が動くと言う社会が成り立たなくなる可能性があります。そうなってしまっては、何をどうして良いのやら!?

これはこれで興味深い話なので、またいくつか本を読んでから考えてみたいですが、AIその他の技術進歩により、低賃金労働、単純労働においてほとんど人手が不要になると予想されるわけですから、今が人手不足だからと言ってむやみに移民などを入れてしまうと逆に将来は大変なことになるでしょう。私が、日本は少子化でむしろラッキーと言うのはこのことを前提にしています。

それ以外に、かなりSFチックになりますが、現在のペースで生殖技術や再生医療技術が進歩し続けると、人間ももはや今の人間とは違う存在になってしまう可能性もあるのではないかと思います。

・・・と、話がそれました。

では、時間があれば「日本に経済成長が必用な理由」などについて週末にでも書く予定です。

ちなみに、私は自分の考えが絶対とは思っていませんので(なんせ過去にいろいろ間違った考えを信じてきましたので)、いろいろと知ったり考えたりする過程で考えが変わって行く可能性があります。あくまで現時点での暫定的な結論です。なので、数年後に違うことを言っていたらすみません(笑)。いちおう言い訳を先にしておきます。

「国の借金1000兆円」はウソでした

『週刊現代』2017年4月8日号で、先日私がここで紹介したスティグリッツ氏の提言が紹介されています。マスコミはほとんど無視でしたが。

以下引用です(引用元はこちら)。



1000兆円の国債って実はウソ!? スティグリッツ教授の重大提言 マスコミはなぜ無視をしたのだろう…

2017年4月2日 6時0分 現代ビジネス

(要約)
① ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ氏が日本の財政政策に提言した
② 「国の借金が1000兆円ある」という主張を鵜呑みにしてはいけないと警告
③ 国全体国債と政府の連結資産を相殺すると国債残高はほぼゼロになると伝えた

■政府と中央銀行を統合

ノーベル経済学賞受賞者でコロンビア大学教授のスティグリッツ氏が来日し、経済財政諮問会議で、財政政策による構造改革を進めるべきだと提言した。

そのなかでスティグリッツ氏は、政府や日銀が保有する国債を「無効化」することで、政府の債務は「瞬時に減少」し、「不安はいくらか和らぐ」と発言した。

実は彼のこの主張は、日本の財政の真実を明らかにするものだが、具体的になにを意味するのか。

スティグリッツ氏のこの提言には様々な前提がある。まず、「統合政府」とよばれる考え方を押さえておきたい。これは財政や金融問題について、政府と中央銀行を一体のものとして考えることを指す。

たとえば日本の場合、中央銀行である日本銀行は実質的に政府の「子会社」といえる。だから、民間企業でグループ会社の資産も連結決算で考えるのと同じように、政府と日銀の資産は連結してみることができるということだ。

ちなみにこれは「中央銀行の独立性」とは矛盾しない。中央銀行の独立性とは、政府の経済政策目標の範囲内でオペレーションを任されているという意味で、民間でいえばグループ企業が独立して営業する権利を持っているのと同じである。

この統合政府の財政状況を示すバランスシートでは、右側の「負債」はすなわち国債残高を示す。重要なのは左側の「資産」であるが、統合政府の場合この資産に日銀が保有する国債が含まれるのだ。

■国の借金1000兆円のウソ

右側の国債残高はおよそ1000兆円、左側の日銀保有国債は約400兆円である。これらを「無効化」すると、国債残高は「瞬時に減少」するとスティグリッツ氏は主張しているのだ。

ちなみに「無効化」とは内閣府が用意した資料の和訳によるもので、筆者は「相殺」と訳すべきだと考えている。というのも、スティグリッツ氏が書いた英文原資料には「Cancelling」とあり、これは会計用語で「相殺」を意味するからだ。国全体の国債と、日銀保有の国債は「相殺」できると考えるとわかりやすい。

たしかに、日銀の保有国債残高に対して、政府は利払いをするが、それは「国庫納付金」として政府に戻ってくるので、利払いのぶん国債が増えることにはならない。

要するに、スティグリッツ氏は「国の借金が1000兆円ある」という主張を鵜呑みにしてはいけないと警告している。

この考え方をさらに進めると、政府の連結資産に含められるのは、日銀だけではない。いわゆる「天下り法人」なども含めると、実に600兆円ほどの資産がある。これらも連結してバランスシート上で「相殺」すると、実質的な国債残高はほぼゼロになる。日本の財務状況は、財務省が言うほど悪くないことがわかる。

スティグリッツ氏は、ほかにも財政再建のために消費税増税を急ぐなとも言っている。彼の主張は、財務省が描く増税へのシナリオにとって非常に都合の悪いものなのだ。

彼の発言は重要な指摘であったが、残念ながら、ほとんどメディアで報道されなかった。経済財政諮問会議の事務局である内閣府が彼の主張をよく理解できず、役所の振り付けで動きがちなメディアが報道できなかったのが実際のところだろう。



(以上引用終わり)

さて、一般の人が物事の真偽を判断するにあたっては、ほとんどの人が、「何を言っているか」ではなく「誰が言っているか」でもって判断するのではないかと思います。

いや、私は違う、誰が言っているかではなく、話の内容そのもので真偽を判断している、と言われる方もいるかもしれませんが、しかし、すべての事柄にたいしてそんなこと出来るはずがありませんので、大半の物事については、特に自分の専門外の情報やニュースその他については自分が信頼している人であったりメディアであったりが言っているから信じるのだろうと思います。個人の情報処理能力・収集能力を考えれば当然のことです。

だから、多くの人が信頼しているメディアが間違った場合、世の中全体が間違うと言うことがあるのだと思います。戦前もたぶんそうだったのでしょう。戦後の日本人が戦前の日本人より賢くなったと言う証拠はどこにもありません。

なぜこんなことを言い出したかと言うと、一つには、「国の借金」の問題に関してはスティグリッツの提言をマスコミがほぼ無視したと言うことからもわかる通り、多数のメディアは間違っている、もしくは正しく理解していないと言えると思います。

その結果として、「誰が言っているか」で物事の真偽を判断する普通の国民は、国の借金は1000兆円ありヤバイと信じていると言う状況になってしまっていると言うこと。

もうひとつは、この記事を書いている人物がそもそも信用できるのかと言う点です。記事の元になったスティグリッツは信用できると私は思っていますが、記事を書いたのはT氏です。

このT氏は、元財務官僚(正確には大蔵官僚)で、小泉政権ではブレーンの1人でもあった人物で、その後に時計泥棒で捕まったこともあり、現在は民間のシンクタンクのようなものの代表をつとめています。官僚批判、財務省批判が得意な人です。

私自身のこのT氏に対する認識は、以下の通りです。

非常に頭が良く、マクロ経済に関してかなり正しく理解している。元官僚だけに行政機構についても色々なことを知っているので、政策の立案や役所の問題点の指摘などがよく出来る。

ただし、お金でアイディアを売る仕事をしているので、お客さん(政府や自治体の首長など)が正しい政策(政府の財政出動)のための理屈を要求した場合には正しいことを言うが、間違った政策(小泉構造改革や大阪都構想)のための理屈を要求した時にはウソや詭弁も使う。

官僚機構に対しては何らかの個人的な恨みを持っているようにしか思えないくらいに敵愾心を抱いている部分があるように見えるので、彼の官僚批判は少し割り引いて見る必用がある。



私自身、なるべく「誰それが言っているから」と言う判断はしないように心がけているものの、そんなに賢いわけでも調査・判断能力が高いわけでもないので、最終的には誰かが言っているからと言うことで信じるしか無いわけですが、今までさんざん間違った考え方に騙されてきた私なので偉そうなことは言えませんが、スティグリッツが言っていることは正しいと思いますが、どうでしょうねー。

ちなみに、私はそういう「何が真実なのか!?」がよくわからない社会科学系が好きではなかったので、客観的な事実によって真実がわかる「自然科学」に惹かれたのですが・・・

特に、最近では医学の分野が驚異的なまでに客観的事実を重視するようになってきています。「エビデンス」というやつです。最近では医学の治療行為が本当に有効かどうかの判定はものすごく厳密になされています。そういうものでないと保健医療の対象になりません。

しかし、すべての物事に確たる「エビデンス」がなければ判断できないとなると、世の中の何も決められませんし、自分の人生の進路も判断できませんから、結局のところは、「自分が信じたいものを信じる」「信用している人が言っているから信じる」と言うことで物事の判断を下さなければならないのはしょうがないのかと思います。

そもそも、社会生活を送って行く上で、何が正しいかなど一義的には決まらない場合も多いですから、信じたいものを信じるようにでもしないと何も判断も決断もできませんから、ある程度はしょうがないことです。ただ、度が過ぎると問題ですし、そのことに無自覚な人もどうかと思います。

何か話がそれましたが、今の森友問題などが典型ですが、あれを見て熱中している人たちと言うのはまさに、「自分が信じたいものを信じる」傾向が特別に強い人たち、自分の判断を一切疑わない客観性の乏しい人たちだと思います。

左方面の方々は安倍首相と夫人が土地取引に関与したと思いたいようですし、右方面では辻元清美が森友工作に関与したとか思いたいようです。でも、実際どうなのかは、証言やメールだけからはわかりようがありません。

そもそもこの問題で一番重要なのは、首相を含む政治家が森友学園の土地取得に関して斡旋収賄にかかわったかどうかと言う点だけです。それ(土地取得)以外への関与(個人的つきあい等)はどうでも良い話です。

土地取得についても、官僚が勝手に忖度して安く売っただけなら斡旋収賄にはなりません。その過程で政治家に金がわたったことを証明しなければダメです。斡旋収賄があったかどうかは、各方面が「証言」しあったところでわからない話ですから、捜査権を持った警察なり検察なりが動かなければ解決しません。

だったら、マスコミや国会でああでもないこうでもないと言い合うのではなく、警察なり検察なりが動けと言うのが一番の近道であり、真実を明らかにするにはそれしかないと思います。

誰かが「ああ言った」「こう言った」などということを前提に話をしても、水掛け論にしかなりません。そんな馬鹿なことを国会だけでなく日本中でやっている間に、重要な法案や国家財政の問題についての正しい議論がどこかへ行ってしまいます。愚かなマスコミは優先順位もわからないのでしょうか!?

もうひとつ気になったのは、昭恵夫人が公人であったとしても、何か変なことをしたならそれは彼女が責任を問われる問題であり、彼女がやったことで首相が責任を取ると言うのは、妻の責任を夫が取る=封建主義的な夫婦観・家族観を持つ人間の発想であり、リベラルなはずの野党がこの論理を用いて安倍首相に責任を問うのはどうなのでしょうか!?妻は夫の従属物ではなく、夫婦といえども独立した個人です。やったことについてはそれぞれが責任を取るべき問題です。

こんな馬鹿な騒ぎをしてワイドショー的な政治ショーに熱中しているこの国は、本当にヤバイと思いますが、そのヤバさをわかっている国民がほとんどいないとなると絶望的です。

いや、今回の馬鹿騒ぎがほとんど支持率に影響していなことから判断すると、こんなことをしても無意味だとほとんどの国民はわかっているのかもしれません。

安倍政権の最大の支持勢力は、反安倍をかかげる野党だと思います。野党があまりに馬鹿なこと・的外れなことばかりやっているから、しょうがなく安倍政権が支持されているとしか私には思えません。

安倍政権を積極的に支持しているように見える一部の人だって、野党があまりにバカなことばかり言うからそれに反論しているうちに、結果として安倍政権を応援している形になっているだけではないでしょうか!?

私には野党を応援する人も、安倍政権を熱心に支持する人も、両方とも理解できませんので。

だいたい、昔の左派はもっとインテリでしたが最近は頭の悪いイデオロギーにかたまった人ばかりになってきているのではないでしょうか!?それこそ、「何を言っているか」ではなく「誰が言っているか」で判断する知性に欠ける人達です。安倍や自民党が言っているから間違いだ、ウソだと反対だけしているみたいな。

彼らは世の中が右傾化したと嘆きますが、それは自分たち左派が知的に劣化してきたことの結果かもしれないと考えてみることはしないのでしょうね。

アメリカでトランプが大統領になったり、ヨーロッパで極右政党が台頭してきたのも、左派が一般国民の生活を守れていないから、その結果だと思います。日本でも同じ傾向なのではないでしょうか!?少しは国民生活の足しになるような提言ができていますか!?消費増税を社会保障の財源とか認める左派がいますかね!?失業率を確実に引き下げることがほぼ証明されている金融緩和に反対するとか、経済成長は必用無いとか、小学生レベルの知性ではないでしょうか?与党の足ひっぱりしかできていないのではないでしょうか?

決して右派が正しいわけではありませんが、世界中で一般の国民が、左派・リベラルな政治勢力に幻滅しだしてきているのは間違い無いと思います。国民の生活、生命、安全などを守ることが一番大切なのであって、自分たちのイデオロギーや信じたいものを守ることなどではないでしょう。

どうすれば国民の生活がより向上して平和で安心して暮らせるようになるか、今現在自分が信じているイデオロギーをもう一回疑ってみるところからはじめて、もうちょっとまともに考えてみてはどうでしょうか!?そうすれば、安倍政権や右派の間違い(国民生活を豊かにしない点)が具体的に浮かび上がってくると思います。

今の日本の現状で、金融緩和も財政出動もせずに、どうやってまともな方向に持って行けるのか、そのこともわからないのかと野党に限らず大半の政治家やマスコミや池上彰(だけじゃありませんが)には絶望しか感じません。